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VR動画 2018.06.30

帰還兵の心はいかにして傷つけられたのか VRで描き体験するPTSD

ここ数年で、軍隊経験者の心的外傷後ストレス障害(PTSD)については、人々の関心が高まってきています。従軍を終えても、戦いが終わったとは言えないのです。およそ12.5%の退役軍人がPTSDを発症しているとも言われ、看過できない問題となっています。

この問題について人々に関心を持ってもうために、VR映像スタジオRYOTはVRアーティストと協力し、兵士の視点から見たイラク戦争、そして帰還後の体験を、VRコンテンツとして制作しました。

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Tilt Brushで描かれる戦地

イラク戦争に参加したScott England氏の経験に関する「Mind at War」。この動画は、彼がアフガニスタンとイラクでの体験からPTSDに至った経緯を、360度の映像で伝えています。

コンテンツは約20分間で、VRアプリの「Tilt Brush」で描かれたイラストを使っています。このコンテンツではEngland氏自身のナレーションで、彼の戦地でのトラウマ、精神不安定を引き起こした経緯が語られます。VRの没入感と相まって、感情移入させる内容となっています。

人々の気づきを促すためのVR

この作品は、国際的なドキュメンタリー作品の祭典、Sheffield International Documentary Festivalにて公開されました。RYOTのCEO、Bryn Moserは声明の中で「プロジェクトの目標は、現在世界が直面する問題への気づきを促すメディアを作ることです」と発表しています。そして、「『Mind of War』では、視聴者を惹きつけ、気づきを促すためにVR技術を使いました」と続けています。

異なる立場の視点に入り込めるVRだからこそ、感情移入を引き起こせると言えます。

RYOTはこれまでにも、シリア難民の物語を描いた映画「Bashir’s Dream」など、VRのジャーナリズム作品を多数手掛けています。

(参考)VRScout
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