Mechatech Limited(以下Mechatech)は、装着することで前後移動など、様々な動きをVR内に反映できる外骨格「AgileVR」のクラウドファンディングをKickstarterで開始しました。
2020年5月現在、販売されている多くのVRヘッドセットは、身体を動かす“直接移動”に対応しています。ただ多くのユーザーが、実際には移動可能な(屋内)スペースには制限があることなどから、多くのVRゲームでは、スティック移動やワープ移動など、利用者が動かずにVRで移動できるシステムが採用されています。
「AgileVR」は、この課題に向き合ったデバイスです。外部センサー不要のトラッキングシステムが採用されており、Bluetoothでマネジメントソフトと接続し、システムの調整を行うことで動作します。利用者は、両脚に同デバイスを装着することで、その場で足踏みをするとVR内で前後左右に移動することが可能に。しゃがみやジャンプといった動作も反映されます。
「AgileVR」には触覚フィードバック機能も搭載されており、脚に銃弾を受けた際や、強風が吹き荒れる環境など、(ゲーム内で)歩くことが困難になった場合、その状態を反映することができます。現時点では、コントローラー以外への触覚フィードバックを導入しているVRコンテンツは少数ですが、Mechatechは、「AgileVR」の登場が、開発者を刺激することを期待しているとのこと。
「AgileVR」の対応VRゲーム(2020年5月時点)は、「Minecraft VR」「Fallout 4 VR」「DoomDFR」「GORN」など。対応VRヘッドセットは、Oculus Rift(Rift S)HTC VIVE、 HTC VIVE Pro、 VALVE INDEX(バルブ・インデックス)などで、「Oculus Link」を使用したOculus Quest(オキュラス クエスト)もサポートしています。
Mechatechは今後、脚部用以外の外骨格の開発も進めることを検討中。将来的には全身で装備する“フル外骨格”を完成させることを目標としています。各デベロッパーを対象とした、ソフトウェア開発キット(SDK)も配布予定で、使用することで、センサーからの生データと触覚フィードバックモニターにアクセスできます。
「AgileVR」のクラウドファンディングは、2020年6月4日に終了予定。目標調達額は、約155,000ドル(約1,650万円)です。「Oculus Link」を使用しないOculus QuestやPlayStation VRを、対応デバイスに追加するストレッチゴールも設定されています。
(参考)VRScout