XR/メタバース/VTuber専門メディア「MoguraVR」は毎週、Podcast「もぐラジオ」を配信中。「テック・コンテンツ業界の最前線を掘る」というコンセプトのもと、すんくぼ(MoguraVR編集長)とゆりいか(MoguraVR副編集長)が業界の注目トピックを語ります。
今回取り上げる注目トピックは、XR業界最大級のカンファレンス「AWE USA 2026」で相次いだARグラスの新発表です。SnapはARグラス製品版「Spectacles」を、XREALはGoogle・クアルコムとの共同開発機「XREAL Aura」を発表。ハードウェアからチップセット、AIとの融合まで、スマートグラスが実用段階に近づく今を現地から探ります。
(※本記事はポッドキャスト「もぐラジオ」の対談内容を要約・編集したものです)
ワールドカップ開催中の現地からお届け!収録は2ヶ月ぶり
ゆりいか: 第205回のテーマは「Snap、XREALがARグラスを発表で注目!AWE USA 2026現地速報」です。
すんくぼ: 今アメリカにいまして、こうやって収録するのも本当に久しぶりですね。
ゆりいか: 2ヶ月ぐらい経ってしまいました。
すんくぼ: 今回はAWEという、アメリカで毎年開催されているXR業界最大級のカンファレンスの話をしていきます。開催地はカリフォルニアのロングビーチで、ロサンゼルスの近くにあるエリアです。今、北中米で開催中のサッカーワールドカップの試合と重なっていて、ホテルの外もメキシコのユニフォームを着た人たちで賑わっています。実はメキシコ対韓国戦が行われていて、歓声やクラクションの音がずっと聞こえています。
ゆりいか: 全く別のドラマが起きてますね(笑)。
すんくぼ: パトカーの音も聞こえて少し怖いです。同じ飛行機でAWEに来ているという、思わぬバッティングになりました。
AWEとは何か、今年のテーマ「I, Spatial」の意味
すんくぼ: 画面共有で写真を見せていきますね。これはAWEの基調講演で、ファウンダーのオリ・インバーさんが講演しているところです。隣にある骸骨のようなものは、AWEで毎年授与されている「Auggieアワード」のトロフィーです。ARが最初に盛り上がった頃から続く老舗イベントで、このアワードも毎年開催されています。
ゆりいか: 強烈な見た目ですね。
すんくぼ: 今年のテーマは「I, Spatial」です。これはSF作家アイザック・アシモフの作品『I, Robot』をもじった言葉です。今、フィジカルAI(ロボットの制御などに使われるAI)が盛り上がっていて、その裏にはワールドモデルという、AIが3次元の空間を認識する技術があります。ワールドモデルはロボットの文脈で語られがちですが、VPS(位置情報を扱うデータ)として使うならARにも応用できます。だからこそ、自分たちはロボット的な存在ではなく、より人間中心的なSpatial Computing(空間コンピューティング)の側にいるんだ、というメッセージを込めたコンセプトになっています。
ゆりいか: かなりひねったコンセプトですね。
すんくぼ: AWEは世界最大のXR業界カンファレンスを謳っていて、実際その通りだと思います。毎年世界中から数千人の参加者、数百の展示、数百の講演、何百名ものスピーカーが集まります。大企業も多数参加しています。僕はコロナ禍前から参加していて、最初はサンタクララで開催されていたのが、規模拡大にともないロングビーチに移りました。もう5、6回目の参加になります。
展示フロアは規模縮小、その背景
ゆりいか: 今年の会場の様子はどうでしたか。
すんくぼ: 講演はいつも通りでしたが、一番顕著だったのは展示フロアです。空きスペースが目立ちました。250社ほど出展はしているので、大きく減ったというよりは、会場が広すぎて持て余している印象です。去年大きく出展していたXREALやMetaも、今年はMetaがブース自体を出しておらず、発表のみでした。XREALも会場内の小部屋のようなプライベートブースでの展示にとどまっていました。通路の幅も去年よりだいぶ広く感じました。
ゆりいか: なぜそうなったのでしょう。
すんくぼ: 業界を取り巻く状況が変わってきているのが大きいと思います。特にAIの存在です。AI分野に人材や関心が流れていて、XR領域を続ける、あるいは新規参入する動きがどうしても少なくなっているのかなと。あとは、AppleはAWEに一度も出展したことがありませんし、Googleも出展しない年があります。業界イベントだからといって全社が集まるわけではないんですよね。それぞれの会社が、自分たちにとってちょうどいい関わり方を選んでいるということだと思います。極端な例だと、業界特化型のBtoB向けXRソリューションを提供するベンダーがだいぶ減りました。彼らが展示会に出展する目的はビジネスマッチングなので、AWEのような業界横断型のイベントよりも、専門展示会に人が流れている面もあると思います。実際、秋ごろにシカゴでXRと各産業を掛け合わせた展示会が別で開催されるようになっています。レイオフをしている会社も増えていますし、業界全体としてやや踊り場感が出ているのは事実だと思います。一方で、スマートグラス関連のハードウェアは非常に多く出ていました。
Snapが「Specs」を発表
すんくぼ: 基調講演の直後、今回のAWEで最大のスポンサーだったのがSnapです。基調講演会場に向かう通路がすべてSnapの展示で占められていました。SnapはARグラス「Specs」の製品版を発表しました。
すんくぼ: これまでは開発者向けの試作機として提供されていましたが、1年前のAWEで製品版の発売が予告されていて、今回、2026年秋の発売と予約開始が発表されました。セットには2枚のレンズが含まれ、視野角は51度、充電器はUSB Type-C対応です。SnapのファウンダーであるエヴァンシュピーゲルCEOは基調講演で、7000件の特許を取得していることを強調し、他社には真似できないと述べていました。会場は盛り上がっていましたね。
ゆりいか: そこはバチバチなんですね。
すんくぼ: MetaはOrionというARグラスを2年ほど前から開発中と発表していますが、特許の話になってくると水面下でかなり激しい攻防があるようです。Snapは一足先に製品を披露した形になります。価格は2200ドルで、発表当日から予約が開始されました。ただ、対象国は北米、イギリス、フランスなど一部地域のみで、日本は現時点で対象外でした。実際にサイトで自分の住所を入れてみましたが、注文できませんでした。
ゆりいか: 見た目はごついメガネですよね。
すんくぼ: そうですね。会場では実機に触れることはできず、雰囲気だけ感じられるお土産用のようなものが置かれているだけでした。ARグラスとしての実力はまだわかりません。CEOが基調講演後に展示エリアに姿を見せた際の様子はSNSでも話題になり、実際にかけている様子に好意的な反応がある一方で、まだデザインが大きいという否定的な声も見られ、意見は二分していました。ちょうどこのタイミングで外の歓声が上がって、メキシコが1対0で勝利していました。
スタンドアローン方式という強み
すんくぼ: 考え方を変えると、Specsが他のARグラスと大きく違う点はスタンドアローンであることです。有線でコンピューティングパックに繋がっているわけでも、スマートフォンと無線接続して処理を任せているわけでもありません。最近の多くのスマートグラスは、スマホと無線接続して処理をスマホ側でしているので厳密にはスタンドアローンとは言えませんが、Specsはそうではありません。メガネ型のコンピューターとして完成させたのは、Specsが初めてではないかと思います。
ゆりいか: これまではHoloLensや、日本のHMS社のXREALなどがありましたが、メガネというよりごつい形状になってしまっていました。それと比べると、Specsの重さは130グラム程度で、メガネとしては重いですが、ヘッドセットと比べればかなり軽量です。
すんくぼ: ようやくARグラスという形を仕上げたという意味では、ギリギリのラインに最初に到達したとも言えるかもしれません。フレームが太いなど完璧ではない部分はありますが、バッテリー駆動時間は初代Spectacles開発版(30~40分程度)と比べておよそ8倍に伸びています。この2年余りで進化したということですね。見た目もかなりシュッとしています。価格は日本では販売されないので日本円に換算する意味はあまりありませんが、日本円にしておよそ35万円程度になります。壇上ではApple Vision Proほど高くないと発言していましたが。
ゆりいか: その言い方はどうなんだという感じですね。
すんくぼ: AWE自体は業界内でもニッチなイベントなので、一般メディアが反応するほどの発表がない年も多いのですが、その意味ではSnapのSpectaclesが今年最も注目を集めた発表だったと思います。
XREALが「Aura」を正式発表
すんくぼ: もう一つの大きな発表が、XREAL Auraです。これまでGoogle、半導体メーカーのクアルコム、XREALの3社が共同開発してきた「プロジェクトAura」の正式発表になります。名前はそのままAuraで、社内での反応が良かったのでそのまま製品名にしたそうです。
すんくぼ:これまでXREALが単独で発表してきましたが、今回はクアルコムの基調講演の中で、XREALの徐社長とGoogleの担当者が登壇する形でお披露目されました。有線接続でコンピューティングパックに繋がって動作します。この内容は5月のGoogle I/O(Googleの開発者向けイベント)の時点ですでに発表されていて、Mogura VRのライターでもある西田宗千佳さんがレビューやインタビューを掲載していましたが、それがそのまま製品化した形です。会場の体験コーナーでは、ハンドトラッキングも動作し、動きもかなりキビキビしていて、これまでのXREAL Air 2 Ultraなどとはクオリティが全く違うと感じました。視野角は70度まで拡大しています。
ゆりいか: それはかなり上がりましたね。
すんくぼ: 重さも93グラムで100グラムを切っていて、XREAL Air 1やAir 1 Proと変わらない付け心地のまま、ハンドトラッキングや空間認識が使えるようになっています。XREALは最近、メガネ本体に専用チップを搭載する方式を採用していて、メガネ内でセンサー情報を処理できるため遅延が起きにくくなっています。今回、新しいチップに加えて、コンピューティングパック側にもクアルコムの新チップ「Snapdragon Reality Elite」が搭載されます。
ゆりいか: しかもAndroid XR搭載なんですよね。
すんくぼ: そうですね。Android XR搭載なので、Androidアプリが使えたり、すでに発売されているヘッドセット型デバイス「Galaxy XR」向けのアプリとの親和性も期待できます。これまでのXREAL単独での展開とは違い、Googleと一緒に進めている点も従来との違いです。
ゆりいか: 日本も出荷予定国に入ったので、日本でちゃんと体験できるAndroid XR機器になりますね。
すんくぼ: 日本では、ヘッドセット型のGalaxy XRはまだ発売されていないので、XREAL Auraが日本で初めてのAndroid XR機器になります。CEOにインタビューした際も強調していたのがGeminiです。AIグラス全般でAIとの掛け合わせがポテンシャルを持つと言われていますが、Ray-Ban MetaのMeta AIなどはまだAI機能が十分とは言えません。XREAL AuraとAndroid XRにはGoogle製のGeminiが搭載される予定で、メガネをかけたままGeminiに話しかけて操作したり、アプリを起動したりできるといいます。ただ、会場ではXREAL AuraでのGemini機能自体は体験できませんでした。
すんくぼ: 一方、隣に展示されていたのが、Android XR対応のディスプレイ付きスマートグラスの試作機です。Googleは最近「AIグラス」ではなく「インテリジェントアイウェア」と呼んでいますが、ディスプレイなしのRay-Ban Metaタイプではなく、ディスプレイ付きのタイプで、いわばMeta Ray-Banディスプレイに近い製品です。こちらは実際に体験できました。Meta Ray-Banディスプレイと比べても軽く、見た目もすっきりしていて、小型軽量化を頑張っている印象でした。まだプロトタイプですが、フルカラー表示に対応しています。Googleマップと連携したナビゲーションでは、前を向いているときはガイドが表示され、視線を下げると地図が表示される仕組みになっていて、頭の動き(3DoFのヘッドトラッキング)に連動しています。スマートフォンで地図を見ながら歩くときの、視線を落としたり上げたりする動作がメガネで完結する形になっていて、地味に感動しました。
価格設定と予約の仕組み
すんくぼ: 売り方だけがちょっとわかりにくいんですよね。
ゆりいか: 販売権利を売るようなちょっと特殊な仕組みになっていますね。
すんくぼ: 価格を悩んでいるようです。Snapは2200ドルという価格をすでに出していますが、XREAL側はドルベースで1500ドルが想定している上限で、本当は1200ドルぐらいにしたいという話でした。今はその間で揺れていて、メモリ価格などの影響もあり、現時点ではまだ決められないとのことです。ただ、発表はしているので、欲しい人向けに優先発送権と割引権の先行販売を行っています。最優先の出荷が受けられる「ファウンダープライオリティパス」は299ドル(日本円で約4万5000円)、世界限定2000台です。割引が受けられる「ローンチクレジット」は99ドル(日本円で約1万5000円)で、出荷もやや早くなります。実際の予約開始時にこれらの金額が割引として適用される仕組みで、少しわかりにくい売り方になっています。ファウンダープライオリティパスはすでに2000台売れたそうです。
ゆりいか: 性能自体で、値段を見ずに買う層がいるレベルの話ではありますよね。日本が出荷対象に入っているのは嬉しいです。
すんくぼ: XREALは以前から日本は大事なマーケットで開発者も多いと言い続けてきているので、今回もしっかり対象国に入れています。逆にSnapは日本が対象外なので、日本では手に入りにくく、開発環境も整えにくくなってしまいます。両方とも2026年秋の発売予定です。ARグラスはAIグラスやスマートグラスの中でも最上位に位置づけられる製品で、価格も高く、単なる表示やカメラ機能にとどまらずARの領域まで踏み込んでいます。その最上位領域でも今年動きが出てきているということで、スマートグラス全体を見ても、カメラ付きやディスプレイ搭載だけではない層でのバトルがすでに始まっていると言えます。
新チップセット「Snapdragon Reality Elite」の重要性
すんくぼ: SnapとXREALの発表はハードウェアなので報道されやすいのですが、僕が重要だと思っているのは、さらっと触れたクアルコムの新チップセット「Snapdragon Reality Elite」です。
すんくぼ:クアルコムはこれまでMeta QuestやPICOなどのスタンドアローン型ヘッドセットや、Ray-Ban Metaのようなスマートグラス向けに「Snapdragon XR1」「XR2」シリーズを展開してきましたが、これらを一新する形で登場したのがReality Eliteです。これまで最上位だったXR2+ Gen 2から、あえて名称を変えて刷新してきたのは、それだけ大きな変化があるからだと思います。片目4.4Kの解像度で90fpsまで対応するとされていて、GPU・NPU(AI処理用のプロセッサ)・CPU性能もこれまでのXR2+ Gen 2より向上しています。オンデバイスAIもよりスムーズに動作するようになり、消費電力や発熱も抑えられています。
ゆりいか: それはつまり4.4Kを想定したデバイスが今後どこかで出てくるということですね。
すんくぼ: そうだと思います。XREAL Auraの解像度は片目フルHDにとどまっているので、Reality Eliteのフルスペックを活かすデバイスは今後別に出てくるはずです。PICOが開発中の「プロジェクトSwan」や、Metaの次期デバイスなどに搭載される可能性があります。ビデオパススルーの画質についても、Apple Vision Proより綺麗だという説明がありました。
ゆりいか: Vision Proがそもそも綺麗なので、実際に試してみないとわからない部分ではありますが。
AI搭載デバイス開発を後押しするプログラム
すんくぼ: セッションの数は何百とありました。クアルコムの講演では、ARグラスやヘッドセット向けのReality Eliteの話に加え、スマートグラス向けチップセットの話もあり、「Scalable Turnkey AI Toolkit」という支援プログラムが発表されました。これはAIを前提としたデバイスを作りたいハードウェアメーカー向けに、チップセットとソフトウェア一式のサンプルを提供する取り組みです。
ゆりいか: 開発者に向けて、もっとAIデバイスを作ってほしいという後押しですね。
すんくぼ: そうです。この領域は裏側でかなり激しい競争になっています。半導体メーカーのApplied Materialsも、「センス」というプログラムを発表していて、ディスプレイ付きスマートグラスで使われる光学系の「ウェーブガイド」技術に自社の光学システムを持ち込み、クアルコムのチップセットと連携しつつ、Ray-BanやOakleyといったメガネブランドと協業しています。片目・両目モデルの試作機を、台湾のQuanta、Pegatronといった組み立てメーカーと共同で製作しているとのことです。Pegatronは昨年、日本のCellid社ともスマートグラスを作っていました。眼鏡の組み立てを担う会社なので、組み合わせる相手を変えて色々な会社と作っているようです。
展示フロアで見つけたユニークな技術
すんくぼ: 日本のTDKもブースを出していました。TDKはスマートグラス向けのセンサーを供給していて、例えばRay-Ban Metaを装着した際に自動で電源が入る仕組みや、テンプルの開閉での電源オンオフ、ボリューム操作用のセンサーなどを手がけています。今出ているスマートグラスの8割にTDK製のセンサーが使われているとのことでした。
ゆりいか: そんなにシェアがあるとは驚きです。
すんくぼ: 「Raven Prism」という製品も展示されていました。
ゆりいか: アイトラッキング搭載でしたよね。
すんくぼ: そうです。Linuxを搭載していて、スマートフォンなしで単体動作します。バッテリーがスワップ式になっていて、取り外して交換できるのが面白いところです。
ゆりいか: RokidのAIグラスにも、追加バッテリーを取り付けられるものがありましたね。
すんくぼ: スマートグラス自体は本当にたくさんの中国メーカーなども出展していて、去年よりは少し減ったかなという印象ですが、それでも種類は豊富でした。あと変わり種として、Ant Realityというシリコンバレーの企業のビデオパススルー方式のMRグラスがありました。見た目はARグラスに近いですが、上半分がMRデバイスに近い構造になっています。重さは93グラムで非常に小型です。わずか12人のチームで開発しているそうです。PCやスマートフォンと接続して画面拡張表示ができるほか、専用アプリを使えば6DoFで空間にディスプレイを固定した表示も可能とのことでした。
ゆりいか: 小型MRヘッドセットとして使えるということですね。欲しい人が多そうです。
すんくぼ: Canonも去年に続いてブースを出していました。CanonはMREALというMRヘッドセットや、Apple Vision Pro向けのカメラレンズなどを手がけていますが、今回はARグラスを見据えて、独自開発のマイクロOLEDを使ったウェーブガイド技術を展示していました。明るさは1万5000ニトと非常に高く、視野角は30度とのことです。現在市場に出ているマイクロLED(無機ELではなく液晶方式)とは異なる、要素技術としての提案という位置づけです。
ロケーションベースエンターテインメントと産業利用の動向
すんくぼ: 日本発のVRスポーツ「HADO」もブースを出していて、HADO USAが本格始動しているとのことでした。今回はロケーションベースドエンターテインメント(LBE、特定の施設で体験する形式)関連の講演や展示も多く見られました。6メートル四方の空間で最大6人が体験する脱出ゲーム型コンテンツは、フランチャイズ展開で世界250店舗規模になっていて、対応言語も8言語ほどあるそうです。
すんくぼ: ロケーションベースは日本でも増えていますが、世界的な流れになっているということですね。 一番驚いたのは、Galaxy XRを使ったブースの中に、献血と組み合わせた展示があったことです。
すんくぼ: 会場内で献血ブースを見たのは初めてでした。献血は針を刺して血を抜く行為なので、その瞬間にどうしても身構えてしまう人が多いという課題があり、MR体験によってその不安を和らげ、リラクゼーション的な効果を狙って導入されているとの説明がありました。すでにいくつかの場所で展開されているそうです。 歯医者で治療中にVR映像を見せる取り組みと似た発想ですね。この現場に、SynamonのCEOである山口さんもいて、実際に体験してFacebookに投稿していたそうです。「全く気にならなかった」とコメントしていたとのことでした。
4Dガウシアンスプラッティングの新展開
すんくぼ: スペインのスタートアップGraciaも、去年に続いて出展していました。Graciaは、現実の空間を点の集合としてキャプチャーする「3Dガウシアンスプラッティング」という技術に、時間の要素を加えた「4Dガウシアンスプラッティング」に取り組んでいる会社です。今回の発表は、これまでスマートフォンやMeta Questに対応していたコンテンツが、Apple Vision Proにも対応するというものでした。
ゆりいか: Vision Proで見るのが一番綺麗そうですね。
すんくぼ: Graciaの講演には、共同でコンテンツを制作しているMetaの社員も同席していました。日系の方で、MetaのReality Labs(研究開発部門)に所属している松田さんという方でした。空間をボリュメトリックキャプチャー(人や物を立体的に記録する技術)する取り組みの中で技術的な制約に悩んでいたところ、Graciaと出会い、共同制作に至ったとのことです。DJが音楽をかけて踊るステージを、人物だけでなく空間ごと4Dガウシアンスプラッティングで記録するという、これまでにないタイプのコンテンツ制作に取り組んでいるそうです。
ゆりいか: Metaは以前ハイパースケープキャプチャーという取り組みも行っていましたが、あれには動きの要素はありませんでした。今回はその進化版と言えそうです。
産業利用は「導入段階」から「本格活用」のフェーズへ
すんくぼ: 講演ではLBEに加えて、BtoB向けのセッションも多く聞きました。鉄鋼業やレスキュー隊のトレーニングなど、様々な業界での活用事例が紹介されていて、成功・失敗の要因分析なども語られていました。聴講者は少ない講演が多かったのですが、個人的には学びが多かったです。
すんくぼ:VRがトレーニングに使えるという話自体はもう何年も前から言われていることなので、今さらそれだけを聞いても得るものは少ないのですが、今回の講演はすでに導入が進んだ段階の話が中心でした。導入したヘッドセットの台数について、20台、50台、100台、200台、中には2000台という規模の事例も紹介されていて、お試し段階ではなく本格運用のフェーズに入っている印象を受けました。日本ではまだ足踏みしている例も多いので、参考になる話が多かったです。
ゆりいか: 日本でも去年、Metaの連載で色々な事例を取材しましたが、長続きしている例もあれば、まだアイデアレベルで模索中の例もありました。欧米の方が本気度が一歩先に進んでいるのかもしれません。
まとめ
ゆりいか:今回のAWEの目玉は、SnapとXREALの2つだったと。
すんくぼ: 展示は規模としては縮小していましたが、残っている出展社や来場者の熱量は高く、比較的粒ぞろいな内容だったと感じました。講演やトレンドについては、今後改めて報告会などで詳しく紹介していく予定です。Mogura VRでも、すでに公開しているインタビューに加えて、引き続きAWE関連のレポートを掲載していきます。
ゆりいか: 話してほしいネタがある方は、フォームからお問い合わせください。本日もありがとうございました!





















