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VRゲーム・アプリ 2026.03.03

【体験レポ】「エヴァンゲリオン」の物語を別視点から掘り下げる! 新作XRゲーム『EVANGELION: Δ CROSS REFLECTIONS』に迫る

あの「NERV」の士官候補生として、碇シンジら主要キャラクターとは異なる視点から『エヴァ』の作品世界を追体験できる――。そんな夢のようなXRゲームの開発が進んでいる。

2026年2月20日から23日にかけて横浜アリーナで開催された、エヴァンゲリオンシリーズ30周年記念イベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」。

その展示周遊エリア「EVA EXTRA 30」のラウンジにて、Pixelity Inc.が開発中の新作XRゲーム『EVANGELION: Δ CROSS REFLECTIONS』(エヴァンゲリオン:Δ クロスリフレクションズ)のステージイベントが開催された。

ステージには、開発プロデューサーのチェ氏と、今回のゲームのオリジナルキャラクターを務めた豪華キャスト陣が登壇し、ゲームの最新情報と見どころが発表された。本記事では、イベントで明らかになったゲーム情報と、会場のPixelityブースで体験できた本作のプレイレポートをお届けする。

『EVANGELION: Δ CROSS REFLECTIONS』とは

現在開発中の『EVANGELION:Δ CROSS REFLECTIONS』は、『新世紀エヴァンゲリオン』の世界と交差(クロス)する物語を体験できる、没入型XRゲームだ。

ゲームには2つのプレイモードが用意されている。「ストーリーモード」は全26話の『エヴァ』本編と同じ時間軸で物語が展開するモードだ。

舞台となるのは、第3新東京市とNERV本部。プレイヤーはNERV士官候補生の1人として、同じく士官候補生のゲームオリジナルキャラクターたちと行動を共にする。劇中でおなじみのキャラクターたちも登場し、ストーリー上で言葉を交わす場面もあるようだ。


一方の「バトルシミュレーションモード」は、ストーリーモードをある程度進めることで解放される。

こちらのモードでは、NERV内部のシミュレーション環境において、実際にエヴァンゲリオンを操縦して戦うことが可能だ。

詳細は後述するが、このモードは単なる「アドベンチャーゲームのおまけ要素」では決してない。開発段階ながらも、一つの「VRアクションゲーム」として作り込みと遊び応えを感じさせる内容となっていた。


(「幼い頃から大好きだったエヴァンゲリオンの世界に、いつか実際に入って体験してみたいという思いから開発をスタートしました」と挨拶した、Pixelityの開発プロデューサー・チェ氏(右)。左はMCを務めた百花繚乱氏)



(梶原岳人氏。演じるマーティン・デイスン・ホロウェイは日米のハーフで、人との距離感を保ちながらも思いやりのあるキャラクター。台本では英語と日本語を使い分けるシーンもあり、ネイティブ過ぎない「日本語寄りの英語」の表現にこだわったそうだ)



(菱川花菜氏。演じる岡田理深は、15歳の明るく元気な少女。何事も計算で解決しようとする“理系女子”な一面がある一方、計算外の事態にはパニックになってしまうギャップが魅力だと語った)



(畠中祐氏。演じる八木智仁は、自分にも他人にも厳しい努力家。負けず嫌いで人付き合いが苦手なようにも見えるが、泥臭さとアツさも秘めている。しかし決して熱血キャラではなく、その情熱を「炭火」と例えていたのが印象的だった)



(石見舞菜香氏。演じる野崎絵理沙は、大人しい性格だが、非常に優れた聴覚を持ち、音で人の感情を読み取れるキャラクター。おどおどした印象もある反面、自分を曲げずに頑張る芯の強さを持った女性として、「静かな強さ」をイメージして演じたそうだ)

ストーリーとバトル、2つのモードを体験! 振動デバイスを装着し、いざ『エヴァ』の世界へ

噂のXRゲームをいち早く体験するべく、連日多くのファンで賑わっていたPixelityブース。プレイ中の様子がモニターに映し出されていたこともあり、足を止めて見入る来場者の姿も多く見られていた(※体験は事前抽選制)。

今回の試遊では、Meta社のVRヘッドセット「Meta Quest 3」を使用。コントローラーは使わず、すべての操作を両手によるハンドトラッキングで行う。

VR初体験と思しき来場者もいたが、丁寧なマニュアルとスタッフの解説があるため安心だ。操作自体も直感的で、すんなりと世界観に入り込み、感嘆の声を漏らしながら楽しむ姿が印象的だった。

特筆すべきは、VRヘッドセットと一緒に体験者が装着することになる3つのデバイスだ。それが、ベスト型の振動スーツと、手首に装着する2つの振動デバイスである。

(bHaptics社のフルボディハプティクススーツ「TactSuit」(中央)と「TactSleeve」(左右)を採用していたようだ)

いずれのデバイスも軽量で、装着感も自然なため、試遊中に気になることはまったくなかった。しかし、これらが発する「振動」こそが、後の体験に圧倒的な臨場感をもたらすことになる。

【ストーリーモード】初号機vsサキエルを本編とは別視点で体感!

今回「ストーリーモード」で体験できたのは、使徒・サキエルが襲来するシーンだ。テレビ版の時間軸では第壱話〜第弐話にあたる。

物語は、NERV本部内のブリーフィングルームから始まる。伊吹マヤから説明を受けていた候補生たちの元へ葛城ミサトが登場し、出撃命令が下る。

移動した先は、街中に設置された砲台と思しき場所。ちょうど、本編でサキエルと初号機が対峙する道路沿いに当たる。左手から侵攻してきたサキエルをほぼ真下から見上げることになるのだが、これがとてつもない迫力だった。

間近で見ると想像以上に不気味な“使徒”のビジュアルと威圧感に慄いていると、今度は右手からアラートが聞こえて、地下から射出されたエヴァンゲリオン初号機が出現。サキエルと対峙し、幾度となく見てきた第壱話「使徒、襲来」のラストカットが、目の前に現出する。

ブリーフィングルームでの「あのミサトさんが、目の前にいる!」という感動がファーストインパクトだとすれば、この後の衝撃は、まさにセカンドインパクト級だった。

リフトオフし、歩き出したかと思った直後、前のめりに倒れ込む初号機。そのままサキエルに捕らえられ、左腕を押しつぶされてしまう――。そう、テレビ版や新劇場版で何度も見たあのシーンが、まさに今、自分の目の前で繰り広げられているのだ。

ただし、プレイヤーの視点は戦闘地点から少し離れているため、サキエルの背中を遠目に見るような形になる。だからと言って、迫力が欠けることは微塵もない。巨大な使徒の存在感と、初号機が痛めつけられる破壊音が、嫌と言うほどに凄まじい臨場感で迫ってくる。

極めつけは、デバイスを通じてプレイヤーの両腕と上半身に伝わる、「振動」だ。サキエルの歩行に合わせて響く振動に加えて、初号機が倒れた瞬間の衝撃は、近くで巨大な建造物が崩落したのではないかと錯覚するほどだった。

ただでさえ没入感の強いVR体験に「触覚」が加わることで、本当に目の前で戦闘が繰り広げられているような、まるでアニメの「中」に入り込んだような感覚に陥る。体験開始からわずか数分で、「これは想像していたよりもすごいかもしれないぞ」と思い始めていた。

この没入感には、無線で飛び交うミサトたちの声や、おなじみのBGMも大きく寄与している。セリフも音楽も本編準拠であるため、「アニメの空間そのもの」に立ち会っている感覚が強まるのだ(戦闘シーンで流れていたのは、サウンドトラックの「Angel Attack」と「HARBINGER OF TRAGEDY」だろうか)。

一方、本作ならではのオリジナル展開も用意されている。サキエルに頭部を掴まれて身動きの取れない初号機を援護するため、砲台から射撃を行うことになるのだ。

操作は至ってシンプル。目の前のレバーを右手で握ると、視界に照準が表示される。狙いを定めて、ここぞというタイミングで親指を倒してスイッチを押す。――そう、「目標をセンターに入れてスイッチ」である。

実際には何もない空間を掴んでいるのだが、無線の指示に合わせて撃ち抜く瞬間の高揚感は想像以上。射撃の轟音と共に、スーツを通じて体に伝わる強烈な反動。視覚・聴覚・触覚からそれぞれ伝わる一つ一つの要素が、自分がその場にいるかのような臨場感を生んでいた。

その後、周囲のビルから現れた砲台による一斉射撃が行われた後(これも本編にはない)、やがて初号機が暴走。VTOL(垂直離着陸機)に乗り込み脱出を図ることになる。

VTOL機内ではほかの候補生たちも座っているのが見え、彼らの視線の先、窓の外では、暴走した初号機がサキエルを蹂躙する光景が広がっている。「背中からサキエルを見る」という構図もだが、「空中のヘリからエヴァの戦闘を俯瞰する」というのも新鮮な体験だった。

VTOLを降りた後は、初号機が暴れる横で通路を走り、仲間と共に脱出して試遊は終了。……と言いたいところだが、筆者はここでリトライをする羽目になってしまった。手を動かして移動するだけの簡単な操作なのだが、外で暴れる初号機の勇姿に見惚れるあまり、時間切れになってしまったのだ。

士官候補生としての自覚が足りなかったと言わざるを得ない。自身が作中世界に入り込める本作において、プレイヤーはもはや「初号機の戦闘を間近で見て興奮するオタク」ではいられない。我々は相田ケンスケではなく、NERVの士官候補生なのだ。

【バトルモード】ロンギヌスの槍でA.T.フィールドをぶち破れ!やりごたえのある爽快アクション

一方の「バトルシミュレーションモード」では、エヴァンゲリオン初号機に搭乗してアクションを楽しめる。

「エヴァのコクピットに乗れる」という事実だけでもファンにはたまらないが、アクションとしてのクオリティも期待以上だ。体験後には顔や上半身に薄っすらと汗をかくほどの運動量があり、文字通り、手に汗握る内容だった。

移動はパンチによる前進とバックダッシュのみというシンプルな構成だが、これが意外に奥深い。

横軸の移動がないため、「遠距離攻撃をしつつ、接近されたら防御してパンチすればいい」と軽く見ていたのだが、そんな甘い考えはすぐに打ち砕かれた。敵(色違いの初号機)は跳躍して一気に間合いを詰めてくることがあり、向こうもA.T.フィールドでこちらの攻撃を巧みに防いでくるからだ。

さらに、A.T.フィールドの展開とバックダッシュにはエネルギーを消費するため、守ってばかりではいられない。

自ずと体を動かし、カウンターを狙ってパンチを繰り出すアグレッシブなプレイスタイルになるのだが、そうしていると気分も高揚してくる。手首のデバイスから伝わる振動がいい具合に手応えを与えてくれることも、プレイ中の爽快感に一役買っていた。

また、画面中央のシンクロ率が上昇すると、「攻撃力上昇」などのバフやHP回復の恩恵が得られていたようだ。ちなみに、このバフ効果の演出がどことなくパチスロを彷彿とさせるもので、アクションとはまた違った高揚感があったことも付記しておきたい。

そして、シンクロ率が高い数値に達すると、目の前にロンギヌスの槍が出現!

掴んで投擲すると真っ直ぐ飛んでいき、敵のA.T.フィールドを貫く演出が見られる。それまでは相手の攻撃と防御の隙を縫うように攻撃していたこともあり、この「A.T.フィールドをぶち破る必殺の一撃」が決まった時の気持ち良さは格別だ。

このモードでは使徒とのバトルも想定しているそうなので、いろいろなシチュエーションでの戦いに期待したい。また、ストーリーモードがテレビ版準拠であり、本編でもさまざまな兵装が登場していたことを考えると、あれこれ妄想できそうだ。「イスラフェル戦はどうなるのか」とか「ジェットアローンがプレイアブルになる可能性はありますか……?」とか。

シンジではなく「NERV士官候補生」だからこそ、エヴァの世界に没入できる

「アニメ本編のシーンを別視点から見る」「通常兵器でサキエルに攻撃する」「ロンギヌスの槍を投げる」といった貴重な体験ができた、今回の試遊。想像していた以上に『エヴァ』本編の世界観に入り込んだかのような感覚があり、プレイ中は興奮しきりだった。

出撃と脱出を含むほぼすべてのシーンで候補生たちの存在が近くにあり、「使徒襲来」という非常事態の中で共に行動をしたことで、彼らへの仲間意識が芽生えていたのは間違いない。キャスト陣がアツく語っていたキャラクターたちと作中で出会い、絆を育んでいく日が今から楽しみだ。

その上で、今回の体験を改めて振り返ってみると、「NERV士官候補生が主人公」という設定の妙が印象に残る。実際にプレイしてみて、「この設定は意外と……というか、めちゃくちゃ“あり”なのでは……?」という気持ちになっているのだ。

たとえば「碇シンジ視点のVRゲーム」があるとして、それはそれで素晴らしい体験ができるだろう。

暴走する初号機のコクピットからサキエルが蹂躙される様子を呆然と眺め、暗転した次の瞬間には「知らない天井だ……」となり、第3新東京市での生活が始まる。レイと交流し、トウジに殴られ、ヤシマ作戦に臨み、アスカと出会う。使徒との戦いの中で周囲の人々と関わり、徐々に心境も変化していくが、ダミーシステムによって操作不能になったコクピットから、エントリープラグを“握り潰す”光景を目の当たりにする。

たしかにそれは『エヴァ』のVRゲームであり、「碇シンジの物語」を追体験できる、ファン垂涎の作品になるはずだ。

だが、主人公視点の原作再現は、良くも悪くも既知の物語をなぞることに終始してしまう。それに、ファンはキャラクターを知りすぎているため、いざVRで一人称視点になった際に、「自分はそのキャラクターではない」というメタ的な違和感を抱いてしまう懸念もある。

その点、本作の「プレイヤー=NERV士官候補生」という立ち位置は絶妙だ。

主要キャラクターたちも籍を置くNERVという組織に属しているため、彼らが直面する出来事を間近で目撃できる。それも「よく知るキャラクターの追体験」としてではなく、「第3新東京市で暮らす住人」の目線から、アニメで見たシーンとは異なる角度から体験できる。

このように、あえて本編からは一歩引いた視点で物語に関わり、主要キャラクターたちの活躍をすぐ近くで見ることで、かえって「自分は今、その世界の住人なのだ」という実感が深まるのではないか。サキエルと初号機の戦いを目の当たりにしたことで、そのように感じた次第だ。

(※余談だが、「NERV関係者が主人公のゲーム」としては『シークレット オブ エヴァンゲリオン』という前例もある。ただし、そちらは「主人公が主要キャラクターと近い関係性にある」という点で、今回の「名もなき士官候補生」とはまた性質が異なりそうだ)

試遊レポートとしては少々とっ散らかった話もしてしまったが、『EVANGELION: Δ CROSS REFLECTIONS』の開発は着々と進行中だ。

対応プラットフォームに関しては、今回の試遊で使われていたMeta Questのほか、複数のプラットフォームでの展開も想定しているとのこと。また、年内には体験会を実施予定との発表もあったので、気になる人はゲーム公式Xで最新情報をチェックしてみてほしい。

30周年を迎え、更なる広がりを見せる『エヴァンゲリオン』の世界。発表があった「完全新作シリーズ」の今後も気になるが、「さようなら」の先で生まれた新たな世界の1つである『EVANGELION: Δ CROSS REFLECTIONS』の動向にも注目していきたい。

【関連リンク】

© khara / Project Eva. © Pixelity Inc.,


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