6月30日、東京・台場のフジテレビ本社にてフジテレビとグリーによる共同プロジェクト「F×G VR WORKS」のメディア向け体験記者発表会が行われました。
「F×G VR WORKS」は、2016年5月に、フジテレビとグリーによるVR領域での業務提携により生まれた共同プロジェクトです。フジテレビは企画・キャスティング力と映像コンテンツ制作力の強みを、グリーはVR・Web・アプリ開発力の強みを活かし、良質なVRコンテンツを製作提供するというものです。
体験会で使用されたVRヘッドマウントディスプレイはOculus Rift、Gear VR、HTC Viveの3つ。ソーシャルVRから、VRジャーナリズムやエンタメの360度動画、ビジネス向けのVR体験まで、幅広い分野のコンテンツが揃いました。
Gear VRで体験した女子アナとVRデート
Gear VRで体験したコンテンツは、オープニングに三菱地所のクレジットが登場する「Don’t you Know MARUNOUCHI?」とめざましテレビの収録後に永島優美アナウンサーとデートをする「永島優美アナのヴァーチャルお忍びデート」の2つです。
「Don’t you Know MARUNOUCHI?」は観光用にVRを活用したコンテンツ。丸の内のショッピング街などの風景や皇居などの名所がナレーション付きで紹介されています。
観光用ということもあり、海外からの観光客向けにナレーションを英語などに変えたものが配信予定です。また、台湾ではイベントで展示されることが決定しており、展示では台湾語によるナレーションになるとのことです。今後は丸の内以外にも全国各地の名所を紹介する360度動画を制作する計画があるとしています。
続いて「永島優美アナのヴァーチャルお忍びデート」は、エンタメ分野の360度動画です。めざましテレビに出演している永島優美アナウンサーと番組収録後にお台場デートをするという内容。
“お忍びデート”と言いつつ、めざましテレビでの服装そのままの永島優美アナです(全然忍んでいません!)。現実ではあり得ない光景が文字通り目の前に広がっていて夢のようでした。
上の写真からは少し分かりにくいですが、自転車に乗る長島優美アナの後ろからの映像です。360度動画で2人乗りデートをVR体験できます(※2人乗りはしていません)。なぜ私が女子アナと自転車デートをできるのか皆目見当がつきませんが夢のようでした。
一点だけ惜しい箇所を挙げるとすれば、3Dオーディオではなかったので、長島優美アナから後ろから話しかけられても(※VRの中の話です)、違う方向を振り返ってしまうなどがあった点です。演出はVRを活かしたものとなっていたので、音の部分でより没入感が増したように思いました。
HTC Viveで体験したソーシャルVRでのスポーツ観戦
HTC Viveでは360度動画よりも強い没入感のあるコンテンツを体験できました。他の人と同じVR空間上にあるリビングで一緒にスポーツ中継を視聴するコンテンツはソーシャルとVRの相性の良さを体験できるものでした。
机に置いてあるスティックバルーンをHTC Viveのコントローラーで持って叩いたり、隣の人とハイタッチをしたりというのが、音や振動も再現されているので自然とできます。また今回は実際に隣にいた人と一緒に観戦をしたのですが、ネットを通して、同じVR空間内で同時に数十人ほどの観戦ができるとのことです。
Gear VRで体験した観光用の360度動画と同じく三菱地所と高級家具ブランドのカッシーナが協力した不動産向けのビジネスVRコンテンツも。このコンテンツは部屋のインテリア・レイアウトを自由に変更でき、その内装を歩いて確認することができるというものです。
特にカッシーナのソファを近づいて見ると、本物のような質感が再現されており、そのリアルさに驚かされました。ガラス製の机なども影や外からの光が、置く場所によって変化するなど細部にこだわった点が没入感を高めていました。
まだデモということもあり、時間を夜にしたり照明を変えたりはできませんでした。今後そういった機能が追加されるか期待したいところです。
Oculsu Riftで体験した東日本大震災の様子を伝えるVRドキュメンタリー
東日本大震災で被災した現地の様子を報道するVRドキュメンタリー「私はこの場所で被災した」は、Oculus Riftを使った体験でした。
海外ではVRジャーナリズムが人気を博しています。このVRドキュメンタリーでも、特に津波の高さがビルの屋上までに達していたことを説明するシーンはその凄まじさを実感できるものでした。
ヘッドマウントディスプレイを付けて津波の高さを見上げると震災の大きさが強く実感できます
屋上に上がり、ここまで一部浸水したと写真を使い説明を受けます
とても良質なドキュメンタリーだったのですが、インタラクティブな操作や要素が無かった点が少しだけ惜しいかなと感じました。Oculus Riftを用いるならばその部分まで踏み込んだ方が、ドキュメンタリーとしても高い完成度になったかと思われます。
今後の展示や配信に期待
体験したVRコンテンツはVR酔いを感じさせるものも皆無で、VRの良さを分かりやすく感じさせるものでした。現在YouTubeで公開されている以外のコンテンツは今後の展示予定が不明とのこと。今後、広く体験できる機会が設けられるか期待したいところです。
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