早稲田大学、東京都市大学、TIS株式会社、岡山理科大学、芝浦工業大学の研究グループは、バーチャル空間における三人称視点での議論が、集団意思決定に与える影響を明らかにしました。研究成果はHCI分野のトップ国際会議「CHI 2026」で、2026年4月13日に発表・公開されています。
実験は、一般から募集した48の3人組(計144人、20〜49歳)を対象に実施。三人称視点と一人称視点のどちらかで議論させ、意思決定の質やコミュニケーション行動、参加者の認識を比較しました。三人称視点は、アバターの後方斜め上に視点を設定する方式で、一人称視点は、アバターの頭部に視点を設定する方式です。2種類のトピックについてそれぞれ3人で議論し、意思決定の結果を多角的に評価しました。
実験の結果、三人称視点では一人称視点と比べて、他者の最終意見を推測できる程度が向上しました。また、グループ内の関係葛藤・課題葛藤がいずれも低下し、議論が協調的に進んだことが示されました。さらに、自己の最終意見がグループのコンセンサスと一致した程度も高く、参加者が本心から合意していたことがわかります。
一方で、三人称視点ではグループ内の感情の相互依存性が低下し、共感が落ちることも確認されました。メンタルヘルス面談やチームビルディングなど、共感や傾聴が重視される場面には適さない可能性があります。
研究グループは、対立が深刻化した局面では三人称視点を導入し、議論が停滞した局面では一人称視点に切り替える「状況適応的な視点制御」が有効と述べています。AIによるファシリテーション支援との組み合わせも今後の検討課題として挙げられています。
TIS株式会社の井出将弘氏は「俯瞰的な三人称視点での会議参加が、対立を和らげ、より円滑な合意形成を促すことを明らかにしました。多くの組織に共通する課題の解決に向けた糸口になるものです」とコメントしています。
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参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001932.000011650.html




