カメラメーカーのLytro社は、VRで体験するためのライトフィールドカメラ『Lytro Immerge』を発表しました。
Lytro社はこれまで、撮影後にピントを合わせることのできるライトフィールドカメラを開発、販売してきました。2015年2月には、VR向けの事業に舵を切るために5000万ドル(60億円)を資金調達したところです。
今回発表された『Lytro Immerge』は同社のライトフィールド技術をVRで鑑賞するためのカメラとして360度カメラに応用したものです。通常の360度カメラでは、平面的に見えますが、このカメラで撮影された360度動画は、実際に現実と同じように奥行きがあるように感じられます。実際にこのカメラでは、6度(約1m)の範囲であれば、撮影した空間の中を動くこともできるとしています。
輪っか状の非常にユニークな形状をしていますが、それぞれの輪に組み込まれているカメラの数は合計すると数百にもなり、Lytro独自のイメージセンサーとつながっています。
VRで体験したときに、その差は歴然としており、実際に実在感を感じるのは、奥行きがあるからこそとも言えます。高解像度のVRヘッドマウントディスプレイにも対応しており、片目2Kまで対応しているとのこと。解像度が挙がるほど実在感も増すことになります。
また、情報が多くなるため、1時間分の映像でも数TBの容量になるため、専用のサーバーが必要となります。また、ライトフィールドによって奥行きが実現することで、現実とCGの合成も今後可能になっていくとしています。
専用のストリーミングサーバーも現在プロトタイプを用意しており、ストリーミング配信に関しても見据えているようです。
この『Lytro Immerge』は、2016年第1四半期の出荷を予定し、価格は「他のハイエンドシステムと同程度」になるとのこと。VRで奥行きを感じられる360度実写コンテンツも来年には登場することが予想されます。
発表と同時に公開された以下の動画では、この『Lytro Immerge』が紹介されるとともに、Vrse、Paul and Felix、WEVRといったこれまでVR向けに360度映像を制作してきた大所のスタジオのクリエイターがコメントを寄せています。
https://vimeo.com/144034085
(参考)
UploadVR / Lytro announces world’s first light field VR video camera
http://uploadvr.com/lytro-immerge-vr-light-field-video-camera/
※アメリカのVR専門メディアRoad to VR、UploadVRはMogura VRとのパートナーシップを結んでいます。