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ゲーム・アプリ 2020.01.25

Valveの「Half-Life: Alyx」開発チームがQ&Aセッションを実施、規模は“Valve史上最大”

Valveの新作VRゲーム「Half-Life: Alyx」の開発チームが、海外掲示板RedditにてQ&Aセッションを実施しました。このセッションの中で、「Half-Life: Alyx」の開発チームは同社タイトルの中でも史上最大規模であることが明かされています。

今回のQ&A;では、様々な質問に対する答えと共に「Half-Life: Alyx」開発チームの規模も開示されました。チームの回答によれば、現在同タイトルには約80人程度のメンバーが関わっており、これは「Valve史上、最大規模の単一のチーム」とのこと。これは従来のAAAタイトルを開発するスタジオと比較して少ないものの、多くのVRゲームスタジオよりはかなり大きな規模であると言えるでしょう。

Haly-Life: AlyxチームとのQ&A要約

サウンドデザイン関連(同分野担当のDavid Feise氏が回答)

・サウンドスケープシステムは改善されている。この改善はオーディオシステム全体と完全に一体化することが目的である。
・楽曲関連のシステムも新たなものを使用している。
・Steam Audioも大きくアップデートされた。
・低レベルのオーディオシステムにも、多大な労力が割かれている。
・サウンドのミキシングと実装に使用する新たなツールが存在。

私の主要な取り組みは、ゲームを深くプレイして探索を楽しむプレイヤーのために、環境を“音響的に興味深く(sonically interesting)”することです。探索を楽しむという行為は、VRゲームではより頻繁に行われるからです。

(サウンドデザイナー、David Feise氏)

脚本と楽曲について

我々がMarc Laidlaw(Half-Lifeシリーズのライター。現在は退社済)と不仲であるという噂は事実無根です。彼はとても親切かつ誠意をもって接してくれており、(開発チームのメンバーである) Erik、Jay、Seanからの多数の質問にも答えてくれています。Marcとのやり取りはメールを使用して行っており、これまでに40回程度のやり取りを繰り返しています。

「Half-Life: Alyx」の開発チームの一部は、初代「Half-Life」にも携わっていた面々です。我々はある面で「Half-Life 2」よりも「Half-Life」の方が優れていた点があると考えており、それらの要素を改めて見返しました。そのひとつが「Half-Life」に登場する敵、海兵隊のAIです。我々は「Half-Life: Alyx」のコンバイン兵のAIを開発する際、彼らの動きを参考にしました。

本作の楽曲制作は、Mike Morasky(過去に「Portal 2」や「Team Fortress 2」などの楽曲を制作)が担当しています。彼は初代「Half-Life」の楽曲に関するアプローチについて話し合いを進めており、恐らくいくつかの曲をMike流のスタイルで聞くことになるでしょう。

ゲーム画面に腕部を表示しない理由

我々は、プレイテストを通じて腕を表示しないことに決めました。プレイヤーは腕だけの表示でも特に意に介さないことが判明したのです。さらに言うと、彼らは視界が腕で阻まれることは好みませんでした。

実際には、我々はハンドコントローラーからVRヘッドセットに繋がる透明な腕を、ゲーム内でシミュレートしています。この透明な腕は、ゲーム内でできないこと(impossible things)を検知するために使用されます。

「Source 2 Engine」のアップグレードと「Valve Hammer Editor」について

「Source 2 Engine」用の「Hammer」(マップツール「Valve Hammer Editor」のこと)は、一から作り直されました。このアップグレードによってアセット制作などの工程がより素早く、かつ簡単に行えるようになります。

「Half-Life: Alyx」の大きな特長のひとつは、システムにレイヤー的な要素を追加した点です。(この仕組みによって)環境アーティストやサウンド担当、レベルデザイナーなどが制作した独立したマップファイルを、ひとつのマップに統合することが可能になりました。この仕組みは、レベル内のコンテンツをより高密度にすることに貢献しています。

現時点では、「Half-Life: Alyx」向けのソフトウェア開発キット(SDK)を配布する予定はありません(編集部注:ただし、MODツールの配布を予定していることを発表済)。いずれかの段階でリリースしたいとは考えていますが、「Source 2 engine」が新しいツールであることから、配布には多くの作業が必要です。

今の我々は、ゲームの品質を向上させることに、作業時間を可能な限り費やしたいと考えています。よって現段階では、リリースに関する情報を確約することはできません。

(参考)Road to VR
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