Meta Ray-Ban Displayをはじめとするスマートグラスが話題を呼んだ、Meta社の年次カンファレンス「Meta Connect 2025」。
VRヘッドセットの新モデルの発表こそありませんでしたが、いくつかの新作ゲームが公開されたほか、SNSでは「Hyperscape Capture」も話題になりました。VRコンテンツだけでなく、Meta Quest 3の活用の幅も着実に広がりつつあり、今後の展開に一層の期待が高まります。
そんなMetaの最新コンテンツを体験できるプレス向けイベントが先日、都内のMeta日本法人のオフィスで開催されました。今回はそのレポートをお届けします。
新しくなったMeta Questのホーム
イベントではまず、Meta Questの最新アップデート(Horizon OS v81)を体験。Questシリーズを使っている全ユーザーに向けて順次配信されているため、すでに体験している人もいるかもしれません。
新しくなったホームに入ってみると、これまでのHorizonワールドの玄関口とはうって変わり、モダンで落ち着いた雰囲気の空間が広がっています。しかもこの空間、常に同じ場所ではなく、背景の切り替えも可能。4種類の風景を選ぶことができ、ボタンを押して切り替えると、部屋の照明などもそれぞれの風景に合わせて変化します。
従来のホームが「アプリやゲームへ入る前の一時的な待機場所」という位置づけだったのに対し、新しいホームでは空間内を自由に歩き回り、鏡の前に立ったり椅子に座ったりもできるように。ゆくゆくは他のユーザーを招待して交流もできるようになるのだとか。メタバースの「ホームワールド」的な要素が色濃くなったと言えそうです。
また、見ていておもしろかったのが、壁に設置されているInstagramの画面です。フィードを横にスクロールして写真を見ることができるのですが、表示されている写真に奥行きが感じられます。
これは3Dで表示されるように撮影された写真というわけではなく、普通に撮影された写真をAIによってピクセル単位で変換し、立体的に見えるフォーマットで表示しているのだそう。「Instagramのフィードで写真を見る」という行為そのものは同じはずなのに、スマートフォンで見るのとはまた別の新鮮さがありました。


(ホームで見た『アバター』最新作のトレーラーも、立体的な表示によって臨場感あふれる映像を味わえました)
Meta Questで遊べる3つの最新タイトルをプレイ
続いて体験したのは、Meta Questでプレイできる3つの最新VRゲーム。それぞれ短時間かつ一部のモードのみのプレイではありましたが、どのような体験ができたのかをお伝えします。
Star Wars: Beyond Victory – A Mixed Reality Playset
Meta Quest 3および3S独占タイトルとして配信中の『Star Wars: Beyond Victory – A Mixed Reality Playset』。3種類のモードで『スター・ウォーズ』の世界を楽しめるMRタイトルです。
ストーリーを追体験できる「アドベンチャーモード」と、現実の空間でポッドレースを俯瞰視点で楽しめる「アーケードモード」、そして「プレイセットモード」の3つのモードを収録しているゲームですが、今回は「プレイセットモード」をプレイ。
このモードでは、サンドボックス形式でキャラクターのフィギュアや乗り物を動かし、自由に配置することができます。
C-3POやジャバ・ザ・ハットといったおなじみのキャラクターのフィギュアを自由に出し入れし、大きさを変えて間近で眺めたり、現実の空間に配置したり。
武器にはちょっとしたギミックが仕込まれているものもあり、たとえば、ライトセーバーの光の刃を出し入れするだけでもテンションが上がります。中には喋るキャラクターもいたので、筆者はR2-D2を実寸台にして、その声を何度も聞いて楽しんでいました。かわいい。
いぬあつめ VR
体験会当日に発表された『いぬあつめ VR』は、Meta Questシリーズで遊べる没入型ペットライフゲーム。人気アプリ『ねこあつめ』の開発会社による新作タイトルです。
一言で簡単に説明するなら、2023年にリリースされたVRゲーム『もっと!ねこあつめ』の「いぬ」バージョン。ただ、前作よりもゲーム性が強化されているらしく、さまざまなミニゲームでいぬたちと戯れることができます。
チュートリアルで操作を覚えたら、家の外へ。広場を走り回っているいぬに向かってフライングディスクを投げるのですが……これが、結構難しい! いぬのいない方向にすっ飛んでしまったり、力加減を間違えて遠くへ投げてしまったりと、なかなかうまくいきません。
「うまく投げてあげられなくてごめんね……」と申し訳なさが込み上げてきますが、そこにいるのは、賢い「いぬ」たち。高い位置に飛ばしてしまったディスクを、華麗にジャンピングキャッチ! そのナイスな跳躍と、ディスクをくわえて喜んでいる動きが可愛くて、思わず笑い声がこぼれてしまいます。
フライングディスクで遊んで仲良くなったら、いぬがこちらに駆け寄ってくるので、名前をつけて家にお迎えしましょう(デフォルトネームはもちろん「ポチ」です)。犬好きの筆者は当然、その駆け寄ってくる様子にも歓声をあげて喜んでしまいました。「とにかく、いぬたちが可愛くて仕方がない!」というのが、体験を通しての率直な感想です。

(足元に駆け寄ってきたいぬを「ヨーシヨシヨシヨシ」と高い声を出しながら夢中になって撫で回している筆者(写真左)と、筆者の目から見えているいぬ)
お迎えしたいぬを撫でている時も、しっぽをふりふりしながら嬉しそうにしている様子がたまりません。間近で見ると、本当に呼吸しているように体が動いているのもわかります。
現実の「犬」と比べるとデフォルメされた「いぬ」のビジュアルであるにもかかわらず、撫でている最中に振動するコントローラーの感触も相まって、想像以上に「生き物」と接しているような感覚がありました。「没入型ペットライフゲーム」の看板に偽りなしです。
さらに、家の中にある「My Room」の扉に入ると、MRモードに移行。現実の自室で、いぬが走り回るのを眺めたり、ボールで遊んだりできます。
MRモードでは現実の空間の構造も認識してくれるため、いぬが壁に向かって前脚をかりかりするような光景も違和感なく見られるそう。ペット禁止の物件でも、気兼ねなくいぬと過ごせます。最高では?
Marvel’s Deadpool VR
『Marvel’s Deadpool VR』は、11月18日にリリース予定のMeta Quest 3および3S独占タイトル。プレイヤーはあの“おしゃべりな傭兵”となり、ハチャメチャなアクションとユーモア全開の世界を体感することができます。
「デッドプールになれるアクションVR」ということで、いったいどのようなぶっ飛び体験が待っているのか――。おそるおそる体験をスタートすると、最初に目に入ったのはラボのような空間。こちらに背を向けた白衣の男性が目に入りますが、自分の置かれている状況がわかりません。
操作もできなさそうなので周囲をキョロキョロと見回してみると……なんとそこには、見慣れた赤いスーツの体が横たわっているではありませんか! しかも、首がない状態で!
そう、プレイヤーが見ていたのは、机に置かれた「デッドプールの生首」からの一人称視点だったのです。生首の状態のままコントローラーを操作し、「自分の体を動かす」ところからチュートリアルがスタート。“生首”の状態からゲームのチュートリアルが始まることってあるんだ……。
(容赦なく叩きつける! 冒頭からがっつり血しぶきが飛びまくりますし、エグい表現が目の前で繰り広げられます。流血表現はなかなかにハード。これでもまだソフトなスクリーンショットを選んでいます)
無事に自分の体との再会を果たした後は、部屋に保管されていた愛用のハンドガンと刀を入手。ハンドガンは腰のあたり、刀は肩のあたりでそれぞれグリップボタンを握ると、左右両方の手に装備することができます。
しばらく進むと手に入る手榴弾も含めた3点セットが基本装備となるようですが、それ以外にも多彩なアクションを楽しめるのがこのゲームの魅力。今回プレイした10分程度だけでも、刀身で敵の攻撃を受けて隙を作ったり、怯んだ敵に飛びかかってトドメを刺したり、壁を蹴るように移動したりと、さまざまなアクションを味わえました。
本作のアクション要素はかなり作り込まれているらしく、手榴弾を持ったままパンチを繰り出したり、吹き飛んだ自分の腕を敵に投げつけたり、回転するプロペラに敵を押しつけたりと、多彩な戦い方ができるようです。
ただし作品の性質上、刺激的な表現は多め。チュートリアルの時点で敵の首がぽんぽん吹き飛んでいましたので、苦手な方はご注意ください。
Hyperscape Capture
今回、ゲームとは別に体験させてもらったコンテンツとして紹介したいのが、バーチャルツアーアプリ「Hyperscape Capture」です。
Hyperscapeは、現実の物理空間を短時間で高精細にデジタル化し、まるでその場にいるかのような感覚で交流できることを目指す、Metaの新技術。Meta Connect 2024でデモコンテンツが初公開され話題になりました。
その1年後の2025年9月には、「Hyperscape Capture」のベータ版を提供開始。その名の通り「キャプチャ」をするためのアプリで、Meta Quest 3を使って周囲の現実空間をスキャンし、没入感のあるバーチャル空間を生成できます。
イベントで体験したのは、実際に3Dスキャンされた部屋をバーチャルツアーとして楽しめるアプリ「Hyperscape Preview」。話には聞いていたのですが、実際に生成された空間に入ってみるとその精細さに驚かされます。
空間を移動する際に若干の歪みは生じるものの、一見しただけでは「ほとんど違和感がない」レベルでリアル。さすがにまだ現実そのものとまでは言えませんが、筆者がこれまでに見たVRの類似コンテンツの中では、間違いなく上位に入るリアリティの高さです。
特筆すべきは、この手の現実空間の再現コンテンツでしばしば見られる、「低ポリゴンの3Dモデルにテクスチャ画像を貼り付けただけ」という印象がまったく感じられなかったこと。
椅子や机などの物体も本当にそこにあるように見えますし、部屋の中の影や、光の反射なども違和感がありません。キーボードのような構造が複雑な物体は解像度が若干粗く見えていましたが、目立った不自然さと言えばそのくらいでした。
しかもこの空間を生成するにあたって、高価な撮影機材や専門技術は必要ありません。Quest 3を装着したら、あとはアプリの指示に従って動くだけでOK。外部カメラが空間を自動で認識し、よほど広い場所でなければ10分程度でスキャンが完了します。
スキャンしたデータはオンライン上で処理され、1時間ほどで3D空間として生成されます。生成された空間はクラウド上でレンダリングされるため、入る際の読み込み時間もあっという間。処理性能の高いゲーミングPCと接続しなくても、ヘッドセット単体で高精細な3D空間を体験できます。
つまり、Meta Quest 3とインターネット環境さえあれば、スキャンしたい場所にQuest本体を持ち込むだけで、誰でも簡単に空間をデジタル化できるわけです。現時点では他のユーザーと同じ空間に入ることはできませんが、将来的には複数人が同時に参加できるようになるとのことで、今後のアップデートも楽しみです。
まだまだ進化を続けるMeta Quest
限られた時間内かつ一部モードのみではありましたが、Meta Questで体験できるコンテンツの幅が広がっていること、そして個々のタイトルにおけるVR/MRの表現も進歩していることを、身をもって実感できるイベントでした。
筆者自身、VRゲームはたまにプレイしているものの、普段はVRChatで遊んでいることが多く、最新タイトルはほとんどチェックできていなかった、というのが正直なところ。人気IPのVRゲームをプレイしてみて、改めて「自分の知っているキャラクターをVRで見られる(なれる)」ことの魅力を再確認しました。
もちろん、「Hyperscape Capture」の今後も気になります。VRゲームだけでなく、イベントや作品展示、研究分野でもMeta Questが使われている光景を見る機会は年々増えていますが、その活用の幅をさらに押し広げてくれる。そんな技術の1つが、このHyperscapeなのではないでしょうか。
Meta Questのユーザーは順次利用できるようになっているそうなので、そのリアルさがどれほどのものか、ぜひご自身の目で体感してみてください。















