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PR 2019.03.18

学校の倉庫で繰り広げられる閉鎖空間ホラー「White Day VR: The Courage Test」

世界累計出荷本数が60万本超(DL含む)となったホラーADV「WHITE DAY ~学校という名の迷宮~」。日本でもiOSやAndroid、PlayStation 4向けに発売された同作ですが、そのスピンオフタイトルとしてVR専用の最新作が登場しました。本記事ではこのVRホラーゲームWhite Day VR:The Courge Testをご紹介します。

本作「White Day VR: The Courage Test」はVR体験施設(およびゲームセンターやVRカフェ等)向けの作品。現在は中国や韓国の複数施設で稼働中であり、一般配信は行われない予定ですが、特別にデータを提供していただいての体験となりました。

15個のアイテムを見つけて回収せよ。ただし、そこには……

舞台となるのは深夜の学校。とあるクラブの新入メンバーである主人公(プレイヤー)は、先輩の女子生徒に促される形で、昔から伝統行事として行われてきたイベント……という名の試練に挑むことになります。その内容は、学校内の閉鎖された倉庫に入り、指定された15個のアイテムを5分間の内に探し出すというもの。

“試練”の内容は簡単そうですが、倉庫内では様々な奇怪な現象に襲われるとの噂がありました。また、過去には倉庫内で不慮の死を遂げた女子生徒がおり、今も中をさまよっているとか。不安な情報を聞かされながら、主人公は先輩より渡されたメモ、懐中電灯を手に倉庫内へ足を踏み入れます。果たして、その先に何が待つのでしょうか。

ゲームは制限時間5分の内に、倉庫内に隠された15個のアイテムを探していきます。対応VR機器はHTC VIVE。左コントローラのトリガーボタンで懐中電灯を操作、そのまま本体を動かす形で腕時計を見る、トラックパッド上下でプレイヤーの移動、右コントローラのトリガーボタンで動かせるオブジェクトのチェック並びにアイテムの習得、トラックパッド下でメモを見る、といった形です。

基本的に倉庫内の移動、怪しいオブジェクトのチェック、アイテムの獲得を主に実施していく、直感的で分かりやすいものになっています。本編開始前には一連の操作を教えてくれるチュートリアルが挟まれますので、身構える必要はありません。VRゲームに初めて触るという方も安心して遊べます。

一方、ゲーム本編に安心の二文字は存在しません。深夜の学校が舞台であるだけに倉庫内は真っ暗。懐中電灯と何故かあちこちに置かれた蝋燭の火を頼りに内部を探索していくことになります。しかも、探索中には何者かがすすり泣く声、幼児の笑い声が聞こえてきたり、テレビの電源が急に付いて奇妙な映像が映し出されるといった怪奇現象が続々と起こります。

唯一、安心できることとして、いずれの怪奇現象もプレイヤーに害は与えません。前作に当たる「学校という名の迷宮」では「用務員」なる脅威が存在しましたが、本作にはダメージの概念がありませんので、何かに襲われてもやられることはありません。ですが、プレイヤーの心は様々な意味でやられてしまうでしょう。場合によっては腰を抜かした挙句……これ以上は言わないでおきます。

しかも、このような環境で隠されたアイテムを5分内に捜すことになります。当然ながら、探し出すアイテムの中には、怪奇現象と関連付くものもありますので、勇気を振り絞って進まねば、集まるものも集まっていきません。

念のため、15個のアイテムは必ずしも、全部集める必要はありません。半分以上のアイテムを獲得できれば“合格”です。逆にアイテムの数が半分以下であれば”不合格”となります。そうなると、何が起きるのか。詳しくは実際にプレイしてのお楽しみですが、大体、想像した通りの展開になります。同時に恒例行事と称されたイベントの裏に潜む真相が少し見えたりも。

時間内に隠されたアイテムを探し出すだけと、ルールは単純明快ですが、舞台が深夜の閉鎖された倉庫であるゆえの先の見えなさ、次々と襲い来る怪奇現象、そして迫りくる制限時間と合格ラインとされた設定で、スリリングな展開が楽しめるゲームにまとめられています。勇気を振り絞って目的を成し遂げるその過程は、まさに度胸試し。「The Courage Test」と称されただけにある作りです。

急ぐ気持ちを抑え込む恐怖演出と一筋縄ではいかないランダム要素

一連の怪奇現象、並びにアイテム探しはVR機器を通じて体験、実施する形になりますので、臨場感も抜群。主人公がプレイヤー本人とされた設定も、本当に閉鎖された倉庫内で度胸試しに挑んでいるという没入感を高めます。

怪奇現象に関しては、プレイヤーをビックリさせる類のものが大半を占めるため、特に初見は驚きと恐怖の連続です。ロッカーの上に置かれた彫像が急に落下してきたり、画面上部に怪しい“何か”が映り込んで引っ込んだ……と思ったら、本体が出てくるなど、古典的ながらもゾッとさせる仕掛けと演出が豊富にちりばめられています。前述したとおり、倉庫内にはなぜか大量の蝋燭があちこちに置かれているほか、奥には御札が貼られた開かずの間があるなど、まるで怪しい儀式していた場であるかのような不気味な雰囲気は圧巻。先の演出も相まって、アイテム回収の為に急ぎたくても、慎重になってゆっくり歩いてしまうもどかしさに苛まれます。

しかも、いずれの演出からアイテムの配置は全てランダム仕様。本作は5分内にアイテムを探し出すルールから明らかですが、総プレイ時間は短めです。5分内に半数以上のアイテムを集められなければ”不合格”の判定に相応しい展開になり、逆にそれ以上のアイテムを集められれば完結を迎えます。

なので、よりよい結末に向けてプレイするに当たっては、何度もこの試練に挑むことになります。しかし、前回の経験は役立ちません。ホラー演出が起こるポイント、アイテムの配置は全てリセットされるのです。前者は一部、固定された種類もあるので、発生ポイントを知れば、次回以降は発生時の衝撃が和らぎます。ですが、後者はそうもいかず。15個の内の14個全ての配置が変わってしまうので(1つはチュートリアルを兼ねる関係で位置固定)、“合格”を目指すなら、迅速な行動とオブジェクトの裏側も確かめる程の入念な探索が求められます。

無事に全て、アイテムを集めきれるか否かはプレイヤーの怖いものを恐れぬ勇気と観察力次第です。筆者は何度かプレイを重ねるにつれ、半数以上のアイテムは集められるようになっていきました。しかし、15個全てはなかなかどうして難しい。中でも小さなアイテムはクセモノで、普段、気付かないような場所に置かれていることがほとんど。ゲーム開始間もなく、目に見える所に大半のアイテムが置かれていたとしたら、最大の好機と言っても過言ではないほどです。

さらに探索の最中、以前に経験していないホラー演出に襲われることもあります。無警戒の状態でそれに襲われた時に受ける精神的ダメージたるや、探索意欲が減退して進みが鈍くなるほど。常に油断なりません。

このような短いプレイ時間と繰り返し挑む内容を活かした工夫も徹底されていて、侮りがたい遊び応えも持ち合わせています。演出全般の驚かせ方、雰囲気作りもいわゆるジャパニーズホラーのスタイルを踏襲しつつ、VR特有の見せ方にこだわった仕上がり。封印された部屋もあったりと、本当にここは倉庫なのかとツッコミたくなる部分もありますが、そういうご愛嬌な部分も含め、ストーリーの背景と設定の謎を考えたくなる面白さがあります。

全てのアイテムを見つけた末に何が……?


(よく見ると、すごい記録が……)

他に本作ではオンラインに対応したランキング機能も搭載。不合格、合格時共に閲覧できますが、ランキング入りするには15個のアイテムを全て見つけてのクリアが必須。ややハードルの高い条件が付けられています。しかし、それがまた何度も遊びたくなるリプレイ性を高めていて、15個回収してのクリアが安定するようになれば、タイムアタック系のゲームへと変貌する一面も。先の通り、ランダム仕様もあって、容易ではありませんが、腕と精神力なら誰にも負けないと自負するプレイヤーなら挑んでみる価値があります。

細かい部分でもローカライズはテキストのみならず、音声も日本語吹き替えとしたフル仕様。制限時間5分が迫ってきた時にも、日本語音声によるカウントダウンが挿入されますので、気が付いていたら終わっていたようなドキッとさせる表現もありません。逆に時間切れが迫ってくるがゆえの怖さがありますが。

1プレイ5分なので、アドベンチャーゲームのようなスケールとストーリーに期待すると、肩透かしを喰らうかもしれません。酔いに関しては移動速度遅め、プレイ時間5分の制限もあってなりにくい方ですが、棚の下や床を調べるなど、少し上下に頭を動かしながら探索する場面があります。後退移動時にも若干、違和感を覚えさせるところがあるので、念頭に入れておくといいかもしれません。

VR施設向け作品ということもあり、前作に当たる「学校という名の迷宮」よりもコンパクトな内容ですが、単純ながらもよりよい結果を求めて繰り返し遊びたくなる高いリプレイ性、臨場感と衝撃性に富んだホラー演出、雰囲気作りが光る出来。他の人に遊ばせたくなる、アトラクション的な魅力も持ち合わせていますので、そのような体験をお求めの人にはオススメです。本編の続編も発表済みのWHITEDAYシリーズ本編が、VRと共にどのような進化を遂げていくのかの可能性も感じることができますので、「学校という名の迷宮」を楽しまれた方もぜひ。

ロケーションベースのVR施設にも

本作「White Day VR:The Courage Test」は海外のVR施設で複数導入されています。1人用のライセンスまたは2人でのプレイセットで販売されており、1人はVRヘッドセット、もう1人はタブレットを使って恐怖を操作するというマルチプレイも可能とのこと。お問い合わせは[email protected]まで。