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ゲーム・アプリ 2017.02.08

ヘディングをしながら世界を解釈していく異色のPSVR向けゲーム『ヘディング工場』

2017年1月24日、東京・ジェムドロップ株式会社においてPlayStation®VR 専用ソフト(オンライン配信専用タイトル)『ヘディング工場』の一般発売に先駆け、メディア向け体験会が開催されました。

Mogura VRさん(@moguravr)が投稿した動画

ゲーム内容

『ヘディング工場』は大砲から撃たれたボールをヘディングして打ち返すゲームです。ボールを打ち返し、巨大歯車・扉・邪魔者などに当てることで破壊し、先に進めるようになります。

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ゲームを始めると、山のような巨大な扉が遠くに見える天空のお城。目の前には頭に大砲を乗せたチェスの駒のようなキャラクターが先へ、先へとプレイヤーを導いていきます。見回すと、チェスの駒のようなキャラクターが筆者を見ながらも意思があるように自由に振舞っています。

『ヘディング工場』は全編を通して言葉での説明がありません。ゲーム内のキャラクターは声を発しますが、人間が理解できる言葉ではありません。

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大砲をつけたキャラクターは何が目的なのか?プレイヤーをどこへ連れていき何とさせようとしているのか?なぜこの世界に人間はいるのか?謎はエンディングまでいくと解かれます。迎えるエンディングは数パターン。どのエンディングでも一度クリアすることで、違った世界観に見えるかもしれません。どう読み解くかはプレイヤー次第です。プレイヤーごとにストーリーを作り上げていくようなゲームデザインです。

物理的に頭を使うゲームとは

このゲームの特徴は、コントローラーを使わずにヘディングすることです。頭でヘディングやキャッチをするゲームはOculus Rift対応『VRリズムゲームSEIYA』(株式会社ワンドブイ)や、Oculus Rift開発者版対応『任◯堂の紅い悪魔 』 (中村竜乃介氏)などがこれまでもありました。コントローラーを使わずに頭を動かすヘディングの動作は、サッカーでもないとしない動きのため、単純な動きでもそれだけで楽しいです。

周りからみると体を前後左右に動かしているだけなので不思議なプレイ風景になりますが、プレイ中は的に当てるため必死です。実際にボールをヘディングする動きとはやや違うため練習が必要です。ボールが顔の前にくると思わず手でキャッチしようとしてしまうことも。

筆者が『ヘディング工場』を最初に体験したのは東京ゲームショウ2015でした。この当時のタイトルは『チャーリーとヘディング工場』。内容は工場の中で奥の大砲から撃ちだされる球をヘディングでお菓子の山や的に当てることで大爆発を起こしたり、床が開いたりして、高得点を競うピンボールのようなゲームでした。

ジェムドロップ株式会社代表取締役/スタジオディレクター 北尾雄一郎氏によると、東京ゲームショウ2015に展示してみて、ヘディングを使ったゲームは面白く、体験者の反響も良かったが、工場の中でヘディングするゲームではミニゲームにしかならないため、いかにヘディングをすることが自然な世界観であるゲームにするかを考えた、とのこと。

なお、ゲーム内でセリフや説明を一切しないことにも2つの狙いがある、と言います、1つは海外展開を考えて、翻訳が不要になるとのこと。また、世界観を(言葉で説明するのではなく)自由にプレイヤーに解釈してもらいたいから。エンディングが数パターンあることも繰り返し遊んでもらうためです。グラフィックを美しくして、キャラクターがちょっと不思議で可愛いデザインは、現在のVRコンテンツは男性が好むコンテンツが多いですが、女性にも興味をもってもらえる見た目にしたとのこと。(北尾氏)

世界の美しさ

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作り込まれたグラフィックは非常にきれいです。時間帯もステージによって青空に白い雲が浮かぶ明るい昼間、夕闇のグラデーションが美しい夕方。暗く不気味でも星空が美しい夜。建物の色々なところにいて気ままにふるまうキャラクターたち。突然、飛んでくる鳥のようななにか。ゲーム内の移動はゆっくりなため見回すことも。高得点を目指したり敵を倒すゲームとは違った、ゲームの楽しみ方です。

セリフが一切なく謎解き要素がある独特な世界観の『ヘディング工場』は、Gear VR対応パズル『Land’s End』(ustwo)などにも近く、雰囲気重視のゲームが好きな方にはおすすめです。(【体験レポ編】「誰もが遊べるVRゲームを」モニュメントバレーのustwoが新作『Land’s End』で試みた挑戦

公式Twitterアカウントによると近日中に一般向けの体験会を計画しているとのこと。


概要
タイトル: 『ヘディング工場』
ジャンル:ヘディングアクションゲーム
発売日:2017 年 2月17日
価格:2,200円(税抜)
対応機種:PS4® オンライン配信専用タイトル
レーティング:CERO A
企画・開発:ジェムドロップ株式会社
配信元:ジェムドロップ株式会社


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