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開発 2025.06.12

現実を認識する高機能AIグラス「Aria Gen 2」Metaがキーとなる技術を公開

Metaは、ARグラス開発プロジェクト「Project Aria」の次世代モデル「Aria Gen 2」の技術詳細を公開しました。2月に発表されたAria Gen 2は、人間の視点から世界を認識するAIシステムの研究に特化した新機能を備えています。

「Project Aria」は、Metaが2020年9月に開始した研究開発プロジェクトです。このプロジェクトは、AI搭載グラスに必要なソフトウェアとハードウェアの要件調査を目的としており、搭載されたカメラとAIを使って現実空間の3Dマッピングなどを行う研究者向けグラス型デバイスを開発しています。

Project Ariaは研究開発プロジェクトであり、当初はMeta社内利用を想定していました。しかし、学術分野など研究コミュニティへの提供価値が認識され、現在では研究機関での活用が推奨されています。

なお、Aria Gen 2は一般販売を目的としない実験用デバイスであり、米国などで販売されているスマートグラス「Ray-Ban Meta」や、開発中のARグラス「Orion」とは異なるプロジェクトの製品です。

Aria Gen 1からGen 2への移行により、いくつかの機能が強化されました。

着用性に関しては、快適性とフィット感が向上しました。幅広い顔の形状に対応し、8種類のサイズバリエーションが用意され、頭の幅や鼻の形状に合わせて選択できます。軽量デザインを保ちながら、折りたたみ式のアームで収納や持ち運びが容易になりました。

カメラ機能も強化されました。コンピュータビジョン(CV)のためのカメラは4つに倍増しています。視野角が広がり、高度な3Dハンドトラッキングやオブジェクトトラッキングが可能となりました。


グローバルシャッターカメラセンサーを搭載し、HDRに対応。ダイナミックレンジがGen 1の70dBから120dBに向上しました。様々な照明条件下で優れたコンピュータビジョンタスクを実行できます。あわせて、ステレオオーバーラップはGen 1の35度から80度に拡大。深度知覚と空間認識を強化するステレオベースの基盤モデルを実現しています。

センサーも刷新されたものが搭載されています。キャリブレーション済みの環境光センサー(ALS)により、露出制御アルゴリズムが改善され、低フレームレートでの新しい機能が使えるようになりました。ALSの紫外線モードでは、屋内と屋外の区別が可能です。

Aria Gen 2の鼻パッド部分には、接触型マイクが組み込まれています。ノイズの多い環境でもユーザーの声をより的確に捉えられます。同じく鼻パッド部分にはPPGセンサーを搭載し、心拍数を推定できます。その他、ユーザーの姿勢を推測し制御をするIMU(慣性計測装置)、気圧計、磁力計、GNSS(衛星測位システム)などもアップグレードしています。

デバイス間のタイム・アライメント機能も強化されました。Aria Gen 2には、Sub-GHz無線技術を利用してタイミング情報を送信するハードウェアソリューションが搭載されています。他のAria Gen 2デバイスやSub-GHz無線に対応した互換デバイスと、非常に高精度なタイム・アライメント(時刻合わせ)が可能です。サブミリ秒という非常に高い精度での時刻同期を実現しており、ソフトウェアで時刻を合わせていた従来のGen 1よりも、大幅に性能が向上しています。

Aria Gen 2は、Meta独自設計の省電力カスタムコプロセッサ上で動作する高度な機械認識アルゴリズムを搭載しています。「機械認識」とは、カメラやセンサーで得た情報をリアルタイムで処理し、「人や周囲の環境がどうなっているか」「どのように動いているか」を高精度に把握する技術のことです。この技術により、デバイスはユーザーの動きや周囲との関わりを非常に正確に捉えることができます。

機械認識アルゴリズムを支えるのは「Visual Inertial Odometry(VIO)」「アイトラッキング」「ハンドトラッキング」などの機能です。

Visual Inertial Odometry(ビジュアル慣性オメオドリ)は、カメラデータとIMUなどのセンサーと組み合わせることで、「メガネ自体が空間の上のどこにいて、どの向きで、どういった動きをしているのか」という6DoFでのトラッキングを可能にする機能。空間内での移動やマッピングが滑らかに行えるようになり、状況認識AIやロボティクス分野の新たな研究の可能性が広がります。

非常に高精度なカメラベースのアイトラッキング機能は、両眼の各視線、焦点、まばたき、瞳孔中心や直径、角膜中心など、あらゆるデータを取得し、「どこを見ているのか」というユーザーの視線をきわめて正確に把握します。また、ハンドトラッキング機能では、手の各関節の動きを端末の座標として高精度に取得できます。

Metaは「これらの高精度データにより、データセット作成時の正確なアノテーションや、高精度なロボットハンド操作などへの応用も可能」としています。

Aria Gen 2に関心のある研究者は、2025年後半に利用申請が可能になる予定です。最新情報を受け取るためにprojectaria.comより登録できます。また、2025年6月開催のコンピュータ・ビジョンに関する国際会議「CVPR 2025」では、Aria Gen 2のインタラクティブなデモが披露される予定です。

(参考)Meta


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