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メタバース 2022.04.09

【VRChat】バーチャル空間で避難訓練 防災意識を高めるワールドを体験

今年の3月から4月にかけて、東北地方を中心に大きな地震が起こり、東日本の広い範囲で停電が発生、後日には「電力需給ひっ迫警報」が発出されました。こうした事態を目の当たりにして、あらためて防災について考えている人も多いでしょう。

とはいえ、実際に大地震が起きた際にどうすればいいか、「その時」になると意外とわからなくなるもの。いざという時に慌てないためには、事前の訓練が最も効果的です。学校で行われてきた避難訓練によって「地震が起きたら机の下に隠れる」は自然にできる人も多いはず。

そんな避難訓練も、VRならばいつでも、そしてより高い没入度とともに実施できます。
VRChatワールドを多く手掛けてきたクリエイター・VR蕎麦屋タナベさんが、2020年にVRChatに公開した「VR-Hinankunren」は、大地震が来た際のシミュレーションを体験できます。今回あらためてバーチャル空間で避難訓練を体験してきました。

 ※VR体験中に地震が発生した場合は、すぐにヘッドセット本体を外して安全な場所へと避難しましょう。

「家具の転倒に気をつけて」 室内で地震を体験する

「VR-Hinankunren」は、とある部屋からスタートします。何の変哲もない、いろいろな家具が置かれた一室です。

壁には「地震発生」と書かれたスイッチが3つ。一番左端のスイッチを押してみます。

瞬間、部屋がものすごい横揺れに襲われます! 大きな家具の数々が次々に倒れていきます!

真ん中のボタンを押すと揺れが収まります。残された部屋の状態が、揺れの大きさを物語っています……

近くには、地震における死傷者についての解説文があります。大きな被害を出した阪神淡路大震災では、負傷者の約半数が「家具の転倒によるもの」……という情報は、自分のすぐ近くにある倒れ伏した家具を見れば自ずと納得できます。

ワールドの各所には、こうした地震にまつわる解説文が設置されています。くまなく読んで回ることをオススメします。

地震に襲われた街はどうなる? 屋外を探索する

玄関から外に出ることができます。そこはあたり一面にほこりが舞い上がり、あちこちが壊れた姿の街が……

夕方に発生したためかかなり薄暗いです。近くにある懐中電灯が心強く感じられます。

少し進んだ先では火災も起こっています。

さらに進んでいくと、たくさんの人々が折り重なるように倒れている光景が……多くの人が密集したことで、群衆雪崩が起きてしまったようです。

さらに別の場所では火災旋風まで発生。空高くまで届く火柱は誇張表現ではなく、火災旋風とはこのワールドで見られるレベルの規模が起こり得ます。

ワールドの中には、地震の被害を撮影した写真を表示するギミックもあります。現実では実際どのようになるか、ということが一目でわかります。

地震の恐ろしさを知り、「その時」に備える心構えを

「大地震に備えよう」とだけ言われても、人は意外と危機感を抱きにくいものです。しかし、実際に揺れに巻き込まれたり、眼前で崩壊した街並みを見ると、他人事とは思えなくなります。「VR-Hinankunren」を歩き通したあとには、様々な知識とともに、大地震がもたらす被害の恐ろしさと、備えることの大切さがその身に沁みていることでしょう。

2020年には「VR-Hinankunren」をVR蕎麦屋タナベさんたちが実際にめぐる配信も実施されています。こちらでは解説も交えながらワールドをめぐっているため、さらに理解を深めることができる内容になっています。

ワールドへのアクセスはこちら(PC接続型VRヘッドセット、または高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/xsazfk0j

(参考)VRChat


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