Apple Vison Pro向け「vision OS」の最新版(vision OS 2)の配信が開始されました。このバージョンでは、新しいハンドトラッキングジェスチャーや、画像の3D化といった機能が導入されます。
「vision OS 2」は6月に開催されたWWDC24で発表されました。告知後、段階的なβ版のリリースが行われ、今回“安定版”の配信が開始された形です。
今回のバージョンでは、(空間コンピュータ内で)手のひらを開いた状態で人差し指と親指を“つまむ”と、アプリのランチャーが表示されます。このポーズから手のひらを下に向けると、時間やバッテリー残量などが表示される情報バーが出現します。新たな仮想環境「Bora Bora」も導入されました。
また、画像を3D(空間フォト)化する機能は、“高度な機械学習”を通じて行う仕組みになっているとのこと。同機能をテストしたUploadVRは、非常に上手く変換が動作したと報告しています。
Macに接続して使用する、バーチャルディスプレイ機能も改善。4Kモニターを2台並べたのと同じサイズのディスプレイを表示可能になるとのこと。なお、macOS側にアップデートが導入された後に“解禁”予定で、現段階のmacOSでは使用できません。
また、iPhoneやiPadのディスプレイを、ヘッドセットにミラーリングする機能が導入されます。「Safari」ブラウザでは、YouTubeや「Netflix」をフルスクリーン状態で再生可能に。「Apple Magic Keyboard」をApple Vison Pro内に“完全表示”するキーボード・ブレイクスルーと呼ばれる機能も実装されます。マウス接続については、トラックパッド以外の物理マウスにも対応しました。
所有者以外がApple Vison Proを使った際、アイトラッキングとハンドトラッキングの“ゲストセットアップ”を最大30日間保存する機能も追加されました。例えば、家族や友人が頻繁にApple Vison Proを使用する場合、毎回、セッティングの調整を行う必要がなくなった形です。
開発者向けには、ハンドトラッキングの“更新速度”が、ディスプレイのリフレッシュレート(90Hz)まで向上。より精度の高いデータを受け取れるようになります。ハンドトラッキングの“予測機能”も提供されます。予測機能を有効にするとレイテンシー(遅延時間)が改善しますが、やや精度が低下するそうです。
「vision OS 2」では、企業がApple Vison Proのパススルーカメラにアクセスして、独自のコンピュータービジョンモデルを実行可能になります。アップルによると同機能は、「ビジネス環境でのみ使用される」アプリでのみ使用できるとのこと。具体的には、Apple Business Managerを使用した独自社内アプリや、特定ビジネス向けに作成されたカスタムアプリとしてのみ配布できる形になるそうです。
(参考)UploadVR
Mogura VRは、UploadVRのパートナーメディアです。