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VR体験施設 2025.08.15

VTuber「ぽこピー」の正体とは……? 没入型展示「Who_Is_Pokopea_?展」を体験レポート

大人気VTuber「ぽこピー」と株式会社PARCOによる没入型展示体験『Who_Is_Pokopea_?展』が渋谷にて開催されています。開催前日の8月7日にはメディア&関係者向け体験会が行われ、今回はそこでの体験をレポートします。

本展示は、8月18日まで渋谷PARCOにて開催されます。既に渋谷分のチケットは完売しているものの、9月は仙台、10月は静岡への巡回が決定しています。その後も、各月巡回で全国各地での開催が予定されているとのことです。

今回取材を担当するのは、個人VTuberとして活動するおむらいす食堂です。開催前の事前情報は少なく、一般来場者の間でも「ネタバレ注意」が囁かれる本展示は、まだまだ謎めいた空気に包まれています。展示の核となるのは、ずばり「ぽこピー」の正体。展示では一体どのような体験ができたのか、果たして「ぽこピー」の正体は明らかになるのか……?

VTuberならではの視点も交えつつ、体験レポートをお届けします!


取材時、同時開催されたレセプションでは「きぐるみぽこピー」の2匹が!
一緒に記念撮影を撮りました。
※一般会期中、ぽこピーの来場予定はありませんのでご注意ください。

全ての始まりは「極秘調査への協力依頼」

『Who_Is_Pokopea_?展』の開催が伝えられたのは、この動画からでした。

発端となるのは、動画が公開される数週間前、ぽんぽこのXに突如として投稿された「ぽんぽことピーナッツくんの目撃情報を募集している」という旨のポストです。

動画では、調査機関WIP(Who_Is_Pokopea_?)から届いたという封筒の中身を見ていくのですが、いずれもXで寄せられた2匹の目撃情報とされる写真の数々。それらが紹介された後に『Who_Is_Pokopea_?展』の開催が発表されます。ぽんぽこ曰く、「ガン攻めな展示会」とのことで、これまで「ぽこピー展」や「ぽこピーの回覧板」などで見せてきた一面とは大きく異なるようです。

制作を手掛けるのは、釣部東京。ピーナッツくんのMVで圧倒的な世界観を描いてきた制作チームという信頼の厚さは言うまでもありません。株式会社GATARIが企画体験設計を行った本展示では、開発・運営するMixed Reality(MR)プラットフォーム「Auris(オーリス)」が使われています。「ただ“見る”だけにとどまらない、“巻き込まれる展示”」という事前情報からは、通常の展示では味わえない面白い体験が期待できます。

VTuber×MR技術の組み合わせは、これまでに音楽ライブなどで使われることはありましたが、今回は「展示」というシーンでどのような体験を生み出すのでしょうか。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000034007.html

ネタバレ注意!いざ展示会場へ潜入

大切なことなので先にお伝えしておくと、記事内にはネタバレを含みます!

完全初見で展示に臨みたいという方は、ぜひ来場後に本記事をお読み下さい。ただし、今回の取材において会場内は「撮影禁止」。一般来場者と同じく、外観以外の撮影は行えませんでした。これは取材陣泣かせ……と思いつつ、文章での感想・考察は歓迎されているようです。来場されるみなさんも、展示を観た後はぜひ「#w_i_p」でSNS投稿してみて下さい!


(引用元:ぽんぽこ公式X)

来場者は、一定の人数ごとに展示会場内へ案内されます。体験時間には制限があり、目安は25分程度。入場前には、今回の展示においてキーアイテムとなるデバイスが配布されます。「Auris」が搭載されたスマートフォンとイヤホンが1人1セット渡され、装着した状態で展示会場内を周遊します。

このイヤホンも注目ポイントです。NTTソノリティ株式会社が提供するオープンイヤー型有線耳スピ-カー「nwm WIRED(USB Type-C)」というもので、耳をふさがずにスマホからの音声を聴くことができます。会場内の音も聞こえる状態でありながら、NTT独自のPSZ(パーソナライズドサウンドゾーン)技術により周囲への音漏れが気にならないのが特長となっています。

展示エリアは、大きく2つに分かれています。前半は、「ぽこピー」と“創造者”とされる人物にまつわる調査記録。後半は、そこから明かされる2匹の“真相”に迫る内容となっています。それぞれのエリアにおける体験を簡単にまとめると、次の通りです(※ネタバレあります!)。

前半エリア

①プロファイリング

会場に入ってすぐ目に入るゾーン。開催前にXで募集された「ぽんぽことピーナッツくんの目撃情報」を含む、2匹のプロファイリングが壁一面に展示されています。装着したイヤホンからは、どこからともなくピーナツくんやぽんぽこの声が聞こえてきます。見ている展示内容によって聴こえる音声が移り変わり、まるで「ぽこピー」に監視されているような感覚に陥ります。

Aurisアプリがスマホカメラを通じて、来場者の位置や身体の動き・移動に応じた音声を流している……ということなのですが、あまりにもシームレスな音声の変化に驚くはずです。壁に掲示された展示物は文字情報も多く、思わず夢中になってしまいます。読み込んでいくうちに、耳元で囁かれる声と会場内の音の区別がつかなくなって「あれ? 今、ピーナッツくんに話しかけられた!?」なんて錯覚するほど。

②私物PC

調査機関WIPによる押収品も展示されています。まず一つが、「ぽこピー」の私物と思われるノートPCです。なんとこれ、触って操作できました。人のPCに触れるなんて日常でまずないことなので、どことなく罪悪感が押し寄せます。勇気を出してマウスに手を伸ばし、明記されたパスコードを入力すると画面ロックが解除されます。

デスクトップには「ぽこピー」に関連する名前の付いたフォルダやLINE・blenderなどのアイコンが並びます。詮索しようとフォルダをクリックすると、間もなくエラーの表示が。強制的に再起動してしまいます。結局、2匹の真相に迫れる情報はゲットならず……と肩を落とすも、罪悪感と同じくらい好奇心を刺激されている自分自身のことが恐ろしく感じられました。

③押収品

私物PCの他にも、押収品の数々が並んでいました。ビニールに包まれたそれらは、ニュースの報道シーンのような雰囲気を醸し出しています。よく見ていくと、「ぽこピー」を知っていたら納得するような物ばかりで少し安心。記載された日付は数年前に遡るものも多く、個人的に感動したのは、ぽんぽこさんの日記が書かれた手帳です。インクの滲んだ筆跡からは経過した年月が感じられ、内容もリアルです。展示のために作られた模造品ではないことが伝わってきます。聞こえる音声とも合わさり、「ぽこピー」の“存在”を肌で感じることができました。

後半エリア

前半でたっぷり匂わされた「ぽこピー」の存在を解き明かすべく、後半に続きます。ピーナッツくんから本当に進むかどうかの念押しをされつつ、エリアに足を踏み入れます。

後半エリアは、ピーナッツくんとぽんぽこ、それぞれの「正体」を明かす展示となっています。あまりにも意外な“真相”を疑うような気持ちもありながら、それらに信憑性を与える完成度の高い展示品に目を奪われます。ここでの内容は、実物を前に「見て・聴いて・体験する」ことに価値があるように思われました。あえて多くは語りませんが、会場内は隅々まで「覗き見る」ことをオススメします。

最後の最後まで見逃さないで……!

最後には、物販コーナーがあります。開催前には一切の情報がなかったグッズの数々は、展示を観終えたファンなら欲しくなってしまうものばかりです。グッズを見ようと近づいていくと、すかさずピーナッツくんの声が聞こえてきます。「しばらく物販コーナーに立ち止まっていると、展示モードを終了する」というもの。案内通りにしているとモードが切り替わり、なんと音声は物販モードに! 耳元から動画のオープニングでお馴染みのBGMが流れ、そこはかとなく漂っていた緊張感が一気に解かれます。2匹の楽しげな会話を聴きながら、そのまま展示エリアへ引き返すと、また一味違った体験ができるかもしれません。最後の最後まで、体験時間を余すことなく会場を歩き回ってみてください!

そして、展示を観終えると「入場特典」が渡されます。

入場特典があると知らされていなかった為、なんだろう? と思いながら受け取ったのは黒い小冊子とQRコードです。小冊子は、『近畿地方のある場所について』で知られるホラー作家・背筋さんが書き下ろした短編で、QRコードからは会場ごとに異なるトークが楽しめます。

いずれも、展示会場を後にした直後、まだ観たものを咀嚼しきれていない脳みそに沁みる入場特典になっています。短編は流石の完成度で、表紙をめくった瞬間に引き込まれます。オカルト要素を存分に盛り込んだ内容には、最後の最後まで「ぽこピー」の新しい一面に魅せられること間違いありません!

没入型展示体験を作り出すMRプラットフォーム

『Who_Is_Pokopea_?展』の開催にあたり、事前に公開された情報はあまり多くありません。ただ、実際に足を運んでみると、「ただ“見る”だけにとどまらない、“巻き込まれる展示”」という言葉の意味が分かる内容になっています。最初こそ新しい体験に慣れず、いつもの「ぽこピー」とは異なる世界観に戸惑うかもしれませんが、視覚と聴覚の両方から得られる展示体験にいつの間にか「没入」していることに気付かされます。

その体験を実現させているのが、「Auris」と「nwm WIRED(USB Type-C)」です。今回、この2つの組み合わせがかなり効果を発揮した展示だと感じられました。

そもそもこれらが一体何なのかと言えば、まず「Auris」は「スマホ1台ノーコードで現実に没入する未体験の感覚を生み出すことができるMixed Realityプラットフォーム」です。VRヘッドセットなどを必要とせず、身近にあるスマホやイヤホンといったデバイスでMR体験を創り出すことができます。


(引用:株式会社GATARI公式HP)
※画像はあくまでイメージで、今回の展示内容とは異なります。

ノーコードで制作可能というのが特徴の一つで、『Who_Is_Pokopea_?展』においてはエンジニアを介さずに制作されたという話を取材時に伺うことができました。それだけでも驚きですが、実際の制作画面にはさらに驚かされます。株式会社GATARIのCEO・竹下俊一さんに見せていただいたところ、Aurisの画面には複雑なコードが一切ありません。

あまりにもネタバレなので画像でお伝えできないのが心苦しいのですが、スキャンされた3次元の展示会場図に「フラグ」と呼ばれるギミックの発動範囲が配置され、来場者の位置や動きに応じた音声が流れる仕組みになっていました。数多くのギミックが盛り込まれているにもかかわらず、制作画面から複雑さを感じないのは「Auris」の強みと言えるでしょう。プログラミングの知識がなくても「ちょっとできそう」だと思える一方、今回のような没入体験の根幹を支えているのは意外でもありました。

「Auris」とともに没入体験を生み出すのが「nwm WIRED(USB Type-C)」です。先にも説明した通り、耳にかけて装着するオープンイヤー型のイヤホンで、圧迫感がないのに音声がクリアに聴こえるという不思議な感覚をもたらします。体験時、最初は音声が小さく感じられましたが、スタッフの方に音量を調整してもらったところ丁度よく聴けるようになりました。使い慣れないデバイスゆえ、もし体験に違和感を感じることがあれば、スタッフへ相談すると良さそうです。

体験前の注意事項には、「体験中はぜひ同行者との会話もお楽しみください」との記載も。聞こえてくるナレーションに耳をひそめてしまう気持ちも分かりますが、会場内の音も含めて展示を体験できるのは「nwm WIRED(USB Type-C)」ならではです。一緒に行った人と考察を共有しながら展示を観ると、新たなギミックに気付けるかもしれません……!

気になる感想や考察……SNSでの反応は?

開催後のSNSでの反応を見てみると、展示を楽しむと同時に「時間が足りない!」「情報量が多い!」という声が……そう、まさにその通り。『Who_Is_Pokopea_?展』を一度で楽しみ尽くすのは、ほぼ不可能と言って良いでしょう。

取材時に伺った話だと、会場内に盛り込まれたAurisの音声ギミックは100にも上るそう! 体験終了後にそれを知った時には、思わず膝から崩れ落ちそうでした。時間いっぱいに堪能したつもりが、ほとんどを聴き逃していたと思うと悔しさすら感じます。渋谷でのチケットは完売していますが、来月以降の全国巡回を視野に「また行きたい!」と思わざるを得ません。

またSNSでは、ネタバレに配慮した投稿が多く見られます。「#w_i_p」のタグで検索してみると、興奮をグッとこらえて感想や考察を共有する様子から「里の民(※)」のあたたかさを感じました。これから控える全国巡回を重ねる度に明らかになることは増えていきそうですが、開催後もなお「謎」に包まれた展示体験は、ファン同士の絆を深め、交流を加速させていくことでしょう。人によって異なる解釈や展示体験の共有は見ていて単純に面白いので、開催期間中に更新されていく「#w_i_p」の投稿を追うのが今後も楽しみです!

※「ぽこピー」ファンの通称。

結局、VTuber「ぽこピー」の正体って?

『Who_Is_Pokopea_?展』を振り返ると、結局のところ「ぽこピー」の正体は分かりませんでした。あくまで個人的な解釈ですが、正体が明かされないこと自体がこの展示で伝えられるべきメッセージなのではないでしょうか。VTuberというバーチャルに生きる“存在”が、確かに実在していることを証明するとともに、その正体は必ずしも明かされるものではないのです。

展示を通して目の当たりにする「ぽこピー」の“真相”は、冗談のようにも思えるほど普段のイメージとはかけ離れています。ところが、作りこまれた世界観と展示品、身を取り巻く空間と感覚によって、どこか「本当にそうなんじゃないか……?」と思えてきてしまうのが今回の展示の妙です。

活動開始から7年にも及ぶ期間の中で、VTuberとして斬新な切り口から独自のスタイルを確立してきた「ぽこピー」。2匹だからこそ実現できたとも言える展示体験には、VTuber全体に共通する「正体が気になって仕方がない」という感覚をくすぐられるとともに、「ぽこピー」の確固たるVTuberとしての姿勢を感じます。

投げかけられる「VTuberとは」の問い

VTuberが「VTuberの正体に迫る展示」へ潜入するという、ある種異例の事態(?)となった今回の取材。そもそもどんな立場で取材したらいいの!? と、困惑する気持ちもありましたが、新感覚の展示体験として純粋に楽しむことができました。一方で、展示内容から「VTuberとは」という問いを投げかけられているようで、ずっと頭の中にモヤがかかったような感覚に……私って、VTuberを名乗っても良いのだろうか? と。

度々、MoguLiveでは記事を執筆していますが、これほどまでにVTuberとして体験を伝える難しさを感じたのは初めてです。展示会場で目にした“真相”は、作り物のようでいて信憑性もあり、制作の裏側を知るほどに複雑な感情とは相反するようです。「ぽこピーって誰?」というテーマから、VTuber「ぽこピー」が貫く信念を強く感じ、自分自身がVTuberであることを見つめ直す体験取材となりました。

ここで気になるのは、展示に行かれた方はどのように捉えているのか……? ということです。やはり1度だけでは見落としている部分も多いのでしょう。まだまだ全容が掴み切れていない感覚が残っています。これから来場する方だけでなく、既に展示を体験された方でも、何度でも楽しめるのが『Who_Is_Pokopea_?展』の魅力です。

「ぽこピー」の真相の”目撃者”として、ぜひ感想・考察を聞かせてください!

「Who_Is_Pokopea_?展」開催情報

<渋谷> 日程:2025年8月8日(金)~2025年8月18日(月)
場所:[渋谷PARCO B1F GALLERYX BY PARCO]
(https://shibuya.parco.jp/shop/detail/?cd=025688)
時間:11:00〜21:00(最終入場20:30)
※最終日のみ:11:00~18:00(最終入場17:30)

<仙台> 日程:2025年9月27日(土)~2025年10月13日(月・祝)
場所:[仙台PARCO 本館6F PARCO SPACE6]
(https://sendai.parco.jp/shop/detail/?cd=026000)
時間:10:00-20:30(最終入場 20:00)
※最終日のみ:10:00~18:00(最終入場17:30)

<静岡> 日程: 2025年10月18日(土)~2025年11月3日(月・祝)
場所:静岡PARCO 3F 特設会場
(https://shizuoka.parco.jp/floor/detail/?f=3f&type=type1)
時間:平日:10:30~19:30
土日祝日:10:00~19:30(最終入場19:00)
※最終日のみ:10:00~18:00(最終入場17:30)

※巡回のチケット販売スケジュールは追って告知いたします。
※営業時間が通常と異なる場合がございます。
※やむを得ない事由で開催日程・会場等が変更になる場合がございます。

GALLERY X BY PARCO「Who_Is_Pokopea_?展」公式サイトはこちら


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