日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
20250118 #久セーラー服集会 #VRChat
間牙みつきがアップしたのは、VRCで行われた「#久セーラー服集会」のアフタームービーです。クリエイター・久の作る「Grus」などのアバターは洗練されたデザインで人気が高く、それらのアバター用に制作された新作のセーラー服を着用するのがドレスコードになった集会のようです。
学校の教室のワールドで行っているため、まるで女子校を再現したかのような映像になっています。みんなのスナップショットを被写体深度をうまく使い分けながら撮影し、遠くからみんなのいる瞬間を眺めているような、ノスタルジック色強めの動画に仕上がっています。見ていると、この中にまじって青春追体験をしたいという思いも湧いてきますし、同時に離れた所から眺めてワイワイする様を味わいたい気持ちにもなる、セーラー服であることを生かしたエモ強めの動画です。
アバターや衣装を揃えた集会はVRCでは頻繁に行われています。好きなアバターが揃う相手ということは、嗜好や行動が似ている相手だということ。こだわりのあるアバター・衣装のある方は参加してみると楽しい出会いがあるかもしれません。
間牙みつきは以前、火威青のクリエイターインタビュー配信にも出演しています(1:26:40くらいから)。VRCの中で自然に暮らしている様子を見せるスタイルの間牙みつきのチャンネルの動画は、もうひとつの世界の存在を感じられる魅力的なものになっています。
推し #VRCムービーアワード #vrchat
「VRCムービーアワード2024」エントリー作品として投稿されたこちらの作品は、唯野みきのホラーチャンネルただのほらーにアップされています。名前の通りガチガチのホラー作品なので苦手な方はご注意ください。逆にホラー好きな方は、かなり本格的に作られているのでぜひご覧ください。
一人暮らしを始めた青年さとる。彼が見たのはかわいらしいVTuber(唯野みき)の配信。すっかりハマってしまい、彼女のことを推すようになります。そんな彼の家に友人のゆうきが遊びに来たのですが……。
ジャンプスケア的な要素はほぼなく、じわじわと心が侵食されていくタイプのホラー作品です。そしてVTuberがVTuberを題材に作っているからこその、真に迫るタイプの怖さがあります。段階を踏んで徐々に違和感を感じるタイプの脚本なのも見事です。
監督、脚本、撮影、音響、編集すべて唯野みき。VRCという空間を用いているからこそできる撮影ではありますが、にしても俳優以外一人で作るにはものすごく労力がかかっているのが伝わってくる、クオリティの高い作品です。
VRC ムービーアワード2024 エントリー作品 「コンティーナ・フォ・ダ・ソル」
Marukichiがアップした「VRCムービーアワード2024」投稿作品は、西欧レトロファンタジーテイストが心地よい3分弱のショートムービーです。人形のメイドさんが御主人様のお世話をする日常の様子が、丁寧な間の取り方と印象的なアングルで撮影されています。
カメラワークが非常に秀逸です。セリフは一切ないのですがカットごとに何かしら意図があるように感じられ、ついつい見入ってしまいます。構図が非常に美しく、どこのスクリーンショットを撮っても絵として飾れるほど計算されているのは、作者の持っている知識量とセンスの良さを感じさせてくれます。
内容は短いものの、前後の物語をイメージさせてくれる作りです。このあたりはVRCの衣装やオブジェクトを駆使して構成されています。
四本腕のメイドはネクタリアというアバターで、AugmentedDollsから販売されています。このような耽美性あふれるアバターが多数販売されているので、気になった方はぜひ買って着用してみてください。
Marukichiは「Vドール撮影部」の様子を記録した映像もアップしています。VRCなどのメタバースは、ドール・人形が好きな人にはうってつけの場所です。好みの衣装のドールをつくることができますし、自分がドールになることも、ドールになったフレンドをかわいがることもできます。動き回るドールたちとそれを愛でる人の姿は幻想的です。自分も人形になってみたい人、あるいは人形のようにかわいらしくなってみたい人はぜひ、VRCなどのメタバース用のアバター改変に挑戦してみてください。
VRChat映画『HUNTER』本編映像
じぇーゆーの「VRCムービーアワード2024」投稿作品は、広大な島を舞台にしたアクションSF。登場人物は3人で、なぜ少ない人数なのかは見ていけばわかります。人物たちの生活と、過去の悲劇、そして今起きていることが入り組んで、前進していく骨太のドラマです。
自然保護区で害獣駆除のハンターとして活動するサラ。唯一一緒に過ごす存在、保護区の所長エリカ。お互いを大事に過ごす日々は、幸福なように思えました。しかしサラが謎の少女に出会ってから、あることに気づいてものごとは一変します。
アバターの表情を豊かに見せるような撮影方法は、他の映画とはまた少し違うテクニックが必要です。それを撮影術で見事に駆使したことでキャラの深みを増しています。島という特殊環境とSF要素の融合で、普通であればまず組めないであろうセットも登場させており、VRC映画の良い部分をフル活用しているのもみどころです。
【ショートホラー】独白
短い中に要素をぎゅっと詰め込んだ、短いからこそ怖いホラー作品。ジカウムが「VRCムービーアワード2024」に投稿したのは、横長動画で一人の社会人女性が独白を続ける、不思議な映像です。
ホラーなので苦手な方はご注意ください。怪談やSCPネタや「世にも奇妙な物語」のような怖さが好きな人には強くおすすめします。
まだまだ新人といった面持ちの女性社員。会社の中では「見ないほうがいいもの」も出てきます。彼女は独り言で、見ないほうがいいものかどうか、ひとつずつ自らに問うていくのですが……。
うっすらと暗い社内の淀みが印象的な作品です。途中に入る男性社員たちのやり取りも、それに対する反応の苦しさも、部屋の空気の重さによって演出されています。この社内で新人女性社員だけがぼんやり明るめ、というコントラストも見事です。カメラワークも「独白」というタイトルにあわせるかのように、新人女性社員を軸にすっきりと、でも構図にこだわってまとめられているので、短い時間の中で没入できるものになっています。
Vtuberとリアルジャグラーの傘回しパッシングという珍しいが重なりすぎている映像
Vtuberとリアルジャグラーの傘回しパッシングという珍しいが重なりすぎている映像。 pic.twitter.com/XzkV6mj8Wv
— 三珠さくまる🤹すごくVtuber (@MitamaSakumaru) January 23, 2025
活動5周年を迎えた三珠さくまる。自身のXR技術をフル活用し、ジャグリングを楽しませてくれるVTuberとして有名です。今回はリアル世界での、三珠さくまるによる傘回し動画。それだけでも十分テクニックのいるものなのですが、驚かされるのは人間とのコラボレーションをしているところ。パッと見では両方現実にいてやり取りしているようにしか見えません。ここまでのクオリティでVRとリアルをミックスする映像技術も見事ですし、それをやろうという発想、自然に見せるためのジャグリング技術、ふたりの息の合わせ方、すべてがそろっているがゆえにできている動画です。
NEW juggling Effect : MAYU pic.twitter.com/PAiN1LQq1y
— 三珠さくまる🤹すごくVtuber (@MitamaSakumaru) January 16, 2025
VR上では、VRでしかできないジャグリング動画を頻繁に撮影してアップしています。リアルな物理演算を自由自在に捻じ曲げたり、エフェクトを付けて美しく演出したりと、新しいアートとして成立するだけの完成度がある映像です。こちらのVRジャグリングは現実のジャグリングとは異なる発想も用いられる、新ジャンルの表現として三珠さくまるが提唱し続けています。
【優勝賞金100万円】にじさんじ スーパーじゃんけん大会【#にじさんじ】
レオス・ヴィンセント主催、フレン・E・ルスタリオアシスタントの、にじさんじ全体を巻き込んだ「スーパーじゃんけん大会」が実施されました。
以前もにじさんじでにじ3Dを使用し、100万円がもらえるじゃんけん大会が開催されましたが、今回はよりシンプルに、そしてより大勢での大会になりました。参加者80人超。全勝したら100万円。そして全敗しても100万円。簡単ながらも心理戦が求められるイベントになっています。
試合の勝ち負け自体の白熱っぷりも楽しいのですが、今回は特に新人ライバーがものすごく多く参加しているのが見どころです。「マリオカート」などにじさんじの大きな大会は、待機画面に個性を出すのが恒例になっているのですが、ライバーの個性が画面上でズバッとわかるという、最近にじさんじを知った人がさらに深く知る大きなチャンスになっていました。先輩にあたる剣持刀也や月ノ美兎や文野環(?)などの面々が、とても真似できないセンスの待機画面を出しており、ベテランエンターテイナーの技を見せてくれています。みんな試合ごとに待機画面が変化するため、おかげで勝負以外でも最後まで目が離せない配信になっています。
抽選配信では各々が100万円の使い道を発表しているのですが、こちらも個性様々で、引越し費用のようなガチのものから、FXなどツッコミどころ満載なものまで多彩に出ており楽しませてくれました。
もこ田めめめ「歌咒金禍」MV
ほんわかまったりおもしろクリエイター、というイメージのもこ田めめめですが、最近着ているチャイナ風新衣装はかなりかっこよくセクシー。そのイメージを存分に生かしたのが今回のオリジナル新曲「歌咒金禍」です。
タイトルの「歌咒金禍」は、もこ田めめめの2ndライブのタイトルでもあります。
心も体も捧げるよう命じる教祖として、抜群の妖艶さを歌で表現してくれました。徹頭徹尾かっこよさ抜群の彼女のボーカルは、低音パートの音の響かせ方のうまさもあって、彼女の普段と違う一面を見せてくれます。
その一方で同時公開されたMV「からふる♡まーぶる」は、キュート100%の真逆に見える作品です。あたたかみもあるかわいらしい歌声は「君」に対するラブいっぱいの作品です……よね?
序盤は「君」ともこ田めめめの、愛でいっぱいの楽しい日々が感じられるドキドキな曲なのですが、中盤から不穏度がじわじわとあがっていって、ラストはドキドキの意味が変わってくるのがわかる、というスリリングな作品です。一度聴き終えてから最初から聴くと、感じ方がガラッとかわるはずです。かわいいもこ田めめめであることにはかわりないのですが、ほんのちょっとの歌いわけのニュアンスで聞く人の感情をかきむしってくれます。
「歌咒金禍」も「からふる♡まーぶる」も、ある意味同じように、もこ田めめめから離れられなくなる魅力を表現した作品として、とても秀逸です。
【歌ってみた】レイドバックジャーニー【covered by 雪ノ精くもち / のりプロ所属】
雪ノ精くもちがアップしたカバーMV「レイドバックジャーニー」は、「ゆるキャン△」が大好きで仕方ないのがとてもよくわかる歌と映像の作品になっています。目をキラキラさせて旅行にでかけ、春夏秋冬を全力で味わう雪ノ精くもちの姿がアニメーションで見られます。部屋でごろごろ足パタパタしながら、予定を考えるのも旅の楽しみのひとつ。すべてひっくるめて旅を楽しむ彼女の様子は、原作リスペクトに満ちています。
高めでちょっと幼さの残るボーカルが印象的な雪ノ精くもち。その持ち味を生かして、純粋な思いを胸に持って、目をキラキラさせて外に飛び出すような心境を、まっすぐに歌っています。彼女の歌声に一点のくもりもないからこそ、MVで動く彼女の旅の楽しさがそのまま伝わってきますし、こちらも旅をしているような気持ちすらなります。
フットワーク軽く外に飛び出し、旅Vlogをアップしている雪ノ精くもち。キャンプが大好きで、大晦日にキャンプ場から配信をしていたこともあります。配信のオープニングではキャンプしながらマシュマロを焼くアニメーションもあります。
今回の歌を聴いてから改めてこれらの動画を見ると、いかに旅を楽しんでいるのか、旅にどんな面白さがあるのかが伝わってきて、その上でより一層彼女の魅力が伝わってくるはずです。
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