8月から登場したスマートグラス「VITURE Pro 2 XRグラス(以下:VITURE Pro 2)」。PCやスマホ、ゲーム機とケーブルで有線接続すれば、目の前に大画面を表示できるデバイスだ。
これまでのVITUREのスマートグラスのシリーズの中では最安値の49,880円(税込)で、軽量かつ薄型であることを大きな特徴としている。映像の明るさと視度調整機能が魅力だったVITUREシリーズだが、今回のモデルでは実際のところ、どうなのか? レビューしていこう。
これまでのシリーズでは最軽量!
| 項目 | VITURE Luma | VITURE Luma Ultra | VITURE Pro 2 | VITURE Beast |
| 価格(税込) | 64,880円 | 89,880円 | 49,880円 | 82,880円 |
| 重さ | 77g | 83g | 63g | 88g |
| 視度調整(近視調整) | あり(0D〜-6.0D) | あり(0D〜-4.0D) | あり(0D〜-5.0D、左右独立) | なし |
| 解像度 | 最大1200p(片目1920×1200) | 最大1200p(片目1920×1200) | 最大1080p(片目1920×1080) | 最大1200p(片目1920×1200) |
| 視野角(FOV) | 50° | 52° | 50° | 58° |
| 最大輝度 | 1000ニト | 1500ニト | 1600ニト(体感ピーク輝度) | 1250ニト |
| 音響 | AAC System(空間オーディオ内蔵) | HARMAN AudioEFX(空間オーディオ内蔵) | AAC System(空間オーディオ内蔵) | HARMAN AudioEFX(空間オーディオ内蔵) |
| 空間トラッキング | — | 6DoF対応(別売のネックバンドが必要) | — | 3DoF内蔵 |
※数値はいずれもVITURE公式サイトの製品仕様より。空間トラッキングの「—」は公式仕様に記載なし
まずは、これまでのVITUREシリーズとスペックを比較してみよう。こうしてみると、大きな特徴といえるのは軽さだ。63gと軽量であることは、長時間の使用でもストレスになりにくいことを表している。実際、映像表示型のスマートグラス(ARグラス含む)は、自重でずり落ちてくのが地味にストレスで、特にVITUREシリーズの場合、目の上に黒縁のフレームが入り込んでくるのが煩わしい印象だった。後述するが、今回はかけ心地がとても良く、長時間つかっていてもストレスが少なかった。
また、最大輝度の高さも魅力だろう。VITUREシリーズは他企業のデバイスに比べても輝度が高く、周囲の景色が明るくても映像がハッキリと見えやすい点が特徴だったが、今回は1600ニトという体感ピーク輝度を記録している。
一方で、解像度は従来製品よりも控え目。音響に関しても、HARMAN製の空間オーディオではなく、AAC Technologies(瑞声科技)のシステムになっている。またBeastシリーズにあった3Dof機能のようなディスプレイをデバイスだけで調整する機能は追加されていない(色合いや明るさの変更のみ)。つまり、視聴体験は従来のものよりも劣るものになっているが、その分コストを押さえたグラスと言えるだろう。
軽さは正義! スマホやPCの軽作業に使いやすい
実際に装着してみると、やはり軽さが印象に残る。これまでVITUREシリーズは一通り装着感を試してきたが、この軽量感は明らかに違う。実際に長時間装着したまま、1時間半ほどの映画を視聴してみたが、装着感が気になって外すといったことがほとんど無かった。これであれば、簡単な作業であれば、PCのモニター替わりとしての使用も問題なし。普段からノートPCを使っていて首が下をずっと向いてばかりの著者のような人は、これを使って上を向きながら作業するだけでも、肩や首のこりが少し改善するのではないだろうか。また、飛行機のフライト中や長時間の電車旅行中などにも気軽にさっとかけられる重量感であることは嬉しい。
映像と音楽の視聴体験に関しては、正直フラグシップ機の「VITURE Beast」よりは感動が薄まる。映像を画面に固定する「3Dof機能(アンカーモード)」が無いため、どうしても画面が首の傾きによってブレてしまうし、解像度もそこそこなので、大迫力の映画を楽しみたいタイプの人であれば正直物足りなく感じるだろう。ただ、さくっとYouTubeの動画を見るという用途であれば、そこまで高い解像度を期待しなくても良いはずだ。ビジネス用途では、美麗な画像編集処理などにはおすすめしないが、ドキュメントやメールの返信といった文字を使ったやり取りに関しては問題ない。
さらに、VITUREシリーズの魅力と言えば、視度調整機能。左右独立で0D〜-5.0Dまでの近視補正に対応しており、中等度近視相当のユーザーであれば、コンタクトや追加レンズの購入が必要なくそのまま使える(※乱視補正などは無し)。この価格帯でこの機能を外さなかった点は個人的にポイントが高い。追加レンズを購入すると、どうしてもそのレンズの重さ分、軽量感が無くなってしまうからだ。
また、これはVITUREシリーズ全般に搭載されている機能だが、上記の小さい方のボタンを長押しすると、3Dモードを起動できる。これは、画面が2分割され、左右それぞれの両目に表示されるというものだ。そのため、平面のスクリーンでこのモードを使うと不自然な表示にしかならない。しかし、YouTubeやDMMなどで配信されているような画面2分割式の180度表示動画に適合する仕様となっており、映像を立体的に視聴可能だ。さすがに空間に没入するような映像ではなく、映像が多少立体的に見えるという程度だが、VRヘッドセット無しに気軽に180度動画を楽しみたいというユーザーであれば、一度試してみるのはアリだろう(※動画の形式によっては対応していないものもあるので注意)。
他機種と比較したうえで、最適解は?
他企業のデバイスとも比較しよう。同じ年にほぼ同じ価格帯で発売された機種としては、「XREAL xbx a01+」と「RayNeo GT」がある。価格や性能については下記の通りだ。
| 項目 | VITURE Pro 2 | XREAL xbx a01+ | RayNeo GT |
| 価格(税込) | 49,880円 | 43,980円 | 52,980円(通常価格) |
| 重さ | 63g | 62g(フロントフレーム非装着時56g) | 68g |
| 視度調整(近視調整) | あり(0D〜-5.0D、左右独立) | なし(度付きインサートレンズ対応。JUN GINZAで注文) | なし(度付きレンズ対応。Lensologyで注文) |
| 解像度 | 最大1080p(片目1920×1080) | フルHD(Micro-OLED) | 1920×1080(Micro-OLED) |
| 視野角(FOV) | 50° | 50° | 46° |
| 最大輝度 | 1600ニト(体感ピーク輝度) | 1600ニト | 1200ニト(知覚輝度) |
| リフレッシュレート | 120Hz | 最大120Hz | 最大120Hz |
| 音響 | AAC System(空間オーディオ内蔵) | 指向性スピーカー内蔵(4つのサウンドモード) | クアッドスピーカー(Bang & Olufsenチューニング、空間オーディオ対応) |
| 空間トラッキング | — | 空間スタビライゼーション(ブレ補正)。XREAL Beam Pro(別売)接続で3DoF対応 | 3DoF内蔵 |
※数値はいずれも各社公式サイトの製品情報より。「—」は公式サイトに記載なし。RayNeo GTは2026年10月7日時点でセール価格47,980円
こうして比較してみると、性能的には「XREAL xbx a01+」が明確な競合だろう。重さ、最大輝度、リフレッシュレートがほぼ同じで、価格も大きくは変わらない。強いていえば視度調整機能がある分、VITURE Pro 2の方が若干高めといったところだ。眼鏡ユーザーの方で、眼鏡なしに動画コンテンツを楽しみたいのであれば、最適解は間違いなく「VITURE Pro 2」になる。そうでない方であれば、あとはフレームのデザインの好みといった細かな要素で検討するしかない。著者はどちらのデバイスも触ってはいるが、正直どちらが良いかと聞かれても判断に迷う。できれば、両方を店頭や展示会などで装着してみて、実感を試してみてほしい。
商品ページはこちら:https://www.viture.jp/product/viture-pro-2-xr-glasses




