Home » 密室でクロちゃんが迫ってくる恐怖イベントをVR体験してきた


イベント情報 2020.01.18

密室でクロちゃんが迫ってくる恐怖イベントをVR体験してきた

1月17日(金)~2月3日(月)の期間中、池袋PARCO(パルコ)にて、お笑い芸人クロちゃん(安田大サーカス・本名:黒川明人さん)初となる展覧会「クロちゃんのモンスターパーク」が開催されています。

広島PARCOから福岡PARCO、松本PARCO、名古屋PARCOと全国巡回した人気の展示会です。特に名古屋PARCOでは2週間で約7,500人が来場するほどの盛況ぶりだったとのこと。

今回は満を期しての東京開催。開催前日の1月16日に行わられたメディア向けオープンニングイベントでは、これまでの展示会で特に人気のあったクロちゃんと密室で2人きりになってしまうVRコーナーを体験しました。


(会場入り口の廊下通路。ここを通ってVRコーナーに向かいます。展示はVRを含めて全9つ。池袋では新コーナーの「クロちゃんの体毛研究室」が初公開されます)

本コーナーのコンテンツは180度動画のVR作品です。エレベーターの密室でクロちゃんと2人きりになってしまうというもの。体験者は女性視点でクロちゃんに、ハードに迫られるVRを体験できます。


(クロちゃん曰く、これまでの全国の展示会ではVRを体験中の女性による黄色い声が響き、好評だったそうです)

体験スペースは映像内のエレベーターと似た密室空間を再現。VR同様クロちゃんから逃げられないようなデザインに、恐怖のプレゼンスが向上します。一般的なホラーVRと比べると、“現実で遭遇しえるかもしれない”という意味で、恐ろしさの性質が違いました。


(壁に囲まれたVR体験スペース。これまでの展示会は5ブースでしたが、今回は8ブースに増設されています)

体験前は使用するヘッドセットが3DoFのOculus Goだったため「体験スペースは工夫されているが、歩き回れるわけではないし、VRとは不一致を感じてしまう瞬間があるだろう」と思っていました。

しかし実際に視聴すると、思っていた以上にクロちゃんの演技が凄く、軽いパニック状態になり、周りの環境を認識する余裕がありませんでした。“逃げられない”という恐怖の感情が現実を認識するコマンドを上回ってしまったように思います。


(VRを体験中の筆者。体験ルームを出て壁無しの環境でも本作品を体験したのですが、恐怖度が全然違いました)

特にクロちゃんのパーソナルスペースへの侵入の自然さはプロの仕事でした。超近づいてくるので思わず身体が硬直してしまいます。そして迫ってくる時のクロちゃんの目が本気の目をしていて、とても怖かったです。

体験後にクロちゃんと話す機会があり、パーソナルスペースに侵入する演技はどういった点を意識されていたのか質問したところ「特に意識していない」と回答。本当にこういう人なのかもしれない、と感嘆しました。


(展示会場にはクロちゃんの名言も展示されていました)

またクロちゃんが接近してきたと思ったら、視界の外に消えて耳元から囁いてくる演技も凄かったです。180度のVR映像の特性を良く理解した動きでした。消えたと思ったら耳元で囁いてくるのでヒヤッとする恐怖が生まれました。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」ボクシング選手のモハメド・アリのようだと思いました。


(ステップインで懐に入ってきて体を硬直させ壁際に追い込み、サイドステップで視界の外から耳元で囁いてきます。まさにモンスター…)

クロちゃん曰く「(演技で)意識したのは左耳から囁くこと。左耳から話しかけられると右脳が刺激されて恋に効く」とのことですが、筆者には良く分かりませんでした。体験後は変な汗が出ていました。名古屋PARCOの展示会では体験者が壁を壊してしまうハプニングもあったとのことです。VRを再現した2Dの再現ビデオに出演した女性は「現実よりVRの方が怖かった」と語っていました。


(体験中の女性の背後にソッと忍び寄るクロちゃん)

筆者も「お仕事だから」と耐えようという気持ちはあったのですが、周りを冷静に観察することは不可能でした。体験の記憶も曖昧で、状況がモヤがかかっているように感じました。セクハラ被害者が自身の被害状況を上手く説明できない症状が分かった気がします。「セクハラは悪いこと。してはいけないこと」というのを実感できました。

また体験者同士で話していると連帯感が生まれ、被害者は一人で抱え込まず、知り合いやユニオンへの相談が有効だとも思いました。頭では理解できていても実感するのは難しいので、貴重な体験となりました。


(展示会場の入り口とクロちゃんの後ろ姿の様子)

VRコンテンツの制作をしたVR映像作家 渡邊課 課長の渡邊氏も「これまでVR撮影した中でもクロちゃんは演技が非常に上手かったです。事前の打ち合わせでは作品の設定と180度のVR映像の特徴を説明した程度でアドリブのセリフがほとんど。リハーサルも無く、撮影は2テイクのみでOKでした」とクロちゃんを絶賛。

たしかにセリフを言わされているような感じはなく、自然な間と言葉、迫力を感じられる演技でした。クロちゃんに確認したところ「VR作品への出演は初めて」とのことですが、カメラへの入り方など、VR映像のクセを的確に掴んでいて、非凡な才能を感じました。


(体験した女性。体験直後にクロちゃんが後ろに立っていたのに気づいた時に目を合わせようとしませんでした。クロちゃんの笑顔が印象的)


(体験スペースに置かれた嘔吐用バケツ)

VR体験後、クロちゃんと話している最中に迫られる記憶がフラッシュバックしてしまう瞬間がありました。クロちゃんから「体が逃げていますよ」と指摘を受けたのが印象的です。

これまでの展示会ではVR体験中にヘッドセットを外す人もいたとのこと。当日のメディアの中にも途中棄権した人がいました。クロちゃんは「(心臓が弱い人でも)大丈夫です」と言っていましたが、無理はしない方が良いと思います。それでも挑戦してみたいという方は、ぜひ…。

1月25日(土)には「クロちゃん 書籍サイン会&ツーショット撮影会イベント」も開催されます。詳しくはこちら

(参考)PARCO ART クロちゃんのモンスターパーク公式サイト


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード