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イベント情報 2017.06.08

【体験レポ】誰でも簡単に映像制作ができる『映画ツクール』

映画を撮影したことがある人は、どのくらいいるでしょうか?映画を見て撮ってみたいと思っても、カメラの機材、役者、撮影スタッフと実写で撮影するにはコストと人員が必要です。3DCGで映画を作ろうとした場合もソフトを扱うための知識と技術が必要となります。

やってみたいと思っても、始めるまでの越えなければならないハードルにうんざりします。特別な技術を必要とせずに映画を作れるようになれば、多くの人が撮影してみようと思うではないでしょうか。

2017年6月1日(木)に御茶ノ水ソラシティ カンファレンスセンターで、開催された「VRクリエイティブアワード2017」で映画ツクール – Make it Film! -』はVRCアワード個人部門優秀賞を受賞しました。

「VRクリエイティブアワード2017」はVRコンソーシアムが主催する、VR業界を牽引するVR作品やクリエイターを発掘・認知度向上・活動の支援を目的として開催される企画。今年で3回目です。

今年は応募部門が個人部門と商業部門に分かれました。展示エリアも商業と個人とで分かれ、それぞれ個性的な展示が見られました。

すでに以前にも何度か展示されたコンテンツなどもありますが、新しい部分があったり、展示機会が少ないコンテンツなど気になった展示を前回に続き紹介していきます。

映画ツクール – Make it Film! -』とは 

映画ツクール – Make it Film! –(以下映画ツクール)は株式会社エクシヴィ室橋雅人氏によるVR内で撮影して映画を作ることをコンセプトにして制作されたVRツールです。

『映画ツクール』のシーンは4つ、取調室のように机に向かい合い、座って話す2人。基地のような廊下を走り抜ける数人。インタビューを受けているように話す人。窓際で向かい合って話す2人。

自分の手にカメラを持ち、歩いて移動することもできますし、カメラを持ったままボタン操作で左右前後、上下、ズームをすることができます。映画撮影の訓練にも使うことができ、シーンの切り取り方によって映像の意味が変わることを理解できます。

 

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ローアングルで撮影するときにしゃがんだり、膝をついて撮影することは現実では辛いものですが、ボタン操作で座ったままでも地面スレスレや、地面に埋まった状態でのアングルで撮影ができます。クレーンがなくても天井から撮影が可能。

役者替わりのキャラクターは同じ行動を繰り返すため、何回でも撮り直し、どのアングルからの映像が最も効果的かを撮り比べることができます。速い動きのカメラワークを練習できます。

インタビューシーンのインタビューをされる役や、2人での会話の内の1人は自分で動かします。自分の頭の動きや手の動きがアバターに反映されます。撮影した動画を編集し、字幕を入れるだけで映画が作れてしまうツールです。

 

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映画ツクールは映画制作のハードルを下げる

CG映像作品を作るときのカメラワークには専門知識が必要です。映像演出は文字や写真、動画で説明されてもわかりにくいものです。それらを、映画ツクールならばVR内で実際に撮影してみることができ、どのアングルから撮影するとどういう映像になるかを実際に確かめることができます。

演じる役者は人間ではないため、何回でも同じことをやり続け、同じシーンを違う角度、違う尺で何回でも撮りなおすことが可能です。撮影を勉強している人にとっては、役者に負担をかけず、長時間の撮影によるコストをかけずにカメラワークの練習をすることができます。

制作者の室橋氏によると、映画制作を誰でもできるようにすることでクリエイターを増やすことが目的とのこと。

学校の授業で取り入れるなどすれば効果的に学習できそうです。また、カメラを扱うように直観的に使えるので、3DCGの技術のない実写系の人でも、実写を撮影するようにCG映像作品を作ることが可能です。

ツークン研究所でも同じようにカメラを持ってCG映像を撮影するコンテンツ『Unrearl Stage』があり、実際の映像制作に使っているとのこと。『Unrearl Stage』はプロが使うようなカメラのような装置を持って撮影することや、撮影スタジオのように広い場所が必要なので、個人で導入することは現実的ではありません。

『映画ツクール』ならばPC・Oculus Rift・Oculus touchのみ、場所は1m四方もあれば使えるので、学生やアマチュアでも扱いやすくなっています。

VRで創作ツールがクリエイターを増加させる

VR内で絵を描ける『Tilt Brush』、『Quill』。VR内で立体物を作れる『Medium』『Make Box』など作品を作ることができるVRツールがでてきています。

モニター上でマウスやキーボードを使って制作するためには操作を覚え、3Dの物体を平面で制作する慣れが必要でした。VR内でハンドコントローラを使い直観的に操作できることで、誰もが作品を発表できるようになっています。

『映画ツクール』も、映画制作を簡単に、低コストで作れるようになれば、クオリティが高い作品が生まれてくる可能性があります。重力に縛られないために、今まで見たことのない映像が生まれてくるかもしれません。

なお、5月29日から『映画ツクール』はテスターを募集しています。


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