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テック 2019.01.05

一体型VRヘッドセットに使える6DoFコントローラー登場

カリフォルニアに拠点を構えるスタートアップFinch Technologiesが、HTCとの提携を発表しました。この提携により、Finch Technologiesが開発した6DoF(※)のハンドコントローラー「FinchShift」が、HTCのプラットフォーム「VIVE WAVE」を使用する全てのVRヘッドセットで使用可能になります。

(※6DoF:向きと位置を認識する。VRで現実と同じように前後左右上下に自由に動かすことが可能)

「VIVE WAVE」は、一体型VRヘッドセットおよびモバイル向けVRヘッドセットを対象とした、オープンプラットフォームです。HTCのVIVE Focusをはじめ、2019年現在、15社のVR関連企業が「VIVE WAVE」対応のVRヘッドセットを発売しています。国内発売されている一体型VRヘッドセットであるOculusのOculus GoとLenovoのMirage Soloは対応していません。

VIVE Focusも6DoFに

今回の提携で「FinchShift」は、2018年11月に日本でも法人向けに発売された一体型VRヘッドセットVIVE Focusで使用可能になります。

VIVE Focusの純正ハンドコントローラーは3DoFで、VRゲームを体験する際などに制約となっていました。HTCは6DoF対応のハンドコントローラーの開発を進めていますが、2019年1月現在、開発者版のみのリリースに留まっています。

ハンドコントローラー単独でも6DoFを実現

「FinchShift」は、ハンドコントローラーに内蔵された、加速度計とジャイロスコープの複合物の慣性計測装置(IMU)で動作します。ベースステーションなどカメラ類が無い場合や、VRヘッドセットが3DoFのみの対応でも、6DoFのトラッキングが可能です。

通常、IMUのみを使用した6DoFは実現不可能とされています。Finch Technologiesは6DoF実現のため、ハンドコントローラーに加えて、両腕に装着するアームバンドにIMUを搭載することで問題を解決しました。VRヘッドセット並びにアームバンド、コントローラー本体が計測した情報が人物モデルに適応され、ユーザーの手の位置情報を算出します。

「FinchShift」を単独で動作させた場合、精度は2mm~25mmで、遅延は27ミリ秒です。「FinchShift」を6DoF対応のVRヘッドセットと併用した場合には、LEDによるトラッキング追加で行われ、精度は向上する、とのこと。

予約と販売価格など

「FinchShift」は2019年1月現在、予約受付中です。1月中の発送開始が予定されています。価格は1セット249ドル(約27,000円)です。商品にはハンドコントローラー2つとリストバンド2つが含まれます。送料はアメリカ国内外を問わず無料です(後日、有料になる可能性あり)。

「FinchShift」は、2019年1月8日からラスベガスで開催される家電見本市Consumer Electronics Show(CES)に出展予定です。

(参考)UploadVR


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