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Daydream 2017.05.18

グーグル、Daydream対応一体型VRヘッドセットを発表 HTCとLenovoから2017年中に発売へ

グーグルは、開催中の開発者会議Google I/Oにて基調講演を行いました。その中で、現在展開している高品質なVRプラットフォームDaydreamに関する発表がありました。

Daydreamとは?

Daydreamは、快適で高品質なVR体験を可能にするプラットフォームです。2016年のGoogle I/Oで発表され、10月より北米で対応デバイスの発売を開始しました(日本では未発売)。対応スマートフォンがグーグル、ASUS、ZTEなどの各メーカーから、そしてヘッドセットDaydream Viewが発売されています。

さらに多くのスマートフォンがDaydreamに対応

基調講演に登壇したVR担当副社長のClay Bavor氏は、今後さらに多くのスマートフォンが対応するとし、LGの今後発表されるスマートフォンが対応するほか、2017年4月に北米で発売されたサムスンのGalaxy S8、S8+がアップデートにより対応することを発表しました。

スマートフォンを超える「一体型」へ

そしてBavor氏は、スマートフォンを使うVRからさらに没入感の高いVRを実現するためにケーブルを接続せず、スマートフォンもPCも使わない「一体型VRヘッドセット」について取り組んでいることを明らかにしました。

Bavor氏は、重要なのは「使いやすさ」と「そこにいる感覚」だと強調し、一体型がその要素をさらに強めると語りました。

この一体型ヘッドセットでは「WorldSense」と呼ばれる技術が採用されています。

WorldSenseは、DaydreamなどこれまでスマートフォンVRでは実現できなかった「位置トラッキング」を可能とする技術であり、体験者はVRで自由に動き回ることができるようになります。具体的な技術については触れられていませんが、外部センサーを不要とするインサイド・アウト方式のトラッキング技術と推測されます。

この一体型VRヘッドセットに関しては、すでに一体型VRヘッドセットのプロトタイプを作成しているチップセットメーカーのクァルコムと提携していることも明らかとなりました。

パートナーであるHTCとLenovoが開発を進めています。HTCはPC向けVRヘッドマウントディスプレイHTC Viveを展開中、LenovoはARプラットフォームTango対応のデバイスを展開しています。いずれも2017年中の発売を予定しています。


HTCが開発中の一体型VRヘッドセット。「Vive」ブランドでの開発となります。


Lenovoが開発中の一体型ヘッドセット

一体型の一般発売で一歩先に出たグーグル

一体型VRヘッドセットの開発には、メーカー各社が取り組んでいます。Oculusは2016年10月に一体型のプロトタイプSanta Cruzを発表しているほか、インテルは2016年8月にProject Alloyというプロトタイプを発表しています。また、クァルコムはメーカー向けのリファレンスモデルとしてSnapdragon835VRを発表しています。

単体で動作する一体型VRヘッドセットは、手軽にVRを体験できるデバイスとして2017年後半から2018年にかけて登場が期待されています。

グーグルはその先陣を切って発売時期を明らかにした形になります。今後、他者の動きにも注目したいところです。

(参考)
Google公式
https://blog.google/products/google-vr/latest-vr-and-ar-google-io/


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