【レビュー】デジタルとアナログが融合した絶妙な面白さ VR×ボドゲ第2弾『モニャイの仮面』

2016年に発売されボードゲームの即売会ゲームマーケットなどでも注目を集めたボードゲーム『アニュビスの仮面』(アニュビス)。株式会社ギフトテンインダストリが制作した、世界初のVRを使ったボードゲームでVRをうまく活用した協力型のボードゲームでした。

この3月、同社の第2弾となるVRボードゲーム『モニャイの仮面』(以下、モニャイ)が発売となりました。スーパーミステリー・マガジン「ムー」が世界観のリサーチを担当した第2弾は、同様のプレイ感を維持しつつもさらに進化し、最後に正解に至ったときの気持ちよさと、多様なバリエーションが特徴の作品に仕上がっています。

本作のゲームデザイナー濱田隆史氏によると本作のこだわりは「ボードゲームらしさ」と「選べること」とのこと。

そのこだわりがプレイ感にどのように影響しているのか、Mogura VR編集部では発売直後の『モニャイの仮面』を濱田氏とプレイ。その魅力をレビューしていきます。

https://www.youtube.com/watch?v=1Mux-Qj08xo

驚くほど多くのコンポーネント

まずは外装と内容物を確認していきます。ボードゲームといえば、がっしりした箱と、たくさんのコンポーネントを思い浮かべますが、『モニャイの仮面』はまさにその通りに、前作『アニュビス』と比べると一回り大きくなった外箱と、たくさんのコンポーネントで構成されています。


外箱は深みがかった青色が基調。今回、制作協力をしている月刊ムーのロゴも入っています。

内容物

モニャイで使用するのは、仮面、陸タイル、水没タイル、そして壁や通路を示すピース、そして粘土と豊富なコンポーネントが目を引きます。

壁や通路のピースは木製で手触り感がある

VRを絶妙に活かした協力プレイ

続いて、プレイ内容を説明していきましょう。同作のプレイ人数は2~6人です。『モニャイの仮面』のプレイには、ジャイロセンサーを搭載したスマートフォンに専用アプリ(iOSAndroid)をダウンロードしておくことが必要となります。

SFとファンタジー、アナログとデジタル、ボドゲとVR

舞台は海に沈んだ海底神殿、伝説の霊獣ラパラパを見つけ出しUFOで連れ帰ろう!

神殿内部が見える『モニャイの仮面』を使って、仲間と一緒に迷路の地図を完成させ、ラパラパを救出しよう!

SFとファンタジーが融合したような不思議な世界観ですが、それはアナログなボードゲームとデジタルの最先端であるVRが融合した本作を象徴しているのかもしれません。

VRを覗くプレイヤーが話すヒントを元にマップ作成

コンポーネントの数こそ多いものの、ゲームの流れはシンプルです。

1.プレイヤーは順番に、モニャイの仮面(VRゴーグル)を覗き込みます。
2.仮面を覗くと、そこには神殿の様子(陸)が広がっておりその様子を伝えます。さらに、一度ジャンプ(実際にその場でジャンプ)することにより、海中の様子も見ることができます。
3.仮面を見ていないプレイヤーは仮面のプレイヤーのヒントを参考にマップを組み立てます。
4.仮面を順番に覗き込んで所定の回数を繰り返し、最終的にマップを完成させて、神殿のどこかにいた3体のラパラパをガイド通りに動かし1点に集めることができればクリアです。


モニャイの仮面を覗き込む。やや不安定だった前作アニュビスの「仮面」よりも作りがかなりしっかりとした。スマホもずれることなく固定されている。


情報を元にマップを組立。左奥の白い丸いマーカーが置いてあるマスがプレイヤーのいた地点だ。陸上は道やラパラパの情報が得られる一方、海中にはカラフルな「レリーフ」や隣に続く通路などもある。

仮面を覗き込んだ時の情報量が多く、初めてのプレイヤーは戸惑うかもしれません。陸の地形だけでなく、陸のどこかにはラパラパがいます。ラパラパの形状は一定ではりません、そのためラパラパの姿を記憶して、後から復元しなければなりません。

そこでコンポーネントにあった粘土の出番です。


ラパラパの足の数や形状などはすべて自動生成されます。そのため、その形を復元するために粘土を使います。


2人目のプレイヤーが仮面を覗き込んだ直後。一部チェックしきれなかった海底の壁がある。そしてラパラパの形状は1人目の見たものと違うようだ。

このゲームは、各プレイヤーがそれぞれの視点から見たマップを組み合わせて1つの全体マップを作る、ことが目的になります。そのため、レリーフの順番やラパラパの形状、道のつながり方など、各プレイヤーごとに作っていくマップに、共通性を見出し、つなげる必要があります。

そのために補助となるのが定められた法則です。


プレイヤーの手元にはルールが描かれた「法則カード」

「陸タイルに隣接するレリーフはすべて同じ」など法則に従っていくと、「こことあそこがつながるのでは?」という気づきが生まれてきます。


左と右の陸が同じではないかという推測から…


繋げてみる。矛盾は生じていないだろうか、疑いながらも確認を進めていく。

あらかじめ定めた回数覗き終わると、さらにロスタイムということで、事前に定めていた回数「覗き直し」ができます。急いで見たので自信がない場所や、つなげたら矛盾が生じる場所を確認しましょう。


完成した図


最後に答え合わせということで、音声に従ってラパラパを動かしていきます。


ラパラパが1箇所に集合すれば無事にクリアです!

面白さと注意点

マップがつながると、気持ち良い

本作の醍醐味は何と言っても、「マップを完成させていく楽しさ」にあります。複雑なジグソーパズルのピースがはまるときのように、マップとマップが繋がったときは気持ち良いものです。そして「あれやこれや」議論しながらの協力プレイにより、他にプレイヤーとその気持ちよさを共有できます。

自動生成の妙

そして、このゲームはスマートフォンを使用する珍しいアナログゲームであるがゆえに、このゲームのステージは常に自動生成されます。また、ラパラパも自動生成されるため、2度と同じステージはプレイできないほど、毎回異なるステージを楽しむことができます。最もプレイしているであろう制作者の濱田氏も「これで自分も毎回楽しめるようになった」と満足している様子。

毎回全く異なるプレイができることで、毎回新鮮な感覚でゲームを体験することができました。

選び放題の難易度

本作はアプリ側で、プレイ前に様々なパラメータを変更することができます。

・マップのサイズとラパラパの人数(小~大の3段階。ターン数)
・1度に透視できる時間( 無限~20秒の4段階)
・ロスタイムの回数(3~0回の4段階)
・ヒントカードとチャレンジカードの使用有無

ヒントカードは、毎回のステージに出現する「陸」タイルを特定することのできるカードです。そして、ユニークなのがチャレンジカード。チャレンジカードは「仮面を覗いているプレイヤーは質問にしか答えられない」、「レリーフの色を動物にたとえなければいけない」など、このゲームの肝であるコミュニケーションを様々な妨害してくるカードです。毎プレイのたびに選択しなければなりません。

この全部で5つのパラメータを調整することで、『モニャイの仮面』は初心者から上級者まで楽しむことのできるゲームに仕上がっています。

調整には注意が必要

このゲームは難易度が自由に設定できるがゆえに、プレイヤーのレベルに応じた難易度調整が難しく、少し注意が必要です。

Mogura VR編集部は前作アニュビスもプレイ済とのことで、少し難易度上げつつプレイしました。2回プレイしたときの状況は以下の通り。

1回目

・マップ大
・透視時間40秒
・ロスタイム3回
・ヒントあり、チャレンジなし

一度に見ている時間が40秒と短いため、時間内に情報を伝えきることが難しく、なんとかクリアできたという結果でした。体感としては上級です。

2回目

・マップ小
・透視時間40秒
・ロスタイム0回
・ヒントなし、チャレンジあり

チャレンジカードを使ってみよう、ということでプレイ自体を短時間で終わらせるために設定した難易度です。しかし、実際にプレイしてみるとマップは小さいものの、チャレンジカードにより翻弄され、結局手こずり、さらにロスタイムで最終確認もできないという始末。体感としては1回目と同じく上級レベルでした。

初心者の場合はかなり緩めの設定にする

慣れない状態でプレイする場合、基本的には設定はかなり甘めにした方がいいでしょう。逆にほぼ全ての設定を中~高レベルくらいまで設定すると上級者向けとなります。

プレイする際は、集まった面子に合わせて比較的緩めに設定すると適切な難易度に設定されるかもしれません。

何度も繰り返し遊べる要素も多く、また木のコンポーネントを触った時の手触り感の良さ。またラパラパの形を作るために粘土をこねる時の童心に帰ってしまう懐かしさなど、魅力が詰まっています。「カタン」、「カルカソンヌ」などボードゲームに慣れ親しんだ人にもオススメの1作です。

『モニャイの仮面』公式サイト
https://gift10industry.myshopify.com/

購入はこちら(Amazon.co.jp)から

この記事を書いた人

  • 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。
    現実を進化させることができるVRに無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。これまでに体験したVRコンテンツは展示、配信合わせて500作品以上。現在ももちろんコンテンツを体験し続けており、VR業界の情報集約と提供、コンサルティングに強みがある。また、海外の主要なVRイベントでは必ず現地に足を運び、取材やネットワーク構築を行っている。2016年は6回渡米。

    Twitter:@tyranusii

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