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業界動向 2019.07.08

AIが患者と話して自己管理をサポート バーチャルコーチが開発中

AIが患者との日常的な会話をすることによって、病気に対する理解を深め、自己管理能力をサポートし、患者教育を図る「digital human cardiac coaches(以下、DHCC)」の開発が進められています。

患者教育を提供するDHCC

DHCCは、AIを活用して企業のカスタマーエクスペリエンス向上を推進するFaceMEのプラットフォームを使用しています。

DHCCの開発を行うニュージーランドのスタートアップ企業www.12080.aiによると、DHCCのリリースは2020年を予定しているとのこと。www.12080.aiの共同創設者であるマリー・ジョンソン氏は、世界各国でDHCCを提供できるようにするため急速に業務に取り組んでいると語ります。なお、実際の心臓病患者と協働して作成したデモ動画が視聴可能で、FaceMEも公式サイトにて配信されています。

動画ではAIのアバターが、患者と会話しながら、患者の質問に答えていきます。例えば、患者が摂取する薬をカメラ越しに認識することで、その薬に関する知識を提供し、現在患者が抱えている不安や悩みを察知すれば、医師の診察を予約します。

また、健康的な生活を送れるように食事改善の指導も行います。動画では、患者はピザが大好物ということを聞き出し、ヘルシーなピザのレシピや、理想的な食べ方、外食時のオーダーの仕方などの相談に乗ることを伝えています。

世界中での提供を図る

世界中での死因率が最も高いと言われる心臓病(心疾患)は、3億5,000万人以上の人々が患っていると推定され、毎年推定1,790万人がこの疾患が原因で死亡しているとのことです。同時に、パンフレットや説明書、Webサイト、アプリ、医薬品ラベル、ヘルス情報、および一般的な健康上の概念について、文章を読んで理解できないことも治療を妨げている原因の一つとされています。

そのような環境の中で、DHCCは日常会話を通して患者教育をサポートする目的で開発されています。難しい医療用語ではなくシンプルで理解しやすい言葉に置き換えて患者に説明し、今まで、患者と介護者、医療専門家の間で発生していた言葉のすれ違いを解消することが期待されています。

(参考)CIO


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