ASUSのゲーミングブランドROGと、XREALの名を冠した「ROG XREAL R1 Gaming AR Glasses」(以下ROG XREAL R1)が日本で発表されました。XREALのディスプレイグラスをベースに、歴史あるASUS/ROGが持つゲーミングデバイスの知見を投入。
USB Type-Cだけではなく、HDMIやDisplayPortの入力端子も持つROG Control Dockがセットになった製品です。
名称にはAR Glassesとありますが、ASUS/ROGのゲーミングモニター思想を、XREALの光学系とウェアラブルフォームに載せた、顔に装着するゲーミングディスプレイです。
なんといっても、240Hzという高リフレッシュレートによる滑らかな表示が可能なのですから。
ヒートシンクとして機能しているパネルパーツ
発表会で実機に触れてきましたが、グラス部はNreal時代まで振り返っても、これまでのXREALシリーズでは類を見ないデザイン。サイバーな雰囲気でまとまったフレームです。
ディスプレイパネルは、ソニーセミコンダクタソリューションズ製の0.55インチマイクロOLED。アスペクト比は16:9で片目解像度は1920×1080です。輝度は700nits。視野角は57度。遅延は0.01ms。ただしM2Pレイテンシは3msと記されています。
スペックからはXREAL One Proと同じパネル、光学系を使っているのではと感じますが、ROG XREAL R1は240Hzのフレームレートと、106%SRGBの色域を持っているとのこと。
従来のXREAL製品とは異なり、フロントから側面にまで回り込むパネルが金属製。これがヒートシンクとなり、ディスプレイパネルの放熱に役立っているそうです。
テンプルにはRGBライトバーを内蔵。ゲーミングデバイスらしいルックスとなっています。なおこのRGBライトバーは消灯することも可能。
スピーカーはBoseチューニングによるもので、爆発などの効果音も低域がしっかりと伝わってきます。ゲーミングデバイスですが、ライブコンテンツやMVといった音と映像を楽しむコンテンツとの相性は極めて良好です。
外部レンズのエレクトロクロミック調光は3段階。ご覧のように透過率を下げて映像のダイナミックレンジを高めることも、透過率を上げて外界を見やすくすることも可能です。
3DoFセンサーを用いた空間固定モードも搭載。ゲームプレイ中に頭を振って映像が視野から離れると、自動的に外部レンズの透過率を下げて周囲が見える機能も搭載しています。
仮想ディスプレイの大きさは、10メートル先に428インチ、4メートル先に171インチとのこと。
光学部はX-Prismを採用。ブロック状に見えますが実はバードバスタイプ(※ディスプレイの映像を湾曲したハーフミラーで反射させて映像を映す光学構造)。光の侵入を防ぐように周囲が覆われているので、ユーザーの服の色などが反射することはありません。映像の世界に強く没入できます。
コントローラは右側のテンプルに集約。メニューボタン、+/-ボタン、クイックボタンを備えています。
グラスディスプレイ部の操作もできるROG Control Dock
ROG XREAL R1には、従来のXREAL製品にはなかったROG Control Dockが付属します。これはROG XREAL R1のグラスディスプレイの性能を引き出しつつ、複数のゲーム機やPCと接続できるハブユニットです。
入力端子はHDMI 2.0×2、DisplayPortx1、USB Type-Cx1。また電源用のUSB Type-C端子もあります。基本的にバスパワーで使えますが、HDMIやDisplayPortなど電力供給ができない端子を使う場合は、USB ACアダプタなどを用いる必要があります。
前面にあるUSB Type-C端子は1つ。こちらはグラスディスプレイと接続するためのポートになります。
上面にあるコントローラはグラスディスプレイの操作および、ROG Control Dockの入力切り替えや、ASUS/ROGの独自機能をON/OFFができます。
ROG XREAL R1はグラスディスプレイ+ゲーム機との組み合わせでも機能しますが、色域を広げてより鮮やかな映像体験ができるHDRや、FPSゲームをより快適に遊ぶための十字レティクル(※スコープや照準器のレンズ内に表示される「十字の線」)、FPSカウンター表示を行うGamePlus、ゲームや映像のジャンルに合わせて映像チューニングを行うGameVisualといった機能は、ROG Control Dockとの接続が必要です。
従来のモニターでは実現が難しい広さを求めて。ROGがXREALと組んだ理由
以前、AirVision M1というグラスディスプレイをリリースしていたASUS。今回の協業プロジェクトはどのように始まったのか。ASUS/ROGディレクター・プロダクトマネージャー Paul Kuo氏(左)と、XREAL 海外マーケティングディレクター・日本法人ゼネラルマネージャー・アジア太平洋地域統括責任者 尹志强氏(右)にお話を聞きました。
―—ASUS/ROGが、なぜグラスディスプレイ市場に取り組むことになったのか。その経緯を教えてください。
ASUS/ROG KUO氏:ROGというゲーミングブランドは今年20周年を迎えました。いままで15.6インチから49インチまでのゲーミングモニターを開発してきましたが、レーシングゲームなどをもっと楽しくするためには、さらに大きなモニターの需要があることがわかっており、65インチのモニターも開発したことがありました。しかしこれでもサイズが足りないと考えていたところ、グラスディスプレイが視野に入りました。
―—なぜXREALと協業することになったのでしょうか。
ASUS/ROG KUO氏:やっぱりいろいろ調査した結果、XREALの技術力は他社より一歩秀でていたんです。そこで直接連絡させていただいて「一緒にゲーミングARグラスを作れますか?」という話をいたしました。
―—大きな仮想ディスプレイとなると、Meta QuestやPico4 UltraのようなXRヘッドセットもありますが、ああいったプロダクトではなくグラス型に手掛けることになった理由はあるのでしょうか。
ASUS/ROG KUO氏:XR HMDよりもグラスディスプレイのほうが軽い、というのが最大の理由です。長時間ゲームで遊びたい方の負担になってしまうんですよね。ただ、今回の製品はグラスディスプレイですが、HMDに近い製品も作りたいと考えています。
―—ROG XREAL R1が従来モデルと異なる点を教えてください。
XREAL 尹氏:ハードウェア面に関しては、240Hzの高リフレッシュレートに対応したというところ、遅延が0.01msで、超高速なレスポンスができるところですね。体験面で言うと、日本で初めてHDR規格に対応したグラスになるので、従来モデルと比較して映像体験が大きく異なります。またROG Control Dockによって、様々なゲーム機器を接続できる入力ハブをお届けできるようになりました。
―—ROG XREAL R1の開発にあたり、ASUS/ROG側が担当したのはどういった部分になるのでしょうか。
ASUS/ROG KUO氏:ROG Control Dockの開発を主導、そしていままで蓄積してきたエンドユーザーさんのフィードバックや、ディスプレイとしての設定値を提供し、また240Hz表示時のクオリティを弊社主導で調製していきました。
―—スペックを見ると、XREAL One Proがベースモデルではないかと感じました。
XREAL 尹氏:光学部はXREAL One Proのものを使っています。XREAL One Proの上位モデルと言えるかもしれません。
※XREAL One Proのインサートレンズも使えるとのこと。
ゲーマーにとってはマストバイか?
発表会の会場には、多くのROG XREAL R1体験コーナーが用意されていました。ゲーミングノートやゲーミングミニPC、PS5などと接続し、その性能を確かめることができました。
掛け心地は良好です。重量は91gであり、グラスディスプレイのなかではやや重いのですが、装着時のバランスが良く重量増は気になりません。たしかにこれならば、何時間ものゲームプレイでも疲れにくそうです。
筆者が実際に試したゲームはPC版の「モンスターハンターワイルズ」。映像の滑らかさも群を抜くもの。自分で操作するキャラクターも、敵キャラも、CGのはずなのに生々しさを感じます。仮想ディスプレイの広さだけではなく高フレームレートも、ゲームに没入するための重要な要素なのですね。
しかし、現時点でROG XREAL R1の性能をフルに体験できた、とはいえません。
モンスターハンターワイルズでは大型ボスがいる場所までは移動できなかったため、ジャストガードなど、タイミングが重要になる操作を行うシーンでの表示性能は未確認。同様に高フレームレート&低遅延性能がスコアや勝率に直結する対戦格闘ゲームやFPS、レーシングゲーム、音楽ゲームなどで試す必要があると感じています。
また高フレームレート時は画面内の細かい文字の描写がやや甘い、と感じました。ファームウェアのアップデートで改善できるかもしれませんが、高フレームレート状態でも文字情報を余すことなく掴みたいというプレーヤーの方は注意が必要です。
なお説明員の方のお話では、ROG Control Dockを使わずとも240Hzの表示性能は出せる、とのこと。それならばフル機能は出せなくても、高フレームレートな巨大仮想ディスプレイを持ち歩いたり、ガチなゲーミングデバイスを揃えた自室じゃなくて、リビングのソファや、旅行先・遠征先のホテルなどでも試合直前の特訓ができるというメリットはあります。
またコンパクトさから、ROG Xbox Ally X / ROG Xbox AllyといったポータブルゲーミングPCを持っているユーザーには最適なディスプレイとなるでしょう。
同時に美しい映像体験と、密度のある音楽体験ができることから、オープンワールドゲームをマイペースで楽しむエンジョイ勢にもおすすめ。高価ではありますが、40インチ級の240Hzゲーミングモニターが18万円~という現在、ROG XREAL R1の価格はむしろ割安といっていいかもしれません。
価格はXREALの公式ショップ、Amazon、ASUS公式オンラインストアでは14万1550円(1年保証)。ASUS ROG販売代理店では2年保証がついて16万360円です。
先着300名限定特典として、カメラユニットであり6DoFのARグラスとしても機能するようになるXREAL Eye(1万3980円)、8000Hzのポーリングレートを誇るゲーミングマウス ROG Keris II Ace(Amazon価格は1万5800円)がプレゼント。さらにGAGUUU製ゲーミングチェアが10%OFFとなります。

















