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テック 2017.06.04

GPUなしでハイエンドVR対応へ インテルがCore i9の未来を示す

現在世界中で使用されているOculus RiftやHTC ViveといったVRヘッドセットの動作には、「VR Ready」(VR対応)と区別されるハイエンドなGPUを搭載したPCが必要です。

それに対しインテルは、最新のCore i9 CPUプロセッサが統合グラフィックスによってやがてVRの動作要件に到達すると述べています。

VRにはまだまだGPUが必要

CPUやGPUというのはコンピューターの演算装置で、特に3Dゲームなど複雑な画面表示処理をするには、グラフィックスに特化しているGPUが必要とされてきました。

一方インテルがHDグラフィックスと呼ばれる機能をを導入して以降、CPUに統合されたグラフィックス機能によって、ある程度の3DゲームはGPUを使わずに遊べるようになってきています。

例えば現在、ゲーム配信プラットフォームSteamのユーザーのうち、約16%はインテルの統合グラフィックス(CPUに内蔵したグラフィックス)によってゲームをプレイしています。

とはいえ、インテルの統合グラフィックスも日々進化し続けていますが、現行レベルのパフォーマンスでは超高性能な2000ドル(約22万円)のインテルCore i9であってもまだまだ十分とは言えません。

インテルはすでにVRを中心にそのプロセッサをブランド化していますが、VR Ready仕様を満たすために必要なグラフィックスにはまだNVIDIAやAMDのGPUを使用せざるを得ません。

しかしインテルはCPUのグラフィックス処理能力を継続的に成長させる予定であり、やがてハイエンドVRゲームに推奨されるものと同等なVR Ready要求を満たすことが期待されています。

もともとGPUはハイエンドなゲームや3Dソフトなどを使わないのであれば不要であり、その分GPUを追加しようとすると高い導入コストがハードルとなっていました。統合グラフィックスのみでVRゲームまでもが遊べるのであれば、高いGPUを購入せずに済むということになります。

やがて誰もがハイエンドVRを体験できるように

インテルのVR・ゲーム部門ゼネラルマネジャーであるFrank Soqui氏は、米メディアRoad to VRに以下のように語りました。

「統合グラフィックスは、(すでに統合グラフィックスを最低動作要件としている)Windows Mixed Realityのようなデバイスだけでなく、ハイエンドのVRをサポートします。私たちの目標は、OculusやHTCと同程度のハイエンドのコンテンツを、CPUのグラフィックスで達成することです」

これは大胆な主張です。もしCPUの統合グラフィックスがGPUの単体グラフィックスに追いつけば、両者を隔てるグラフィックス性能のギャップを埋めることができます。

Soqui氏は、具体的にいつVR Readyの統合グラフィックスが登場するかについては述べませんでした。また、現状を見ているとそこまで近い将来ではないようにも感じます。

しかしそれが達成されれば、最新のコンピューターであればゲーミングPCでなくてもハイエンドVRが動作するということになります。そうすればより多くの人が最新のVRを体験できるようになることでしょう。

(参考)
Road to VR / New $2,000 Core i9 CPU Isn’t ‘VR Ready’ on Its Own, But Intel Says Integrated Graphics Will Get There(英語)
http://www.roadtovr.com/intel-vr-ready-processor-integrated-graphics-intel-hd-core-i9-x-series/

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