株式会社日立製作所は、労働災害をなくすための新たな取り組みとして、「現場安全高度化ソリューション」を発表しました。この取り組みは、AIとデジタルツインを組み合わせて、現場作業の安全性を向上させることを目的としています。
「現場安全高度化ソリューション」は、AIエージェントとデジタルツインを活用しています。デジタルツインは現実の環境をバーチャル空間上に精密に再現する技術で、本ソリューションではNVIDIAの提供する「Omniverse」を採用しています。
「Omniverse」は、現実世界の物理的な法則を正確に再現できるデジタルツインプラットフォームです。異なるツールで作成された様々な形式の3Dデータを変換・統合が可能で、遠隔でのコラボレーションも容易に実施できます。
(メルセデス・ベンツは車両組立と生産計画に「NVIDIA Omniverse」を採用している)
日立製作所によれば、これまでの安全教育は紙資料や口頭での情報伝達が主でしたが、情報が正しく伝わらないケースや、現場の騒音により指示が聞こえにくいなどの問題もありました。
「現場安全高度化ソリューション」では、熟練者の安全基準を学習したAIエージェントが個々の状況に合わせた情報をデジタルツイン上に視覚的に提示。作業員は安全な作業手順や注意点を事前に確認できます。全ての関係者が正確に同じ情報を共有できるため、認識の差異を減らすことにも効果的です。
本ソリューションは、多様な用途での活用が考えられています。例えば、新人作業員への安全教育プログラムに導入すれば、実際に近い環境で危険を体験可能です。また、熟練作業員の持つ安全の知識を組織全体に継承したり、事故対策に関する会議での共有方法として有効です。
日立製作所は、建設、輸送、電力、ガス、鉄道など、安全確保が重要な産業への展開を想定しています。今後はこれらの分野を中心に、幅広い産業分野での活用を目指す方針です。
「現場安全高度化ソリューション」は2025年7月8日より販売を開始し、提供開始時期は同年9月30日を予定しています。
(参考)プレスリリース
