相対性理論を体感できる360度動画のように、VRやARではふだん目に見えない事象でも表現することが出来ます。デベロッパーのLee Vermeulen氏は、ゲームエンジンやコントローラーのトラッキング機能を使い、物体を投げたり、落下させたりする時の放物線を見せるデモ動画を公開しています。
“ARによる超人的能力”と銘打たれたこのデモは、物体が移動する2秒前に、その予想される軌跡を示す、という内容になっています。HTC VIVEのコントローラーを投げたり、床に落としたり(床にぶつからないように紐で腕に固定しています)すると、コントローラーの動きによりも先にその軌跡が空中に描かれます。
Prototyping the idea of a AR superhuman ability: displaying object trajectory for easier catching. Simulates and displays an object's physics 2 seconds ahead of time pic.twitter.com/ehVJYUlj8F
— Lee Vermeulen (@Alientrap) 2018年8月26日
Vermeulen氏のコメントによれば、放物線のシミュレーションにはゲームエンジンUnityのphysics system(PhysX)を用いているとのこと。反発係数を大きく設定しているため、コントローラーが床から跳ね返るような見せ方も可能です。
今回のデモではコントローラーに内蔵されているセンサーを使用し、物体の位置や速度をトラッキングしているとのこと。コントローラーを投げたり落としたりする軌跡が先に見られることから、Vermeulen氏は「キャッチするのが簡単になる」と説明を付けています。
今回のデモでは「軌道の事前予測と可視化」が大きくフィーチャーされていますが、放物運動や落下といった物理現象を目でしっかりと見ることも可能です。物理学の学習にも役立ちそうな、応用可能性を感じさせるデモ動画となっています。
(参考)Twitter