ホーム
PSVR
Oculus Go
Vive・Vive Pro
VTuber
AR/MR
スマホVR
VR体験情報
ビジネス利用
VR動画
技術動向
イベント情報
ゲーム・アプリ
業界動向・将来予測

VRの「いま」を掘りだすニュースメディア

MoguraVR

プロ達が直面した失敗談とノウハウ、提案は宝の山!「施設型VRオペレーションセミナー」レポート(前編)

一般社団法人ロケーションベースVR協会は、「スタッフによるアテンドなどのオペレーション負担軽減」をテーマにした「施設型VRオペレーションセミナー」を2018年4月12日に開催しました。

VRアトラクション施設を運営する各社による、経験を踏まえたノウハウや提案がたっぷりの本セミナーは、VR施設運営者だけでなくハードウェア・ソフトウェアの製作者も必聴の内容でした。今回はセミナーで話し合われた中でも、資料にまとめられていない、それでいて濃厚で示唆に富む話題について、前編・後編の2つに分けてレポートします。

ロケーションベースVR協会(以下、LVA)はロケーションベースによるVR(施設型VR)に関わる事業者によって構成された一般社団法人です。LVAでは施設向けVRにおける問題点に対処するため複数のワーキンググループを持ち、対象年齢に関するガイドラインなどを公表しています。

今回のセミナーでは、松平恒幸氏(株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ)のモデレートのもと、足立光氏(株式会社電通)、安藤晃弘氏(株式会社ハシラス)、田宮幸春氏(株式会社バンダイナムコアミューズメント)、速水和彦氏(CAセガジョイポリス株式会社)といった、VR施設の運営だけでなく、施設向けVRコンテンツの企画・開発・流通を行っている各社のキーマンが登壇。LVAの「オペレーション軽減ワーキンググループ」(以下、OP軽減WG)が協議・検討を行いとりまとめた提案やノウハウに関して解説が行われました。


松平恒幸氏(株式会社ソニー・ミュージックコミュニケーションズ)


足立光氏(株式会社電通)


安藤晃弘氏(株式会社ハシラス/LVA代表理事)


田宮幸春氏(株式会社バンダイナムコアミューズメント)


速水和彦氏(CAセガジョイポリス株式会社)

本セミナーのスタンス

OP軽減WGが持つ問題意識は、

・デリケートな機材であるヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)やセンサーを使用する、VRの特性に根ざした諸々の課題が、VRの発展にあたっての大きな問題の一つ
・現在は多数のオペレーションスタッフのアテンドによって対応
・多数のオペレーションスタッフを必要とする現在の態様は、運営コストの増大につながるものであり、VRの産業としての発展を妨げている

というものです。

それに対し、OP軽減WGは以下のような点について、課題の整理や現時点でのノウハウをまとめました。

  • 待合方法
  • 事前オリエンテーション
  • 待ち時間表示
  • 免責事項の同意
  • 外国語対応
  • 荷物あずかり
  • バックアップPC
  • ニンジャマスク
  • HMD
  • ヘッドホン
  • コントローラー
  • チュートリアル
  • キャリブレーション
  • プレイスタート方法
  • プレイ中
  • エラー対応/トラブルシュート/災害・消防法対応
  • 盗難防止(機器)
  • 終了
  • バッテリー充電
  • 点検
  • ファンデーション問題

以上の課題について、目指す理想的な状態と、それに向けての解決策(案)については、LVAが公表しているこちらの資料にまとめられています。(なお、課題の検討にあたっては、付加価値サービスとしてのオペレーションやスタッフアテンドについては議論せず、オペレーション軽減を目指した可能性のみに焦点を当ています。)

今回のセミナーはLVAが発表した資料についての報告会です。VRを販売促進で使ったり施設を運営したりする上で参考になればとのことですが、解決しきれてない問題もあり、今後に向けて解決のためのアイディアが欲しいという聴講者へのお願いもありました。
本稿では資料にない、さらに踏み込んだ話題を中心にレポートします。

多言語対応

海外からの来客もあるVR施設では、多言語対応が施設側からコンテンツ開発者に要請されることもあるそうです。それに対し開発者の立場から安藤氏は「スタートキーにどの言語でプレイをするかアサインさせることで、UIや音声をどの言語にするか変更できるようにしている」と説明。

さらに、専用施設であれば入場時に体験者の身長や性別、言語などの属性情報を非接触型タグに登録させ、タグをコンテンツに接触させてスタートできるようになると、利用制限やコンテンツの言語対応など、自動化できつつマルチリンガルや免責などでも細やかな対応ができるようになるのではないか、と先を見据えた提案もありました。

荷物預かり

HMDを被ってのプレイは視界を塞いでしまうため、プレイ中の荷物盗難のリスクがあります。これに対しOP軽減WGは、施設にコインロッカーを設置するのが有用と結論付けています。

速水氏は、コンテンツごとにロッカーを設置すると「一回ロッカーにしまったあとに荷物を取り出したくなったり、モバイルで写真撮影をしてからしまったり」とオペレーションに時間がかかってしまうことを指摘。アドアーズのVR PARK TOKYOのように、施設入場時にコインロッカーへ案内し、荷物を入れてもらうのがよいと述べていました。

さらに、「ロッカー設置のコストがかかるためアテンダントする人員が見ていればよいという考え方もあるが、スタッフが盗難をするという可能性もあるため、スタッフを守るという意味からもロッカーが必須」と、ロッカーの有用性を説明しました。

その話を受け、
「「VR SENSE」など、筐体備え付けのセキュリティボックスがあるものもあるが、大きな荷物だとしまえない。監視カメラを付けたうえで、大きな箱を用意してあげて、蓋を開けるたびにポロリンと音がなるというものだと抑制策になるのではないか」(安藤氏)
「空港などで体験するときは、椅子がパカっと開いて、そこに荷物をしまって、その上で体験させる」(足立氏)
という筐体レベルでの案も提示されました。

ニンジャマスク

複数の人が使用するHMDと顔の接触による防汚対策として、多くの施設では不織布のガードマスク「ニンジャマスク」を体験者に装着させています。

これに関し、
・装着時・体験中にズレてしまい体験者の視界をふさいでしまう
・消耗品ゆえに導入コストがかかる
という課題があります。

それに対し、ニンジャマスクの装着を無くす取り組みについて複数の事例が紹介されました。

VR ZONE SHINJUKUの「攻殻機動隊ARISE Stealth Hounds」は体験者が激しく動くアクティビティゆえ、プレイ中にニンジャマスクがずれてしまうことがあるそうです。そこで、ずれて不便を強いるくらいならばと、HMDのスポンジ面の上に防水カバーをつけ、拭けば清潔な状態にできるようにした上で、体験前に「マスクを使わなくてもいいです」とアナウンスをしています。なお、このアナウンスをした結果、マスクを使わずに体験している人が多いものの、女性がファンデーションを気にして使うケースもあるそうです。

東京ジョイポリスの「ZERO LATENCY VR」でもマスクは配布せず、バックヤードで清掃をしてから次のプレイに出しています。また、使用しているHMD「OSVR」にはレンズが曇らないようにファンがついているので、気休め程度ではあるものの汗が軽減できているそうです。

タイトーステーション 溝の口店ではウエットティッシュを置いて、気になる人は拭いてねというオペレーションが取られていたそうです。

なお、HMDの接触面の清掃については、アルコールで清掃をても湿っていると体験者はそれが気になってプレイに集中できなくなってしまうので、速乾性のもので拭き取るようにと補足もありました。

そうでありながら、「気になる方はこれをお使いください」というマスク的なものは継続してやっていかないといけないのかな、とニンジャマスクが与える清潔感といった心理的な効果についても田宮氏は触れていました。

装着物の防汚対策

そこから話は、HMDだけでなくVRコンテンツでの装着物の防汚対策についてへと。
松平氏がバックパックPCを背負ったら、直前に体験した人の汗でお気に入りのTシャツが濡れてしまったという悲しい過去のエピソードを披露。

田宮氏は、VR ZONEの「高所恐怖SHOW」にて、当初は手のマーカーを伸びるゴムを巻いて装着する形にしていたが、1日60人くらいに体験してもらったところ、1日で「イヤなにおいがする」状態になったという実例を述べ、VR施設運営においては「装着物についてちょっとでも吸水性のあるものはNGである」と強調していました。

コントローラーについても防汚対策の話題が。不特定多数が使用して手汗などで汚れたコントローラーを体験者の前でアルコールを浸み込ませた布で拭くのは、清掃とともに、ちゃんと毎回拭いているんだというのを見せることで、体験者が気になる度を減らすという効果も大きいということでした。

そして、
「HMDと顔との接着面がスポンジ状のもので、女性がファンデーションをつけて装着した場合、スポンジ部分にファンデーションが付着してしまい、いくら洗っても落ちないため、Gear VRの当該パーツを全部無駄にしてしまった」(足立氏)
「女性向けとして作られた「刀剣乱舞」のVRコンテンツでは、近くに鏡を置いておき、体験後にファンデーションが落ちていないかチェックできるようにしていた。ロケーションでは幅広い層も取り込んでいくということで、こういった問題もケアしていきたい」(安藤氏)
と、ファンデーションの取り扱いは繰り返し話題に上っていました。

(後編へ続く)

参考リンク

一般社団法人ロケーションベースVR協会
http://lva.or.jp/
オペレーション負担軽減ワーキンググループ検討成果(pdfファイル)
http://lva.or.jp/pdf/op.pdf

この記事を書いた人

tabata hideki
「ゲームと社会をごちゃまぜにして楽しんじゃえ」がモットーの、フリーのコンテンツ開発者。節電ゲーム「#denkimeter」の開発担当だったり、最近はVRコンテンツも作ってます。 本業は、アイマスP(アイドルマスターのファン)を。

Twitter:@hitabataba

法人様向けVR/AR/MRサービスのご案内
Advertise on Mogura VR(English)

デイリーランキング

VR/AR/MRをビジネスでどう活用する?
体験&相談はお任せください!
VR/AR/MRショールーム 体験しながらビジネス相談「もぐラボ」

機材+コンテンツ+運営スタッフを
Mogura VR がフルサポート
機材+コンテンツ+運営スタッフを Mogura VR がフルサポート 「出前VR」

VTuber ライブ配信予定表

VR業界 2018年
バーチャルユーチューバー 最新情報まとめ
ニンジャマスクの購入はこちら! Mogura VR Store

「Insta360 Pro 体験説明会」 Advertisement

VR/AR/MR 用語集