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VTuber 2024.09.09

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~9月6日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

オリジナル兵糧丸を作って風邪を引いた友達を救え!【 #個人勢 #vtuber #バーチャルYouTuber 】

とても凝った世界観と、ユニークな企画性、そして目を引く映像美が魅力のNOΔH -ノア-。魔法世界からこちらの科学世界に発信しているというチャンネルです。
今回作っているのは兵糧丸。YouTuberの作ってみたネタでたまに出てくるものですが、これをNOΔHが作ると、蒸すなど製造方法は基本的には同じのようですが、素材として科学世界にはないものが混じっています。
たとえばここで入れている「スコルピオーヴォ」などは一見現実にありそうですが存在していないもの。それを魔法世界ではどのようなものか、イラスト付きでしっかり説明しているのがこの動画のこだわりポイントです。この世界での事実として構造を徹底して作りこんでいるので、見終わったあとの情報量への満足度が非常に高いです。また解説画面のデザインや調理シーンのアイテム表現もセンスがよく、世界観にぐいぐい引き込まれます。

先に自己紹介を観ておくと、NOΔHの動画表現の面白さがより楽しめると思います。3Dモデリングの様子も配信しており、クリエイターとしての能力の高さも観ることが出来ます。
映像の作りこみで世界観をきちんと表現し、説得力をもたせる魔法世界紹介にこだわり、デザインで目を引く、創作好きなら脳が刺激される内容がたっぷりのチャンネルです。

【260km】ゐぶき、浜松から東京まで自転車出勤します。【あおぎり高校】

あおぎり高校に新しく加入した月赴ゐぶきは「ロードバイクでサイクリングしたり、アウトドアな外ロケ動画を今後出していく予定」と、外に出ることをメインにすることを宣言している珍しいタイプのVTuberです。では実際どういうことをするのか?というのを見せてくれた体当たり動画が、こちら。「浜松から東京まで自転車出勤」といきなり根性のいる内容で、活動への覚悟が見えます。

当然外ロケなので実写ですし、道中はほとんど本人が映っていないのですが、前後できちんとVTuberの姿を出しているのと、映像内での性格が一貫しているため、VTuberとしてのイメージはかなりしやすい動画としてまとまっています。その上にうっすらとメタ要素も盛り込んでエンタメ化しているのは、Vも実写もイケイケなあおぎり高校スタイルをうまく踏襲しているようです。無理はせず車でのピックアップの様子も正直に出すあたり、背伸びしておらず素を見せており、好感度も高いです。
「成長コンテンツ」と本人が言うように、アウトドアでの挑戦を次々見せてくれて、技術と体力がアップしていく様子を楽しめるとしたら、応援するのが楽しみなVTuberになりそうです。
あおぎり高校は彼女と一緒にうる虎がーる八十科むじなのふたりがデビューしていますが、それぞれゲームプログラマーだったり楽器に長けていたり上級者向けな下ネタが得意だったりと個性と才能が非常に強いユニークな面々になっています。ちなみに早速、3人コラボの尖った実写動画はアップ済みです。あおぎり高校イズム、しっかり継承されています。

【初心者向け】世界一わかりやすいVRChatの始め方【おすすめ初期設定】

VRChatは今空前の勢いで新規ユーザーが増えています。メニューに新規ユーザー向けのワールドへの導線が追加されたり、教えてくれる先輩ユーザーも数多くいる比較的恵まれた中、なでしこ大和がさらに「これを見ておけばだいぶ楽に動ける」という、初心者向けのおすすめ初期設定動画をアップしました。

一般的な使い方をする際にまず最初に抑えておきたい最低限の部分(移動方法、日本語化など)から、覚えておくと便利なもの(酔い防止対策など)、そして一歩踏み込んだかゆいところに手が届く解説(カメラの使い方など)が一通りまとまっています。
こういう内容を初心者案内で行ってくれる有志の方(ボランティアです)はたくさんいるので、それは人との出会いにもなるので是非体験してみてほしいのですが、一度見てもすぐ覚えられない場合はこの動画を確認しておくとかなり役立ちます。特にカメラ操作は高性能かつくせがあって慣れが必要なので、これを見て復習するのをおすすめします。

【雑談】手動疑似3.0お披露目【にじさんじ/矢車りね】

にじさんじの2Dアバターは2.0(大きく滑らかに動けるようになる)、3.0(表情のバリエーションが増える)と追加で進化していきます。今回矢車りねも3.0が実装された、のですが「表情筋が反抗期」だったそうでうまく動かず、でもお披露目日程を変えなかった結果、手動疑似3.0を公開する、というウルトラCを見せました。

涙や怒り顔などは停止しているとかわいらしいのですが、顔を動かすとシッチャカメッチャカになって、画面のカオス度は高まりまくります。
おそらくアクセサリ着用機能を駆使して作ったと思われる表情の差分なのですが、発想自体が斬新です。実行するために1時間半で作ってしまったという行動力もすごい。そして矢車りねのエンタメとして視聴者を楽しませる技術も詰まっています。奇才・矢車りねの魅力を知るのに最適な配信のひとつが誕生しました。

その後きちんとした3.0お披露目配信も行われています。手動も手動なりのかわいさがありましたが、こちらはかわいさMAXでリスナーも絶賛でした。小芝居はこのときもしっかりいれており、矢車劇場を堪能することが出来ます。

【逆】ほめたら何か出る配信

落語のような発想と流暢なトーク、そして配信構成が魅力の瑠璃野ねも。今回は「ほめたら何か出る」という「ほめても何も出ないよ」の逆張りをネタにした、タイトルを見ても何が起きるのか想像できない内容を、配信で行いました。何が出るというのか…?

序盤では褒めるとお中元が出たりするのでまだわかるのですが、後半になるとトンチ合戦のようになります。たとえば褒めたことで杭が出て、その杭が打たれる、という流れが自然に行われ、画像も用意されています。慣用句と演技で「出る」ものが多彩に変わっていく様は、面白さがあるだけでなく感心すらしてしまいます。
これにあわせて一致団結して「褒める」「突っ込む」「プロレスをする」の流れを作るコメント欄も見事です。コメントを信頼して行っている瑠璃野ねもと、瑠璃野ねもの返しの技術を信頼しているコメント欄のバランスがこの配信を形作りました。13分のアーカイブにこめられた濃度の高さ、ネタの多さを是非楽しんでみてください。

ネタにならなさそうなことを、別の切り口からネタとして捉えて、エンタメに仕上げる彼女。配信でも動画でも、他にやったことがある人のいなさそうなネタを、ある面では勢いで、ある面ではしっかりした組み立てで、きちんと完成させきっています。
瑠璃野ねもは2Dであることを活かして2Dでしかできないことを配信で見せてくれます。創造力次第でエンタメは作れる、というのを感じさせてくれる企画型VTuberです。

【夏MV】ただ夏日 /くじさき ‐『Skygaze』

夏の終わりに、夏を振り返るように心がきゅっとなるボーカル・ポエトリーリーディング作品を、くじさきがアップしました。「一番でかいクジラに会う」という夢を叶えるべく活動している彼女、VTuberとしての動画や配信では「生」を感じるエモーショナルな作品を多く見せてくれます。今回はその最たるもののひとつ。mode:riseのトラックに乗せて、語りかけるように「夏」の思いを畳み掛けてきます。
この言葉の数々と、情熱的なリリックが、聴いているだけで「夏」を想起させ、温度すら感じさせてくれます。キミと過ごす夏、という思いがここまでダイレクトに伝わってくるのは、視聴者から寄せられた夏の動画を映像に使っているからというのは大きいでしょう。

視聴者から集まった、あらゆる視点から感じられる「夏」が一本のMVに凝縮されています。だからこの動画は、観ている人に何かしらの角度で「夏」としてのイマジネーションが刺さるはずです。

【MV】氷の花 / 雅桜おみ-Gaoh Omi-

雅桜おみの新作オリジナル曲は、歌を聴きながらMVもじっくり観てほしい作品です。物語仕立てになっているこのMVは、真っ白な部屋から出られない少女視点と、花火職人になった少年視点のふたつから描かれます。ふたりの交錯する思いが美しくも儚い、でも確実に思いを彩るものであるのを漫画的表現で見せてくれます。

何もかも幸せになるわけではないけれども、孤独を染めてくれる思いが伝わるこの曲を、雅桜おみは語り部として丁寧に歌います。それぞれのパートでしっかりふたりの感情を歌に込めつつも、俯瞰した視線を軸に持っているため、物語として受け止めやすい歌唱表現になっています。キャラクターへの愛情あふれる優しさが全編を覆っているため、聴きながら感情移入させられるのも、歌い方がうまいからこそ。少年少女ふたりの切なく美しい関係性、是非見守ってみてください。

地獄でなぜ悪い Covered by 名取さな

名取さなの新しいカバー曲を観て、原曲ファンなら驚いたかもしれません。あまりにも名取さなの存在にぴったりすぎてキャラクターソングなんじゃないかとすら思ってしまうマッチっぷりだったからです。チョイスがあまりにも完璧なだけでなく、歌い方のテクニックで、名取さなの抱えてきた境遇が深く伝わるようなカバーMVにになっています。

名取さなは普段明るいナースとしてファンとプロレスするような元気な配信をしていますが、それはもうひとりの名取さな、病室にいる成人した女性が思い描いた「こうありたい」という姿です。
病室にいる出口のない人生を憂う名取さな。憧れが作った希望のように眩しい名取さな。これを「嘘で何か悪いか」「作り物だ世界は」という自分への激励がふたりをひとつに結びつけて、前に進んでいく様子が描かれます。このときたびたび鏡写しになる二人が出てくるのですが、表情の変化は要チェックです。
原曲の強さを大切にした名取さなの歌声は芯があって強く、明るい希望の名取さなとして曲を華やかなものにしています。動画のところどころ深読みできそうな部分も気になります。ふたりでひとつの名取さなはどう進んでいくのか、これからもしっかりと見届けたいところです。

動物好きな彼女による、ハッピーいっぱいのオリジナルソングも公開されています。アニメーションで踊りまくる名取さなは観ていてほっこりしあわせな気分になれること間違いなし。踊っている間動物たちがそっぽを向いているのも、名取さなのキャラクター性を感じさせてくれて楽しいです。

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