VRとともにAR(拡張現実)という技術が注目されるようになっています。以前にもAR技術を使ったアプリはありましたが、近年では『ポケモンGO』の登場や、iPhoneに搭載された新AR機能もあり、一般の人でもARアプリに触れる機会が増えつつあります。
一方で、ARとはなにか?どんな体験ができるのか、日常がどう便利になるのか?についてまだピンと来ない人もいるでしょう。そこで今回は、iPhoneでARを体験するための方法やおすすめアプリとともに「ARってなに?」について紹介します。
とりあえずはやくARを触ってみたい!という人は、この記事の「ARはどうやって体験できる?」から読み始めるのがおすすめです。
おすすめARアプリをもっと知りたい方はこちら
必見!iPhoneで体験できるARアプリ10選
目次
ARとは何か
ARアプリで生活が便利に、ARゲームも
ARはどうやって体験できる?
おすすめアプリ紹介
ARとは何か
AR(Augmented Reality/オーグメンテッド・リアリティ)について、頻繁に見る事例としては「現実に、デジタルな情報を重ね合わせて表示する」などが挙げられます。たとえば『ポケモンGO』で、カメラを通して現実にキャラを投影する例が分かりやすいでしょう。
さらに、2017年9月にAppleがリリースした新しいAR機能(ARKit)では、iPhoneのカメラを通して現実空間の構造認識が一部できるようになりました。わかりやすく説明すると、スマートフォンのカメラをかざすだけで、キャラクターなどのさまざまなデジタルデータを現実空間に設置することなどができます。
たとえば、標的を現実に設置して、ボールを投げて当てたり、3Dデータで作られた家具をお試しで部屋に置いて、実際の大きさを確認することなどができます。ARについて、更に詳しい内容は以下の記事にもまとめてあります。
iPhone/iPadで使えるようになるAR機能でできること
ARアプリで生活が便利に、ARゲームも
では、ARで私たちの生活はどう変わっていくのでしょう?現在では日常生活が便利になりそうなARツールや、ARゲームだけでなく、医療・製造業の分野などでも注目されています。ARでは現実に情報を重ね合わせることで、より分かりやすく情報を閲覧できるためです。例としては下記のようなものが挙げられます。
まずは身近な例として、家具の長さを測ったり、買いたい家具を等身大でARで配置してみて大きさを確認するなど、家庭でも利用できるARアプリも数多く登場しています。
次に医療分野では、その場に人体のモデルを表示して様々な角度から検証することができます。CTスキャンなどのデータを利用し、手術前に「身体のどこが悪いのか」というデータをARで分かりやすく表示することができます。
製造業でもARの活用は注目されており、車などの完成品を実物大で見ることで、イメージをより詳細に共有できます。また、現実の作業機械を前にして、ARでマニュアルを重ね合わせることにより、修理や製造の効率化を図ることができます。
もちろんこれ以外の分野でも、AR技術が使われることで利便性が向上するケースもあり、すでに配信されているアプリもあります。
目の前に情報表示 自転車用ARグラス『Raptor AR』
ARアプリで知育教育 実物大の魚が目前に
ARグラスで現実空間に字幕 聴覚障がい者向けに
ARはどうやって体験できる?
ARは、ARKitに対応しているアプリをAppStoreからダウンロードして、インストールすれば利用できるようになります。ただし、AppleのARKitを利用するにはiPhone6Sよりも新しいスマートフォンやiPadが必要となります。対応しているスマートフォンなどは以下の通りです。ARを体験できるスマホに買い換えたい人は、注意しましょう。
デバイス |
ARKitに対応しているか |
iPhone X |
○ |
iPhone8 |
○ |
iPhone8 Plus |
○ |
iPhone7 |
○ |
iPhone7 Plus |
○ |
iPhone SE |
○ |
iPhone6s |
○ |
iPhone6s Plus |
○ |
iPhone6以前 |
× |
iPhone6 Plus |
× |
12.9インチiPad Pro(第1・2世代) |
○ |
10.5インチiPad Pro |
○ |
iPad(第5世代) |
○ |
9.7インチiPad Pro |
○ |
iPad Air(1・2) |
× |
iPad mini |
× |
iPad(第4世代以前) |
× |
また、スマートフォンがARKitに対応していても、「ソフトウェアアップデート」でiOSのバージョンを11.0以上にしなくてはいけません。アップデート方法は以下の通りです。
3.iOS10以下であれば、ダウンロードとインストールをしてアップグレードをする
なお、AndroidでもARKitと同じように通常のスマートフォンで空間を認識する「ARCore」という技術が公開されています。しかし2017年11月現在、開発者向けに公開されているのみで、一般消費者向けにはまだ展開されていません。今後に期待したいところです。
(※なお、AR向けパーツを組み込んだ専用スマートフォンを使用することで、より強力なARを実現する「Tango」もあります。LenovoのFab2 Pro、ASUSのZenfone ARの2機種でのみ使用可能です)
おすすめアプリ紹介
ARを使ったアプリはすでに数多くリリースされており、探すのも一苦労です。そこで今回は、ARKitに対応しており、特に人気が高いコンテンツをいくつか紹介していきます。ARはどんなものなのか?をまず試すにはぴったりな作品です。
Makebox AR
「Makebox AR」は、『マインクラフト』のように、誰でも簡単にスマートフォン上で3DモデリングをすることができるARアプリケーションです。ARを利用して現実空間で積み木感覚で直感的な3Dモデリングができます。作った3DモデルはWeb上で公開することもできます。最初はなかなかうまくモデルを作ることはできませんが、慣れればすぐに作れるため友達にすぐ自慢できるのもいい点です。
ダウンロードはこちら。
IKEA Place
家具などの販売を手掛けるIKEAが配信しているARインテリアアプリ。IKEAで実際に販売している家具をそのままの大きさでARで表示できます。そのため自分の部屋に表示して他の家具との違和感などを感じることができます。左上の価格をタップするとIKEAオンラインストアに移動しそのまま購入することもできます。
ダウンロードはこちら。
AR MeasureKit
ARの技術を使ってスマートフォンをかざすだけで現実の物体の長さが測れるアプリ。身長や曲線の長さ、角度を測ることができます。ただし測定になれていないと誤差が出ることもあるため気をつけましょう。
ダウンロードはこちら。
Swift Playground
Apple社が提供しているプログラミング学習用アプリで、iPhoneなどのアプリを開発できる「Swift」について学ぶことができます。様々なレッスンがあり、どれもキャラクターが動きながら分かりやすく教えてもらえます。その中にARに対応したレッスンもあるため、ARもSwiftも学ぶことができる一石二鳥なアプリです。PCが無くてもプログラムを勉強できるアプリとしても珍しいです。現在はiPad用Appとして提供されており、価格は無料です。
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ヒューマン・アナトミー・アトラス
人体解剖図を細部までARで閲覧できる教育アプリ。男性および女性のモデルで、6,400以上の3D解剖学的構造を閲覧することができます。ARで表示できるため、現実の人やモノと並べて表示することもできます。また、病気の症状などから原因や対策を説明する項目もあるため、現代の医学書ともいえるアプリです。
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