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メタバース 2025.01.15

ホロライブのメタバース「ホロアース」はどこまで進化したのか? 広大なオープンフィールドが実装された最新β版を体験して分かったこと

VTuberグループ「ホロライブ」運営で知られるカバー株式会社の開発するメタバース「ホロアース」。小規模なロビーテストからスタートしたプロジェクトでしたが、約3年の間で徐々に規模が拡大し、2024年12月には、ついに大規模なオープンフィールドを実装しました。

β版 Ver.0.13.1となった2025年1月現在、はたしてホロアースはどこまで進化したのか、メインコンテンツとなるサンドボックスゲームの「シミュレーションルーム」のプレイレポをお届けします。

そもそも「ホロアース」とは?

ホロアースは、PCでプレイできるメタバースプラットフォーム&サンドボックスゲームです。ユーザーはアバターを自由にカスタマイズし、近未来的なエリア「オルタナティブ・シティ」にてファン同士で交流できます。アバター衣装も購入可能です。

また、マインクラフトのようなサンドボックスゲームを体験できる「シミュレーションルーム」も用意されており、素材集めや建築を楽しめます。初期は小さなエリアで黙々とクラフトを行う内容でしたが、エリア拡大に合わせてモンスターとの戦いやサバイバル要素が追加され、ゲームとして少しずつ完成に近づいています。あわせて、戦闘やサバイバル要素のない「マイスペース」も実装されました。

ホロライブのファンに向けた取り組みも行っており、ホロアース内でVTuberたちによるミニライブの開催や、「hololive SUPER EXPO」のライブビューイング会場としても活用されました。「ホロアース」の現在を獅白ぼたんさんが質問する配信も行われており、VTuberたちが自分自身のアバターでホロアースをプレイする様子も映し出されています。

2022年時点でのホロアースの事業担当者へのインタビューはこちら。

実際に最新のホロアースを遊んでみた~基本編~

筆者はこれまでも何度かホロアースを体験してきましたが、今回のバージョンはかなり驚きました。遠くまで広がる草原の先に雄大な山脈が連なっており、まるでオープンワールドのような開放感を感じます。サイズ的には、大きな平原まるまるひとつ遊べるようです。

ゲームとしては、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」のような牧歌的な雰囲気と「マインクラフト」のような建築の楽しさがあり、β版とはいえ、無料で楽しめるものとしてはかなりのクオリティーに感じられました。現時点でシュミレーションルームに課金要素はなく、無制限に遊べます。

ゲーム開始時、チュートリアルとして簡単なミッションが順番に出されます。最初にするのは、スタート地点の近くにある「プロテクトキューブ」の開放。詳細は後ほど紹介しますが、これはワールドを探索する上で重要なオブジェクトなので、最初はこの近くを中心に建築や探索をするのがオススメです。

本作では採取や動物・モンスターの撃破を繰り返してレベルアップすると、レシピポイントが手に入ります。これでレシピを開放すれば、新たな道具のクラフトが可能です。まずは、周辺ですぐ採れる素材を集めて、剣や斧、つるはしといった基本的な装備を作るところから始まり、建築素材や焚き火を開放し、出来ることを充実させていきます。

建築は壁などのパーツ同士の位置をピタッと自動で調整してくれるのでかなり楽。クラフトゲームを遊んだことのない人でも自然と建築ができると思います。マウスホイールでの素材選択など独特な操作もあるので、そこはしっかり覚えましょう。

とりあえず最初は深いことを考えず、ミッションの通りに進めていけばオッケー。次第にすぐ手に入らない素材を求められるようになるので、そのあたりからいろんなことを試していくと良いと思います。レシピポイントが足りなくなった場合でも、周辺の採取だけですぐレベルが上がります。

広大な世界で何が出来る?~探索編~

準備ができたら、さっそく冒険に出かけましょう! その前にひとつ確認しておきたいのが、さきほどの「プロテクトキューブ」の機能です。このキューブの周辺の観測範囲では、動物やモンスターのレベルが分かるようになり、採取や討伐で手に入る観測データ(経験値に該当するポイント)を多く入手できます。スタミナの能率にも関わるのでかなり重要です。

しかし、キューブの観測範囲はけっして広くありません。そこで使うのが「観測ビーコン」と呼ばれるアイテムです。配置すると周辺にプロテクトキューブと同様の効果を発揮してくれます。

観測ビーコンは、プロテクトキューブで観測データを使って生成可能です。最初は数個しか所持できませんが、プロテクトキューブに指定された素材を納品するとたくさん配置できるようになります。

探索に出かけると、周辺にはさまざまなものが見つかります。初期地点では見つからない素材はもちろん、モンスターとの戦いも本作の醍醐味。フィールドには巨大なボスクラスのモンスターもいるので侮れません。装備をしっかり整えてから挑みましょう!

プロテクトキューブは初期位置以外にもあります。開放すればマップも拡大されるので、探索する楽しみが増えます。

遠くまで行くと、何やら怪しい場所も……?

他にも、一定時間現れる「トレジャーチェスト」というものが存在します。マップを巡ると様々な発見があって楽しいですが、本作はファストトラベルや乗り物はないため、移動にそこそこ時間がかかってしまいます。今後のアップデートで何か追加されることに期待したいところです。

自分の思うがままに建築しよう~クラフト編~

ゲームに慣れてきたら、本格的な建築に挑戦しましょう! 基本は一般的なサンドボックスゲームと一緒で、斧やつるはしを使って素材を集め、作業台で建築材をクラフトし、好きなように建造物を作っていきます。

また、クラフトを進めると、プランターで植物の育成したり、鍋で料理をしたりと、遊びの幅も広がります。装備品も木の素材から、石、銅と進化。ワラだった建物も様変わりし、好きな見た目を選べるように。特に炉が作れるようになってからが本番です。

もちろんインテリアにこだわることも可能。その分素材は大量に必要で、行動範囲や戦うモンスターを徐々に増やしていかなくてはいけません。やることが膨大なので、気がつけば時間が溶けていました。

素材集めの際は重量制限に気をつけなくてはいけませんが、本作は「木の荷車」をクラフト可能で、素材を大量に載せて運搬できます。拠点の引っ越しにも便利です。

なお、シミュレーションルームはソロだけでなく、オンライン上で仲間と遊ぶことができます。素材集めや建築を誰かと一緒にすれば、効率的に進められるでしょう。

注意点として、本作はβ版であり、これまでも建築やアイテムが大型アップデートでリセットされてきました。あくまでも今だけの体験として遊ぶことをオススメします。

まとめ:現時点でかなりの完成度。今後ホロライブとの連携も強まる?

カバー社はVTuber事務所運営のイメージが強いせいか、メタバース開発にどれほど本気なのかが見えにくい現状です。そのため、まさかこれほどの規模のものを開発しているとは思ってもいませんでした。エリアの分断されたワールドではないため、一般的なメタバースよりも開放感があって心地よいです。革新的な要素こそ現時点では見つからないものの、クラフト系のオープンワールドゲームとして良くできており、ホロライブを知らない人でもすんなり触れられると思います。

むしろ、シミュレーションルームに関してはホロライブの要素がかなり薄い印象です。ただし、2022年のインタビューで体験した際には、クラフトや戦闘のリワードとして、ホロライブゆかりのアイテムが入手できる要素も紹介されていたため、今後の追加要素に期待が持てます。また、現状では課金を意識せずのんびり遊べるのは魅力ですが、ここからどうやって収益化するかも気になります(※オルタナティブ・シティには衣装を中心とした課金要素があり、見た目衣装としてシミュレーションルームでも利用できます)。

現時点でかなり完成度が高いながらも、まだまだ進化の余地を見せる「ホロアース」。カバー社の開発力の片鱗が垣間見えるので、特に技術面にも興味のあるホロライブファンにはぜひ遊んでほしいところです。

「ホロアース ロビーβ版」の配信先はこちら(WindowsPCで利用可能)。
https://holoearth.com/beta/


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