日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
【ぼっち散歩Vlog】昭和レトロを感じる場所をめぐって銀座を散歩【奥野ビル】
クオリティが高くてのんびり見られるVTuberのVlogが見たい人におすすめしたいのが敷嶋てとら。今回は華やかなイメージのある銀座の、昭和レトロな部分をピックアップして散策しています。手動で扉を開け閉めするエレベーターを探したり、中銀カプセルタワービル跡地を訪れたりと、目的はコアかつ好みが一貫しており、興味をそそります。
敷嶋てとらのVlogは、聞きやすい落ち着きのある声質、滑舌の良さ、すっきりまとまっている情報解説のわかりやすさが印象的です。ハイテンションすぎず、でも楽しんでいるのが伝わる内容だからこそ、他の動画も見たくなる魅力があります。
映像も、廊下の様子やエレベーターの文字盤や古い金庫など、敷嶋てとらが見ている視点をそのまま見せてくれているため、一緒に散策しているような楽しさを味わえます。
被写体深度のこだわりや、レトロな哀愁への愛情などが感じられる動画の数々は、日本ならではの味のある光景が好きな人にはかなり刺さると思います。その他にもVRChatでの撮影や、沖縄旅行の様子、お酒関係の動画などもアップされています。敷嶋てとらのいずれかの動画に惹かれた人なら、どれを見ても面白いと感じるはずのセンスとクオリティを持ったクリエイターです。
【前編】「投げ銭させてくれ!」歌声を聞いた審査員たちが大絶賛!そして元声優の応募者に示された輝く道筋とは!?【秋風あこ】[2人目] VTuber登龍門
VTuber登龍門は、VTuberになって企業所属したいという人たちがオーディションを受ける様子を、生々しく見せてくれる動画シリーズ。元にじさんじCOOの岩永太貴や、輝夜月発案者の田中良典など、VTuberを最初期から見てきたメンツが、鋭い目線で参加者を見抜く番組です。夢を持って受かりたいと願う参加者、ビジネスとクリエイター支援目線の審査員。オーディション中の空気の緊迫感は尋常ではありません。
今回オーディションを受けている秋風あこは、オーストラリア在住で、日本で声優活動を行っていたことがあり、路上ライブ経験もあった、とポテンシャルのかたまりのような人材。とはいえ審査員の目は鋭く、徹底的に彼女が何をやりたいのか、なぜオーストラリアからVTuberをやるのか、今後どうしたいのか、VTuberをやる理由はなんなのかなどにぐいぐいと切り込んでいきます。
実際に歌の披露なども行い、彼女の持つ能力の高さは前半でよくわかるのですが、ビジネスとなると適材適所な部分はどうしてもあります、果たして受かるのかどうか、ハラハラする番組です。
このチャンネルではすでに何人かオーディションを受けており、一切妥協のない厳しい視線で毎回出演者と審査員が向き合っています。審査員側の話は筋が通っており、VTuberになる覚悟や夢についてまっすぐに聞いているものばかり。厳しいけれども、企業サポートによる表現の場の提供として、納得のできる話が多いです。今後企業のVTuberを目指してみたい人には、この緊張感も含めてかなり勉強になる動画なので、チェックしてみてください。
【視聴者参加企画】君の書いた二次創作同人小説が読みたい‼【白鳥怜奈/Vtuber/声優】
VTuberの二次創作は、本人によってOKとNGがあるのでなかなか難しいところがありますが、白鳥怜奈の企画はそれを完全クリアにしてくれるものでした。「君の書いた二次創作同人小説が読みたい‼」というタイトルで、自身をテーマにした二次創作を視聴者から実際に募集し、配信で公開するというものです。本人公認、堂々と二次創作ができます!
声優活動をしている本人が、書いた二次創作を読み上げてくれます。聞いているだけでもツッコミどころなども含めて楽しめるものになっています。しかも視聴者による投票作品と本人の選出作品は台本にした上でオリジナルシチュエーションボイス化するという、ファンにはたまらない他に類のない特典付きです。
適当に募集すると自由すぎてしまうのが、二次創作の良くも悪くも難しい所。ここの舵取りが白鳥怜奈はとてもうまい。文字数制限、作者名は匿名化、他の場所では公開しないこと、暴力や性的描写はNG、リスナー視点キャラの名前の固定化、実在の人物やキャラクターの使用はNGなど、ルールはしっかりと決めています。このルールがあったからといって、創作の幅が狭まってはいない、十分楽しめる自由なものだというのは配信を見ればわかります。
その一方で「キャラクター設定は、白鳥怜奈本人に完全に一致している必要はありません」という破格のお許し付き。二次創作の面白い本質部分はどこなのかを主催者が理解しているがゆえの発言のように感じられます。
自身の二次創作をOKとしつつちゃんとバランスを取って、視聴者の力量を信じつつ、誰も不快にならないエンターテインメントにしようという意識がしっかり伝わる楽しい配信です。
シズムリウム / 焔魔るり【Music Video】
焔魔るりの新曲は、高音パートで激しく感情を揺さぶることができる彼女の歌声をフルにいかした、ガラスのような緊迫感と美しさを誇る作品です。
Bメロからサビにかけてどんどん音が高くなっていくにも関わらず歌声はパワーを帯び続ける一方で、サビではソプラノボイスが感情を弾けさせて、ふわっと雪のように消えていく彼女ならではの表現を聞かせてくれます。
悲しみ中心のこの作品の歌詞は、全編に渡って青を基調にした焔魔るりの姿が描かれています。感情に溺れて苦しんでいくインナーな歌詞を、どこまでも深く重く沈むように表現する彼女の歌声が、サビのある瞬間に闇から光に変わるように感じられるのは魔法のようです。
オリジナル曲と歌ってみた動画ともに頻繁にMVをアップしているVSingerの焔魔るり。超高音パートの表現力はどの楽曲でも必聴ですが、同時に低音の重み、パワーが必要なパートの迫力も兼ね備えたオールマイティーなアーティストです。加えて彼女が持つ独自の世界観も、オリジナル曲はもちろんカバー曲のチョイスから感じられると思うので、是非動画欄からチェックしてみてください。
水掛け / 夕凪潮, kamome sano
個性があって聴きやすい歌声と、それにあわせて気持ちよくパタパタ動く絵本のようなテイストの動画。夕凪潮の新作オリジナル楽曲は見て聞いて、楽しくびっくりな作品になっています。
曲の構成はかなり複雑で、中盤の急展開からの転換と、ラストに向けての変化はかなりプログレッシブ。驚かされるような音の使い方とリズムと歌い方のパートも一部あります。
力強くも柔らかい歌声の個性を活かして、リズミカルに、ときに攻撃的に歌う夕凪潮のボーカルは、スッと耳と心に入って来やすい絶妙なバランスを保っています。これを絵本テイストの動画が彩って、曲全体の困惑感とポップさの両方を伝えてくれます。
このMVは「#FRENZ2024」で公開されたものとのことです。歌の迫力と心地よさ、それを映像にして世界を作った技術力、両方がマッチしたからこそ生まれた、見応え抜群のMVでした。曲が終わった後のアウトロのパートもお見逃しなく。
第3回vtuberオリキョクノウタゲ
VTuberがオリジナル曲のみで行う歌枠リレー「第3回vtuberオリキョクノウタゲ」が開催されました。歌枠をやるということは30分以上持つだけの曲数を持っているというわけで、参加のハードルは激高のはずです。にも関わらず今回10人がこのリレーに参加し、自身の数多のオリジナル曲を披露しています。参加VSingerは曇音ルカ、宇佐木そら、燕七夏、桐谷こむぎ、琴音リナ、イザナギ・エルヴァ、ろい[loy]、夜世生宵、真白ユキ、めんだこちゃん。どんなメンツなのかは、曇音ルカの紹介配信を見ると魅力がわかるようになっています。
オリジナル曲を作るのはものすごく大変で、一曲作るだけでも膨大な時間と労力とお金がかかります。だからこそ、それぞれの表現したいこと、思想、目指すものがゴリゴリにつめこまれており、ものすごく丁寧に表現されています。それを生で披露してくれるこのリレー、ひとりひとりの歌枠の「表現するんだ」という思いの濃度が、とてつもなく高いです。
じっくりとバーチャルアーティストたちの持つ音を味わってください。気に入ったら、是非チャンネルにあるMVを見てください。チャンネル登録をしてそれぞれの活動の、高い情熱を追ってみてください。
知らない人が多い場合は、プレイリストから一覧を見てチェックすることが可能です。
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