【レポ】360度カメラで撮影した複数のコンテンツをまとめる「バーチャルツアー」制作のコツ

3月11日、全天球映像作家の渡邊課は、360度カメラを使ったVRコンテンツ制作のワークショップ「お店や企業の魅力を伝えるVRコンテンツの作り方 VR映像作家・渡邊課 ―ハコスコ公式ワークショップ」を開催しました。本稿では同ワークショップで語られたバーチャルツアー制作のコツや注意点などについてレポートします。

ワークショップは下記の3部構成で行われました。

(1)座学の研修
(2)360度カメラで実際に撮影
(3)バーチャルツアーの制作

座学研修は、ハコスコ代表取締役の藤井氏と渡邊課から、360度動画・静止画共有サービス「ハコスコストア」で使えるタグ機能やVRコンテンツの特性や制作のコツについて説明がされました。

タグを設置して360度のバーチャルツアーを制作

藤井氏は360度静止画は通常の写真のようにアルバムで複数枚の写真を見て楽しむのが難しいことを指摘。「ハコスコストア」ではアップした静止画・動画内にタグを埋め込むことで、たとえば施設のバーチャルツアーができるコンテンツをウェブベースで制作できると語りました。タグ機能によって複数の360度の静止画や動画の遷移が可能になるとしました。

タグ機能はブラウザにおけるハイパーリンクのようなもので、視点を合わせると他のコンテンツに飛ぶというもの。また、タグと同じようにメニューを埋め込むと、ポップアップで2Dの画像・動画や説明文などを呼び出すこともできるとのことです。

実写VRコンテンツ制作のポイント

渡邊課はこれまでに100本以上の全天球映像を制作した経験から、VRが表現として向いているポイントをまとめて指摘しました。

  • スケール感を等身大で体感できる
  • 空間として認識でき、物の配置を理解しやすい
  • 場所に行った気持ちにさせることができる
  • 違う時間帯、違うシチュエーション等を再現し体感できる
  • 芸能人やマスコットを無限に召喚することができる

渡邊課は上記の中の「場所に行った気持ちにさせることができる」という特性について、初めてその現場に行った人でも、事前にその場所をVR体験していると、デジャブ(既視感)を感じるような不思議な体験ができると説明しました。VRを使うとオンラインとオフラインを繋げる面白い取り組みができる可能性があると語りました。

撮影にあたっては視聴者の目線の高さを意識することが大切と語りました。たとえば成人男性の目線を再現するのであればカメラの位置を170cmの高さにする必要があるとのこと。そうすると空間や物のスケール感をより体感することができるとしました。

また、タグで移動させる場合には撮影する際のカメラの向きの方向を合わせると、体験者がバーチャルツアーで迷うことは少なくなるとのこと。逆にカメラの向きをバラバラにして繋げてしまうと人間の脳は簡単に混乱してしまうことを説明しました。そのため、撮影ポイントとカメラの向きを記載した施設などのマップを事前に用意し、そして撮影する際にはコンパスを使って東西南北を合わせると、バーチャルツアーの制作が上手くいくと指摘しました。

さらに、バーチャルツアーのコンテンツでは、体験者に見せたい対象物に近づきすぎないようにするのも大事だと述べました。これは360度カメラの特性で、通常のカメラで撮る場合よりも一歩引いた位置で撮影した方が自然に見えるようになるからだと説明しました。そして一歩下がることに加えて、視界の中に前後の繋がりが分かるようにすると、バーチャルツアー時に空間把握がしやすくなると、コツを伝えました。例えば、タグで移動した次の場面では、その前の場面にあった物などが視界に自然と入ってくると、それが場面遷移の理解の助けになると語りました。

360度カメラでの撮影とタグの設置

座学が終わると参加者で会場の外から入り口、そして施設内部を実際に撮影しました。参加者はそれぞれ各人が持参した360度カメラで撮影。参加特典のマップとコンパスを持って撮影位置と方角を確認しながら、撮影をしていました。

渡邊課から構図について直接アドバイス

イベント会場の入り口付近を360度カメラで撮影

ワークショップの参加者には有料の「ハコスコストア」でタグ機能を使えるプレミアムアカウント3ヶ月(3万円分)がプレゼントされたので、撮影後すぐにタグの設置を行いました。そして藤井氏と渡邊課からタグを設置する方法がレクチャーされました。

まずはレイアウトシートの制作で分かりやすく

渡邊課はバーチャルツアーのタグを早く設置するためのツールとしてサムネイルを繋げたレイアウトシートを紹介。イラストレーターやパワーポイントなどに撮影した画像や動画のサムネイルをツリー状に並べて、それぞれを線で繋げたレイアウトシートを最初に作り、それを参考にしながらタグの設置をすることを薦めました。レイアウトシートを参照すると、どこまで作業が進んだかやリンクの関係性などが分かるようになると語りました。

渡邊課はハコスコでのタグ機能について、ウェブサービスなので本番環境でテストしながらタグを設置できるのが便利で、タグの位置の調整などの修正も簡単にできると指摘しました。また、セッション内ではタグの設置や場面遷移が考慮されていない事例も紹介されました。上手にタグを使った場合との違いが一目瞭然で、会場からは思わず笑い声も。自由に質問できる時間も設けられ、360度コンテンツの特性を理解した上での制作することが大切、と参加者も納得していたように感じられました。

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この記事を書いた人

  • VR修行中のライターです。VRの可能性の大きさにワクワクしています。「Mogura VR」では編集周りのお手伝いと360動画の狩人を担当しています。

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