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VTuber 2026.04.29

【VTuberのクリエイティブ戦略】VTuberやクリエイターたちはLive2Dをどう活用してきたのか?イラストに命を吹き込む技術と表現力の進化

VTuberにおいて、切っても切り離せないアニメーションツールが「Live2D」です。2DアバターのVTuberを動かすためにはLive2Dがほぼ必須となっており、多くの大手VTuber事務所でも採用されています。その動きの表現はVTuberの実在感や親しみやすさに直結しており、クリエイターたちが試行錯誤を繰り返して様々な技術を実装してきました。

今回の記事ではLive2Dとはどのようなツールなのかをあらためて振り返りつつ、VTuberやクリエイターがLive2Dをどのように活用してきたかの事例をピックアップで紹介します。

2Dアニメーション制作ツール「Live2D」とは?

そもそもLive2Dとは、2Dイラストをパーツごとに分解し、それぞれに動きをつけることで絵を動かせるアニメーションツールのことです。VTuberだけでなく、ゲームやアニメなどの分野でも広く採用されており、公式開催のコンテストでは世界中のクリエイターによるハイクオリティーな作品が公開されています。

ただしVTuberに関しては、Live2D単体のデータだけでアバターを動かすことはできません。スマホアプリやPCソフトを介し、現実の人間の動きをカメラでキャプチャして2Dアバターに反映させる必要があります。また、Live2DでVTuberに複雑な動きをつけるためには高度な技術が必要で、専門のLive2Dモデラーもいるほど奥深い分野となっています。

現状ではAIでイラストをそのまま動かせるソフトは出てきているものの、クリエイターが意図する細かな動きを反映できるLive2Dは、現時点で代替のない独自性を持ったツールとなっています。

個人VTuberの場合、自分自身でLive2Dモデルを作るケースは決して少なくありません。例えば、分野を問わずさまざまなクリエイティブ活動をしているVTuberのヘアピンまみれさんは、Live2Dモ
デルを自分で制作した経験を動画で語っています。

一般的に2DVTuberの制作を外部クリエイターに依頼する場合、キャラクターデザインや立ち絵、Live2D設定でコスト(料金や時間)がかかります。しかしヘアピンまみれさんはイラストやLive2Dモデリングを自分自身で行っており、手探りの制作で苦労しつつも、予算0円で制作できたと明かしました。上記の動画では、Live2Dというツールがどのような仕組みなのか分かりやすく解説されているので、一度視聴することをオススメします。

Live2Dというパフォーマンスツール

基本的にVTuberの動きのために使われているLive2Dですが、長年にかけて技術が進歩していった結果、その表現力は高まっており、すでにアバターを最低限動かすのに必要な領域を越えています。現在も、視聴者を魅了できる表現について、日々研究されています。

近年大きな話題になったのが、明石繆さんのLive2Dショーケース動画です。Live2Dモデリングは限饭 氏。主に首振りや表情に使われてきたLive2Dの動きを拡張し、指や本の動き、スカートを広げる動作などを圧倒的な工数で表現しています。また、大人から子どもの頭身へとスムーズに変化する点も見どころです。明石繆さん自身の透明感のある歌声も相まって、ショーケース動画ながら、ひとつの映像作品と行っても言えるほどの完成度を誇ります。

デビューしていないVTuberの2Dモデルが大きな話題になったケースもあります。萬屋賽子の2Dモデル「賽田愛巣」は、D!CE氏と鳥朽氏がサンプルとして制作しました。注目点は瞳の中がスロットの絵柄のように回転するギミックで、カジノ風のデザインと合わさり唯一無二の表現に仕上がっています。あくまで販売・譲渡の予定のないモデルですが、デビューしてないことで逆に話題になっている印象もあり、 もしこのVTuberがデビューしたらどんな活動をするのだろうと想像を掻き立ててくれます。

上記は専門のクリエイターの事例ですが、クリエイター志向のVTuberがイラストからLive2Dモデリングまでを自ら担当する場合もあります。アバターだけにとどまらず、MVやシチュエーションイラストで利用するなど、新たな活用方法が模索されています。

例えばUniVIRTUAL所属の陽茅ほのかさんは、Live2DによるショートMVを投稿しています。マルチクリエイターとして活動しており、イラストを描き、歌を歌い、Live2Dを反映させるという、複数人で行うことの多い作業をひとりでこなしていました。元となった「プレイ」のMVの複雑な動きやデザインを自分の絵柄に落とし込んでおり、ショート動画ながら非常にこだわりを感じさせるものとなっていました。

ミリオンプロダクションの設立者であり、少女コミック「ちゃお」への漫画掲載でも話題となった甘狼このみさんは、Live2Dアニメができるまでの工程をショート動画化しています。こちらもすべての作業をひとりで行っており、完成するまでのメイキング映像を短時間に詰め込むことで、パズルが組み上がっていくような心地よさが体感できます。甘狼このみさんは多くのショート動画でイラストとLive2Dを組み合わせており、Live2Dの技術がファンサービスの幅を広げる好例となっています。

Live2Dを学ぶ場をVTuberが作るケースも

このようにVTuberの新たなパフォーマンスツールとして利用されるようになったLive2Dですが、VTuber自身がLive2Dのノウハウを教える動画を公開しているケースもあります。

乾物ひものさんは、長年にわたり数多くのVTuberのLive2Dを担当してきたクリエイターVTuberです。例えば雨海ルカさんのモデルでは体の振りまで自然なものに仕上げており、Y軸まで実装したハンドトラッキング対応の2Dアバターも制作するなど、高い技術力で注目されています。

Live2Dの使い方の解説動画も投稿されています。依頼されたVTuber雨森青葉さんのアバターの制作工程を通し、ラフ絵の段階で意識していることやパーツ分けの仕方など、制作において重要なポイントなどを細かく解説していました。

ディープブリザードさんは、イラストレーション講座を中心とした動画投稿を行っているVTuberです。Live2Dに関しても合わせて解説しており、配布している教材データを使いながらひとつひとつの工程を複数回に分けて丁寧に説明しています。他にも、イラストに関わるさまざまな話題のコラムやデバイスのレビューを動画にしており、クリエイティブな技術や考えを広く知らしめるポジションとして活躍しています。

こういった技術共有がVTuber全体のLive2D技術を底上げしており、新たなクエリエイターが参入する敷居を低くしています。近年専門分野に特化したVTuberの活躍が目覚ましいですが、Live2Dの技術に関してもVTuber自身が活躍しているのは抑えておくべき点です。

まとめ:Live2D技術の進化がVTuberの表現力に繋がる

VTuberの活動において3D化を目標としている方も多く、3Dアバターでの大型ライブの話題などと比べると注目度は低くなりがちですが、VTuberのLive2Dモデルは黎明期から格段に進化しており、表現の幅が以前よりも増しています。2Dモデルの精度やギミックが増えただけでなく、Live2Dアニメーションをショート動画やMVに採用する事例もあり、Live2DがVTuberの表現力を押し上げる重要なツールとなっていることは見逃せません。

もちろん求められる技術力は上がっており、誰もがLive2Dで簡単にハイクオリティなアバターや動画を投稿できるわけではありません。しかし、YouTubeには制作講座など自分で勉強できる場が用意されており、本人の熱意をかたちにするための道筋が示されているのは、これから様々な表現に挑戦したい人たちへの強い後押しとなってくれます。

現在進行系で、多くのクリエイターたちがVTuberに命を吹き込み続けているLive2D。今後今までになかったようなあっと驚く表現が出てくるかもしれません。


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