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Vision Pro 2025.01.12

便利すぎる!Apple Vision Proを使い回しやすくなるVOY社の「視度可変レンズ」

2025年1月、新年早々にラスベガスで開催されたCES2025では、XRに関する様々な展示があった。

今回取り上げるのは、米国のVOY社が展示していたインサートレンズだ。VOYは、Meta QuestやApple Vision Pro向けにヘッドセットのレンズに被せるように装着するレンズを製造・販売している。

このインサートレンズで注目すべきは、「度数を可変できるレンズ」という点。レンズが2枚重なった構造になっており、使用者の視力に応じて、レンズ上方のツマミを動かすと下のレンズが左右に動いて度数を調節。このレンズ1つで異なる視力の体験者に対応できる。

現状、Apple公式が提供しているZaiss純正のレンズしかり、XRデバイス向けのレンズは眼鏡と同じで体験者の視力にぴったり合わせたインサートレンズを作って使うのが一般的だ。

個人利用ならいいのだが……困ってしまうのが「誰かに体験させたい」時。

個人で持っているものを家族や友人に試させたいとき、一定程度メガネをかけたまま使えるMeta Quest 3/3Sはまだしも、Apple Vision Proはメガネをかけながら使用できない。Apple Vision Proは約60万円からと高額かつ性能がずば抜けて良いため、他の人にも見せたくなる、にも関わらず、だ。メガネユーザーは意を決してコンタクトレンズにするか、泣く泣く視力調整を諦めざるを得ない。

また、企業等の取組でApple Vision Proが使われることも増えてきたが、体験の場では視力に合わせたインサートレンズを事前に一定パターン用意している事例もある。準備しなければならないこと、装着の手間などを考えると運用上の負担はかなりのものだろう。

VOYのインサートレンズはこの状況に一石を投じ、その解決策になりうる。金額は99.99ドル(約15,800円)。度数は近眼用の「SPH: 0〜-6D」と遠近両対応の「SPH: +3D〜-3D」が用意されている。

ただ、完璧ではない点に注意が必要だ。

つまみを調整する機構は非常にアナログだ。しかも片目ずつ調整しなければらないうえに、スライダーの可動範囲はレンズの幅程度なので非常に狭く、つまみも小さい。スライダーの動き方は段階的ではないため、両目をそれぞれ「大体いい感じによく見えるところ」に合わせる手間が発生する。

また、最近ではメガネやコンタクトレンズを作る際の処方箋やアプリには記載されているので知られるようにもなってきたが、日本では「1.0」を標準とする視力で見え方を認識している人が多いため、「視度はどれくらい?」ととっさに聞かれても戸惑う人もいるかもしれない。

と、ここまで気になる点も書いてきたが、そもそもメガネNGという先ほど書いたVision Proが少しでも多くの人に共有出来るようになる、という意味の前にはあくまでも注意点でしかない。

こうしたレンズの存在が大きな解決策になることは間違いない。

日本から注文したら国際発送で出荷可能とのこと。Apple Vision Proユーザーは要チェックだ。

VOY Vision Pro用レンズ 販売サイト


(日本から1個注文した場合の送料は17.75ドルで合計117.74ドルとなった。約18,500円だ。)


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