Starbreezeは、ピクサーレベルのVR映像体験を実現するプリレンダ技術「PresenZ」で知られるVFXスタジオNozonを770ドルで買収しました。
動きに合わせて視差が変わるプリレンダ映像
Starbreezeは、ゲーム制作スタジオでもありながら、120度・5Kの広い視野角と高い解像度を持つハイエンドVRヘッドセット「Star VR」を開発しています。
同社はそのVR体験をより高品質にするため、新たにVFXスタジオNozonを買収しました。
Nozonの開発する「PresenZ」は、ポジショントラッキングを含めたリアルタイムのVRシーンを「ピクサーの水準」まで押し上げるとされる、VRのために作られたプリレンダ技術です。
OculusのVRストーリー『Henry』など、リアルタイムレンダリング(逐次描画する方式)ではハードウェアの性能によって扱えるポリゴン数が制限されます。
一方PresenZは「Interactive Parallax」という技術によって、プリレンダリング(あらかじめ描画しておく方式)でありながらポジショントラッキングの可能なリアルタイムの体験を実現。
リアルタイムレンダリングでない分、ハードウェア性能に縛られないより高品質な映像を表現することができるようになります。
VRの低コスト化にも貢献
NozonのCEO、Tristan Salome氏は、PrezenZの出来について「標準的な3D映像、VFX映像と変わらないクオリティを実現している。あとはカメラやプラグイン、動画フォーマットなどを整理する最終段階だ」と述べています。
Starbreezeはさまざまな分野にまたがってパートナーシップを結んでおり、IMAXと提携してロケーションベースのハイエンドVR体験施設などを進めています。
プリレンダ技術PresenZはハイエンドVR設備だけでなく、低性能なハードウェアでも高品質な映像が楽しめるようになります。VRの低コスト化にも貢献する可能性を秘めています。
(参考)
Road to VR / Starbreeze Acquires Nozon for $7.7 Million to Bring ‘Pixar Level’ Visual Quality to VR Film(英語)
http://www.roadtovr.com/starbreeze-wants-bring-pixar-level-quality-vr-film-newly-acquired-pre-rendering-technique/
※Mogura VRはRoad to VRとパートナーシップを結んでいます。