子供向けのAR/VRなどを体験できるテーマパーク「リトルプラネット」(株式会社プレースホルダ)が、2017年10月26日から2018年1月31日まで東京・ららぽーと立川立飛で開催されています。
3歳から10歳くらいを対象としたコンテンツが7つ(2017年11月現在)展示されており、親も一緒に楽しめるようになっています。
今回は、この「リトルプラネット」の様子をレポートしていきます。
入国管理局でアバター作成
リトルプラネットに入場すると、まずやるのは入国管理局という位置付けのアトラクション『PLANET PORTAL』で写真を撮ってアバター作成します。
作成されたアバターは壁に投影された映像のどこかに出現します。遊んでいる間に見つけてみてください。
スプレーで落書きしても怒られない壁
『SPRAY PAINTING』は白い壁にスプレーで落書きができる体験です。
壁の前に立ち、スプレーを壁に向けて指で押すと、「シュー」という音と共にスプレーから赤い液体が噴き出したかのように壁には赤い色がつきます。
スプレーは上下に振るごとに色が変化し、壁に近いところで吹きかければ細い線が書け、離れたところから吹きかけると広い面に色がつきます。
壁の中には白い大きなサメやエイ、人魚が泳いでいます。生き物にスプレーを吹きかけることで好きな色を着けることができます。絵を好きなだけ描くことができますが、壁の8割程が絵で埋まると自動的に絵が消え元の白い壁に戻り、また好きなように絵を描くことができます。
メッセージや王冠や翼を描いた前に立ち、ポーズを決めてみたり、色を2色以上重ねるとどんな色に見えるか試したり絵を描くだけでない楽しみ方ができます。
VRデバイスを活用した意外な仕組み
この『SPRAY PAINTING』、実は使っているスプレーには何も入っていません、押すと「シュー」と出る音もスピーカーから流れています。スプレーの底には位置を認識するViveトラッカーが付き、天井にはプロジェクターと一緒にヘッドマウントディスプレイHTC Viveが置かれています。
VRヘッドマウントディスプレイをつけずに、現実にいながらVR内で描いた絵をプロジェクターで壁に投影することで、真っ白な壁に自由に落書きしているように見えます。
壁に思いっきり落書きするという行為はやりたくてもなかなかできないことですが、広く白い壁に絵を描く爽快な気分に子供たちは夢中になっていました。
現実にはない積み木を協力して積む
『LITTLE BUILDERS』はAR技術を使った積み木遊びです。『マインクラフト』のようにカラフルな立方体を積み上げて、建物を作ることができます。スマートフォンの画面を通すと直径1m程の島の上に建物が乗っています。既存の建物をハンマーで壊して、新しい建物を作ることもできます。
他の建物の影になって積み上げにくいところは、実際に歩いて見やすい位置に回り込むように移動し作ります。1人で制作することも楽しいですが、友達や兄弟姉妹と一緒に大作を作ることも楽しいです。
誰かと一緒に遊べる『LITTLE BUILDERS』は、現実の積み木遊びと変わりません。違うのは、好きなだけ積み木が出せ、後片付けをする必要がなく、積み木を高く積み上げてもバランスが崩れて落ちてくる心配をする必要がないということです。
穴を掘ったら噴火する砂遊び
『SAND PARTY!』は砂を盛り上げたときの高さによって違う色が投影されるAR砂遊びです。砂場のようですが、中に入って遊ぶことはできません。木枠の外から手を入れて遊びます。砂場で山を作るように盛り上げると緑色の山になり、なだらかにならすと白い平野のようになります。白い部分を掘ると下から水が染み出すように池や川や海になります。
水の中では魚が動き、魚を砂ごと掬うと手の中で魚が泳ぐので金魚掬いをしてる気分になります。高い山の頂にドリルで穴を開けると下からマグマが吹き出します。
水辺のキラキラと光るあたりを掘ると埋まっていた宝箱が見つかったり、隠れているものを映し出す虫メガネで探索すると何もない場所に蝶や金色の小便小僧の像が見つかることもあります。
水の青、平野の白、山の緑の3色を使って大きな魚やメッセージを書くなど、制作者も考えていなかった遊び方を始めた子供もいるるのことで、現場のスタッフも驚いていました。
動き出す塗り絵
続いて紹介する『DRAW YOUR WORLD』と『PAPER RIKISH』は、用意された厚紙の塗り絵に色鉛筆を使って色を塗った作品をスキャナーで取り込むと、施設内の壁に塗った絵が動いて現れるコンテンツです。
『DRAW YOUR WORLD』は塗った絵が、壁面に投影された海の中に魚として現れます。いつどのように泳いでくるかわからないため、子供たちは探して見つけると一緒に記念撮影をしていました。
海の前にはトランポリンのような跳ねるマットが敷かれているため、子供たちは飛び跳ねながら自分の魚のあとをついていく、とのこと。
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『PAPER RIKISH』は、魚の開きなど、何かの表側と裏側が書かれた塗り絵に色を塗ってスキャンしてもらいます。スキャンされた絵はとんとん相撲の力士のように大きな切り株の土俵上に投影されます。自分で動かすことはできませんが、子供たちは力士が最後の1人になるまでぶつかり合って闘う姿に声援を送っていました。
力士は塗った色で速さと強さが決まり、形の違いで動き方に違いが出ます。スタッフはあえて攻略情報を教えません。子供たちは自分たちで観察し話し合い、新しい組み合わせを試すなど研究するそうです。
タブレットが正解を教えてくれるタングラム
『Osmo Tangram(タングラム)』はアメリカのTangible Play, Inc.が手掛けるパズルゲームです。
タングラムは三角や四角などの図形を組み合わせて、出題されるシルエットを再現するパズルゲームです。
『Osmo』はタブレットやスマートフォン用を使ってタングラムを遊ぶアプリです。問題に合わせて、図形を組み合わせていくと、タブレットやスマートフォンのカメラで形を認識、正解すると音、光、シルエットの色が着くなどで答え合わせをしてくれます。
出題形式も迷路の途中に問題が置かれていたり、ヒントを貰えるコインが入っている宝箱があるなどパズルゲーム以外の遊び要素が含まれています。
筆者もタングラム自体は遊んだことはありますが、本で遊ぶよりも正解すると教えてくれる『Osmo』の方が、正解したことを盛り上げてくれ、ヒントもわかりやすいため本で遊ぶよりハマりそうだと感じました。
この施設で遊べる90分ずっと『Osmo』を解いている子供もいるそうです。
リトルプラネットに遊びに来るなら
ゆっくり体験したい人は平日昼間がおすすめです。館内の人数が少ないためどのコンテンツも好きなだけ楽しめます。
また、子供の好みは年齢や個人差で大きく異なるため、1つのコンテンツだけ混んで遊べないということはなく万遍ないとのことです。
今後の追加コンテンツ
12月に入るとコンテンツがクリスマス仕様になり、新しい追加コンテンツの予定もあるなど繰り返し遊びに行っても飽きないような工夫もあるとのこと。また、来年中には他の地域でも開催する予定があるとのこと。
VRはいい技術だから子供にも体験してもらいたかった
このテーマパークを企画している株式会社プレースホルダのFounder・CEOである後藤貴史氏にお話を伺いました。
後藤氏は子供の頃自分が楽しかった遊びを、少子化や安全性などの理由で公園から遊具や砂場が撤去された現代の子供も遊べるようにしたいとの気持ちから屋内で安心して遊べるテーマパークを考えたのとことです。
多くのVR施設に遊びに行き、VRは凄い技術だがどこも子供ができる体験は少なかったため、ヘッドマウントディスプレイを使わないVRコンテンツが遊べるアトラクション施設を作ってみたかったことから「リトルプラネット」の開催に至ったとのことです。
『「アソビ」が「マナビ」に変わる体験型知育デジタルテーマパーク』という観点で、子供の教育にどのような効果が得られるかは、今後研究機関と一緒にデータを取り、得られた結果を元にさらに一歩進めたコンテンツ開発をしていくとのことです。
子供たちがデジタル技術で遊ぶことで、開発者も想定していなかった新な遊び方を見つけたり、普通の公園のように一緒になった子供と友達になる光景も見られる「リトルプラネット」。他のテーマパークとは少し違う、新しい技術に触れながら自発的に工夫して遊べるテーマパークとなっています。
施設概要
名称 |
リトルプラネット ららぽーと⽴川⽴⾶ |
期間 |
2017年10月26日から2018年1月31日 |
営業時間 |
10:00~21:00(最終受付20:30) |
場所 |
東京都立川市泉町935番地の1 ららぽーと⽴川⽴⾶ |
入場料 |
子供 大人 |
公式サイト |