マイクロソフトは、MRデバイスHoloLensのInsider Preview(開発者向け先行アップデート)を発表しました。「RS5」と呼ばれるこのアップデートでは、これまで英語のみだったHoloLensの言語を、日本語・簡体字中国語へ切り替えることが可能になりました。
アップデート内容
全体的なアップデート内容は下記のとおりです。
・動画撮影の停止機能
動画撮影をスタートメニューまたはクイックアクションメニューから開始し、同じメニューで撮影停止が可能です。音声操作もできます。
・TVモニター等への出力
HoloLensのコンテンツを、マイクロソフトのSurfaceデバイスやTV画面等に出力できます。マイクロソフトディスプレイアダプターを使用します。
・新しい通知アイコン
PC操作と同様に、HoloLensの画面上に通知アイコンが現れます。アイコンを見ることで応答できます。
・オーバーレイ表示
アプリを使用しながら、文字入力する「キーボード」、ファイルを選べる「file picker」、会話が可能な「dialogs」といったオーバーレイを利用できます。
・音量調節の表示
HoloLensの音量ボタンを操作すると、ディスプレイにボリュームレベルが絵で示されます。
・ロード中の表示
プログラムのロード中、そのことを示す表示が画面に出ます。
・Nearby Sharing
HoloLensで撮影した動画や写真を、近くのWindowsデバイスにデータ送信できます。
・Microsoft Edgeからのシェア
インターネットブラウザアプリ「Microsoft Edge」で”シェアボタン”を使い、ウェブコンテンツの共有が可能です。
日本語への切り替えが可能に
また非英語圏のユーザー向けアップデートとして、簡体字中国語及び日本語バージョンへの切り替えが可能になりました。これまでHoloLens自体の対応言語は英語のみでしたが、アップデートにより日本語入力や音声認識ができるようになります。
日本語バージョンへの切り替えには、まずPCに必要な言語のビルドのダウンロードが必要です。その後、Windows Device Recovery Tool(WDRT)を用いてHololensへインストールします。
※注意:WDRTを使って日本語バージョンをHololensにインストールする際、Hololensのデータの初期化が行われます。
中国語/日本語への切り替え手順
HoloLensの言語切り替え手順は下記のとおりです。
1. Windowsのアカウントでインサイダープレビュー利用について承諾を行います。
2. HoloLensでインサイダープレビューを許可したのちに、HoloLensにrs5のバージョンのアップデートを行います。
3. PCにWDRTをダウンロードします。
4. 簡体字中国語または日本語の、いずれか好きなパッケージをPCにダウンロードします。
5. ダウンロード完了後、エクスプローラー>ダウンロードを選択します。ダウンロードしたZipファイルを右クリックし、解凍します。
6. マイクロUSBケーブルを使い、HololensをPCに接続します。
7. デバイスが自動的に検出されるので、Microsoft HoloLensを選択します。
8. 次の画面で“Manual package selection”を選択し、手順5で解凍したフォルダー内のインストール・ファイルを選択します(拡張子”.ffu”が目印です)。
9. ソフトウェアのインストールを選択し、手順に沿ってインストールを行います。
10. ビルドのインストールが完了すると、Hololensのセットアップは自動的に開始します。Hololensを装着し、ガイダンスに沿ってセットアップを行います。
セットアップが完了したら、Settings -> Update & Security -> Windows Insider Programへと進み、最新のプレビュービルドに設定されていることを確認します。これにより、中国語/日本語バージョンも英語版と同様、最新のプレビュービルドに随時更新されます。
言語切り替えに関する注意点
・セッティングアプリを用いた英語、日本語、簡体字中国語の切り替えは出来ません。言語の切り替えにはビルドのインストールが必要です。
・スクリーン上のキーボードを用いた簡体字、日本語の入力は可能ですが、Bluetooth接続のキーボードを使った入力は、現時点サポートされていません。但し中国語/日本語バージョンでも、Bluetooth接続のキーボードを使った英語入力は可能です。
(参考)マイクロソフト