アップルの開発者会議「WWDC 2022」で、iOSの最新版(iOS 16)に、ユーザーの耳をスキャンする機能が含まれることが発表されました。同機能の導入によって、空間オーディオの品質が更に向上します。
「空間オーディオ(Spatial Audio)」とは立体的で没入感のあるサウンドを実現する機能のことで、5.1ch(サラウンド)などの音を聴いた際に、その音の位置や方向性が反映されます。アップルは「全方位から音に包み込まれるかのような」体験と説明。同社のシステムには現在、AirPods Pro、AirPods Max、AirPods (第 3 世代)などが対応しています。
iOS 16の耳のスキャン機能は、カスタムHRTFの作成を可能にします。HRTFとは「頭部伝達関数」を指す用語。指頭や耳を通じて音が聞こえるとき、どう変化するかについての特性を数値化したものです。デジタル空間オーディオの場合、ユーザーの頭や耳の形状を把握することで「位置」や「立体感」をより正確に表現できます。
スキャンはiPhoneのセンサーを使用して行います。発表によれば、iPhone 10以降を含むTrueDepthカメラシステムを搭載したiPhoneで利用できるとのこと。なお、精度の向上には、音と耳の形状の相互作用をシミュレートするプロセスが必要になります。
アップルは現時点で発表を行っていませんが、米メディアRoad to VRは、このシステムも実装される可能性が高いと論じています。
(参考)Road to VR
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