アメリカのスタートアップTilt Fiveは、ARを活用したボードゲームのクラウドファンディングをKickstarterで開始しました。目標調達額は45万ドル(約4,800万円)です。Tilt FiveのARボードゲームは、専用のゲーム盤とARグラス、そして杖型のコントローラーを使ってプレイします。予約注文はKickstarterで300ドル(約32,000円)から行えます。
ARボードゲームについて
Tilt FiveのARボードゲームは2019年5月に発表され、その後開発が進められています。同社は「このプラットフォームは、プレイヤー側のロールに応じた様々なAR映像を表示できる」と説明。リモートプレイに対応しているほか、ゲームマスターが盤面を管理し、プレイヤー側に見せるコンテンツを調整することも可能であるとしています。
Tilt FiveのARグラスには「far-eye」プロジェクションが搭載されており、ARグラス側のプロジェクターがゲーム盤に映像を投射する仕組み。ゲーム盤以外の場所にはAR映像は表示されません。ARグラスは、外部の端末(PC、スマートフォン)に接続することで動作します。2019年9月現在、判明している対応デバイス(OS)はWindowsとAndroidです。
ARグラスによる映像投射場所の位置認識は、ゲーム盤の外周部分に設置された白いドットによって行われます。ARグラスは、ユーザーの動きに合わせて投射するイメージをリアルタイムでアップデートします。
ARグラスの解像度は720pでFOV(視野角)は110度です。リフレッシュレートは60Hzで、内蔵オーディオとマイクが実装されています。内蔵カメラの画素数は800万画素です。発表によれば、ARグラス本体の重量は85gとのこと。
Tilt Fiveは、同社のボードゲーム向けにコンテンツを開発したいデベロッパーは、今回リリースされるARグラスを開発者用キットとして使用できるとしています。Tilt Fiveは、開発者向けにゲームエンジン「Unity」と「Unreal Engine 4」に対応したSDKを配布しています。
複数のゲームモードに対応
Tilt FiveのARボードゲームは、マルチプレイヤーとシングルプレイヤーの両方に対応しています。予約注文できる各tiersには6つの入門用ゲームが同梱されます。入門用ゲームには、シングルプレイヤー用とマルチプレイヤー用が存在します。マルチプレイヤーを行うには、人数分のARグラスが必要です。
サードパーティーによるゲーム開発が進行中
現在、サードパーティーによるARボードゲーム向けのゲーム開発が進められています。Tilt Fiveによれば、テーブルトークRPG用ソフトウェア「Fantasy Grounds」も取り組みに関わっているとのこと。
(参考)Road to VR
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