Meta Quest向けSDK(ソフトウェア開発キット)のv74アップデートの詳細が発表。ハンドトラッキングの“マイクロジェスチャー”や、Audio To Expressionの改善といった更新が実施されるほか、開発者のパススルーカメラへの権限付与などが導入されることが告知されています。
ハンドトラッキングのマイクロジェスチャーは、手をハンドコントローラーに見立てて、親指を仮想タッチパッドを操作する形で、タップやスワイプ系の操作が行えるシステム。Meta社は、回転やテレポート移動の操作に活用できると説明しています。
これまでのVRゲームのハンドトラッキングでは、移動操作の際、特定の“サイン(指の形)”を作る必要があるケースが多く、直感的な動作が難しいという課題がありました。マイクロジェスチャーを使うことで、問題が改善することが期待されます。
なおMeta社は、開発中のリストバンド型コントローラーや新型スマートグラスにも、親指を使った操作を導入していることが判明しています。今回のジェスチャー対応は、Meta Questをこれらのデバイスの開発に活用する一環と思われます。
Audio To Expressionは、v71SDKで実装された機能で、マイク音声から表情筋を推定し、(カメラ等での)フェイストラッキングを使用せずに表情を作る機能。v74では、「以前のモデルより、感情表現、口の動き、非音声発声の精度を含むあらゆる面の精度が向上している」とのこと。3月時点では、Meta社のアバターSDKにはAudio To Expressionは導入されていません。
パススルーについては、ユーザーが許可した場合、アプリがQuestの前面カラーカメラにアクセス可能になりました。開発者は、レンズの内部パラメータやヘッドセットのポーズなどのメタデータを取得可能で、独自コンピュータービジョンのモデル実行に使用できるそうです。
(参考)UploadVR
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