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イベント情報 2015.08.27

大本命の大作スペースSTG!Crescent Bayで体験するVRゲーム『EVE: Valkyrie』デモ版レポート

Mogura VRでも何度か取り上げているOculus Rift向けのスペースSTG『EVE: Valkyrie』。CEDEC2015のOculus VRブースで展示されていたので体験レポートをお届けします。

なお開発しているCCP Gamesは、デモで体験できる内容を動画で公開していますので、こちらも合わせてご覧ください。

なお、筆者は今年3月に開催されたGDC2015でDK2版を体験していますが、製品版のプロトタイプCrescent Bayでの体験となり、その面白さは数段階進んだ印象。非常に快適で際立つものとなりました。それもそのはず、開発元のCCP Gamesは、Oculus Rift DK1(2013)の頃から本作の開発を進めており、VR体験としての総合的なクオリティだけでなくグラフィック、快適さ、ゲーム性と、とにかくこのゲームを作り込んでいます。製品版に近いハードウェアで体験して、ようやくこのゲームの真の面白さが見えてきました

美しさに見とれてしまう作り込みが実現するプレゼンス

『EVE: Valkyrie』は宇宙空間を舞台にした、シューティングゲーム。敵艦隊との戦闘など、とにかくスケールが大きい宇宙でのゲームプレイが特徴的です。グラフィックは、Unreal Engine 4によって美しく描かれています。宇宙の描写だけでなく、艦隊の一隻一隻の細部に至るまで描きこまれており、映画「スター・ウォーズ」の世界を彷彿とさせます

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コクピットも精密に描かれているだけでなく、残弾数などのゲームをプレイするにあたって必要なUI(ユーザーインターフェース)がさりげなく組み込まれています。

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宇宙空間で戦闘を繰り広げるなどというSFな体験をしたことがある人はいないと思いますが、体験している数分の間は、まさに「自分がコクピットに座っている」感覚しか感じられないというのが正直な感想です。あまりに視覚由来のプレゼンス(実在感=そこにいる感覚)が高いが故に、操縦桿を握っていない(プレイはXbox Oneコントローラー)ことや、加速したときや攻撃を受けたときに一切椅子が振動しないこと、サウンドの大きさが控えめだったこと、など視覚以外の感覚に違和感を覚えてしまいました。家庭で楽しむとなると操縦桿型のコントローラや椅子の振動の実現は難しいのは承知の上で、それだけ他の感覚も満たしたく欲張ってしまうほどの視覚的な出来栄えだったということです。Oculus VR社が開発中のOculus Touchなど、より手の動きを柔軟にトラッキングし、行動に応じたフィードバック(ハプティック・フィードバック)が返ってくるようなコントローラーにも期待したいところです。

それなりに手応えのある宇宙戦

デモで体験できるシーンは、味方艦隊のそばに突如として出現した敵艦隊に応戦するドッグファイトです。攻撃方法は、アナログスティックで機体を操作して照準を合わせ、右トリガーで機銃掃射、左トリガーでミサイル射出となります。左トリガーを長押しすると、敵機をロックしミサイルが飛んでいく様は爽快です。

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しかし体験してみると、自機と同じくらいの速度で移動する敵機を撃ち落とすことはなかなか難しいことが分かります。一人称のシューティングゲームに慣れているプレイヤーは違うかもしれませんが、筆者は一人称STG初心者。照準が合わない、合っても弾が当たらない、など。なかなか手応えのある、緊張感満点のドッグファイトを楽しめました。デモ版とはいえ、筆者にとっておは難しすぎも簡単すぎもないやり応えのある難易度でした。(ミサイルのオートロックを覚えてからは、もっぱらそれに頼っていましたが…)

長時間遊べる快適さ-スペースSTGとVRの相性の良さ

最後に、VRのゲームで懸念される快適さについて言及したいと思います。結論から言うと、酔いは全く感じませんでした。『EVE: Vakyrie』の舞台は宇宙です。地表面が存在しない空間が広がっているため、上下左右が固定されません。また視界にコクピットが常に表示され続けることも酔いの軽減につながっています。

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同じCEDEC2015でVRコンテンツの制作に邁進するCrytek社のDavid Bowman氏が行った講演でも触れていましたが、上にあげたような理由でスペースSTGとVRの相性は非常に良いと考えられています。本作以外にも『Elite:Dangerous』、『Darkfield』などVR対応/VR向けのスペースSTGは多く開発が進められています。

その中でもOculus Rift、PS4向けProject Morpheus両方のローンチタイトルとされている『EVE: Valkyrie』。製品版プロトタイプで既に完成度の高さを感じますが、製品版ではさらに体験の質が上がることが確実であり、最も注目したいタイトルの一つです。


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