日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
ダンス経験者が1人いれば、全員でビビデバを踊れるようになれるのか?
この動画は、お子さんがいる方は「教え方」の技術として非常に参考になると思います。おめがシスターズのチャンネルに富士葵、キクノジョー、銀河アリスがやってきたこのコラボでは、30分で「ビビデバ」のダンスを覚えて踊ることができるか、というチャレンジが行われました。この中でダンス慣れしているのは銀河アリスのみ。キクノジョーのように完全な初心者もいます。ダンスの解説は難しいと思われていましたが…。
普段から視聴者の想像を遥かに超える独創的な思考を持っていて、発言ひとつひとつがユニークな銀河アリス。今回はそれが大きくプラスに作用し、ダンスの動きを全部別の例えで紹介しています。「私のかかとさんって異常に前に行きたがるよって思ってみて」の一言で、理屈ではなく感覚で全員が動きの仕組みを理解できています。
銀河アリス語録による解説で、順番、動かし方、表現ポイントがすっきりわかっていく様子は見事。おそらく視聴者も、これを聞けばすぐに覚えられます。彼女のダンスの先生としての素質がはっきり見えます。
加えて彼女が初見ですぐ踊れるようになるシーンも見どころのひとつ。かなり前から銀河アリスはダンスがうまく身体能力が高いと言われていましたが、それがよりはっきりわかる動画になっています。それでいてちゃんと彼女のユニークな発言もしっかり味わえる、銀河アリスの魅力でいっぱいの動画です。
【VRChat】 視覚と聴覚だけでブッ飛びたいならココに来な!(CANDY TRIP)
イギリス・ロンドンのレインダンス映画祭にノミネートされた日本のイベント「CANDY TRIP」の様子をトリッコが撮影、編集してまとめたものをアップしました。「CANDY TRIP」はサイケデリックトランスをパーティクルライブで彩る総合アートイベント。VRで入るとその音と空間の表現で極彩色な感覚を味わえる、バーチャルを活かした人気イベントです。
まさにこの動画のタイトルのとおり「視覚と聴覚だけ」でクラクラできる合法トリップとも言えるバーチャル体験。なかなか写真や動画では伝わらない、VRでこその快感があります。この動画ではパーティクル演出や視界ジャックなどの感覚を、派手に動画編集を入れることで伝えてくれています。なので会場はこの動画のままの光景ではありませんが、実際に行った人が見ればこの動画が見せようとしている意図はよく伝わると思います。
かなり光と音の強いイベントなので無理をしないように注意しながら、ぜひVRで「CANDY TRIP」に参加してみてください。リアルでは経験できない不思議な体験が、視覚と聴覚だけでできるはずです。
【ろこるり文学レストラン】ゲスト:壱百満天原サロメ様【にじさんじ】
栞葉るり、鏑木ろこがゲストを読んで本をおすすめする「ろこるり文学レストラン」がスタートしました。今回のゲストは壱百満天原サロメ。
ゲストが注文した「こんなものを読んでみたい」に対してふたりのシェフがそれぞれ作品をチョイス。プレゼンした上で「どちらのプレゼンがよりオーダーに合っていたか?」をジャッジしてもらうという、がっちり文学に踏み込んだ配信です。
いわゆるビブリオバトルを、あらゆる人が楽しく見られるようにしたさじ加減が絶妙です。それぞれがイラストやスライドを準備して魅力を絞ってプレゼンし、VTuberとしてのトークスキルをうまく活かしています。それに対する壱百満天原サロメの返しもユニークで、本を題材としたエンタテイメントとして高クオリティです。
また壱百満天原サロメの読書プロフィールを序盤にしているのも見どころのひとつ。彼女による本の思い出トークが適度に視聴者の読書欲を刺激してくれています。
VTuberの3人のトーク技術と知識量とキャラクター性がたっぷりと堪能できます。読書好きにはもちろん、あまり読書に興味がない人でもわくわくできるような熱のこもった配信です。
📚ゆる文学×雑談🔖① 学問としての文学ってどんなことしてるの?【古書屋敷こるの / 文学少女Vtuber】#vtuber #文学
文学って簡単に言葉としては使うけど、そもそもなんのことなんだろう?どういう学問なんだろう。文学少女VTuberの古書屋敷こるのがこのあたりを配信で、体系的にしっかりと扱いました。
文学とは何をする学問なのかを、豊富な知識を元に図示しながら丁寧に解説しています。数多くの固有名詞が話題に出てくるので具体性が高く、聴いていてピンと来る部分が多いと思います。
学問における物事の考え方などについてもわかりやすく深堀りしているので、何回かにわけて繰り返し観ても満足できるほどに、濃度が高くボリューム満点です。丁寧な口調と聴きやすい流暢なテンポ、そしてなにより文学が大好きなのが伝わってくる楽しそうな話し方など、古書屋敷こるのという文学VTuberの才能と魅力がみっちりつまっている配信です。彼女を知らない方はこの配信から入るのをおすすめします。興味が湧いたら「恋と文豪✒~ときめく近代文学のすゝめ~」などもあわせてチェックするのをおすすめします。プレゼンテーターとしての彼女の技術の高さを知ることが出来ます。
【オリジナル楽曲】うい麦畑でつかまえて/ しぐれうい
新作フィギュア、ローソンとのコラボ、スタンプ(物理)、コラボイヤホン、フルアルバム「fiction」、画集「雨を綴る」、個展開催、パシフィコ横浜でのライブと、新たな告知があまりにも多すぎて大きすぎてファンを驚かせている、活動5周年を迎えたしぐれうい。告知と一緒に発表されたのが新曲「うい麦畑でつかまえて」です。以前MVが話題になった1億回生目前の「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」はしぐれうい(9さい)の作品なので、しぐれうい本人の意図は歌詞に入っていないとのことでした。しかし、今回はしぐれうい本人の意図の入った歌です。普段の配信で、ファンと重ねてきたやりとりがたっぷり収録されている、プロレス百本ノック的作品です。
アッパーでハッピーな楽曲を作ったのは「おねがいダーリン」などで知られるナナホシ管弦楽団。ほんわかキュートな歌声で軽快に、どぎついことをびしばし言う楽曲はしぐれういキャラクターソングとして非常によくできています。
しぐれういはファンの行き過ぎ発言を、バッサバッサと切っていく痛快配信スタイルが有名です。その甘えを許さないキャラクター性をたっぷり盛り込んだこの作品、絶対にファンにデレないし愛さないという姿勢で歌う「愛をこめてI hate you」の歌詞にすべてが詰まっているように感じられます。
「言いすぎた?ごめんね もしかして効いちゃいました?」などのテクニカルな煽りがうまく再現されているので、この歌のキャラクター性が面白いと感じたらぜひ配信をどこからでもいいのでチェックしてみてください。なぜ彼女が現在個人VTuberで180万人登録突破するほど人気なのかよく分かると思います。
3分後に恋が叶う唄 / かしこまり (Official Music Video)
シンガーソングライターかしこまりがアップした新作オリジナル曲は、青春の匂いたっぷりのみずみずしい作品。「3分後に恋が叶う唄」というタイトルのとおり、MVはきっちり3分でまとまっています。最初から通して砂時計がカウントアップしており、数字を見ているとドキドキさせられます。途中に映る写真に現時点の時間を記す演出等々、こだわりポイントが多数です。
途中でスマホのカメラでかしこまりを撮り続けているかのような映像は、一緒に青春を過ごしているかのようで、終始ときめきに満ちています。
ノスタルジックな繊細な感情と、エモーショナルな熱い情動の両方の表現力が印象に残るボーカリストのかしこまり。今回の作品は特に自身の持ち味をフル活用した内容で、恋愛の心の揺れを表現しつつも、ポジティブなエネルギーに溢れています。
彼女自身の強みを活かした歌の高音パートが、曲全体を力強く盛り上げるアクセントになって、音の広がりを感じさせてくれます。どこまでも広がる空を見ているかのような、とても心地の良い3分を味わえる作品です。
初出は4月のアコースティックライブ。こちらは生ならではの柔らかい味があるのでぜひ聴いてみてください
【オリジナル曲】Hight Set – たなかきさめ
たなかきさめのオリジナル新曲は、聴くと気持ちが解放される優しい作品です。
人は雨が降るかのように心が落ち着かなく、気持ちが彷徨うこともあります。そんなときにどうすればいいか。たなかきさめは「お腹いっぱいごはんを食べよう そしたらねぇ 元気が出るから」と優しい声で歌いました。とても具体的で簡単で、受け止めやすい歌詞です。
逆境に対して、がんばれと強い言葉を使わないのがこの作品の魅力です。「簡単な事? 大事だよ! なんでもやってみよう!」と、一歩踏み出すことに意味がある、とこの作品は語ります。
憂いの表現に長けているたなかきさめが、歌声に普段よりも柔和さを持たせたことで、とても優しく聴く人を受け止める作品に仕上がっています。歌声も歌詞も、繊細に人の心を気遣っているのが伝わってくる、励ましの歌です。
【MV】Panorama Radio Station/餅田とも
VRChat内で撮影された映像は、大人の雰囲気たっぷりで気分は上々。餅田ともの新作MVは、聴いていて身体が勝手に動いてしまうような心地よいジャジーなトラックと、誰しも心当たりがありそうな現代人に刺さるリリックが魅力の作品です。アンテナを立てて情報を受け取るにしても、どれが本物かわからないこの時代「アナログダイヤル回しチューニング耳当てて」という時代に逆行するリリックが、動画の世界観とマッチして印象に残ります。
ダンサーとしてVRChat上でバリバリ活動をしている面々が集まっているのも見どころです。特にソロダンスシーンは必見。現在のVRChatではこのレベルで踊れるダンサーがいて、個人の家でのキャプチャー能力がここまできている、というのがはっきりわかる映像になっています。ある意味現実のダンスとは全く別のものとして、VRダンスの表現の面白さが見えるはずです。
「21g」もVRChatで撮影された、ダンサーとラップのコラボレーションリリックビデオです。餅田ともの思想性を持った、かつ音楽的かっこよさをしっかり追求しているラップミュージックと、日々技を磨き続けているVRChatダンサーのテクニックが味わえます。このMVのようにMCとDJとダンスとグラフィティの複合である「HIPHOP」文化は、VRChat独自のものとして進化している様子が日々見られるので、興味のある方はVRChatに足を運んでみてください。
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