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VRChat 2022.12.29

【VRChat】これぞバーチャルファッションの最前線! 豪華客船で行われた特別なショーを体験

「豪華客船で、素敵なファッションショーが開催されるんですよ!」――そんな招待をいただき、12月23日の夜、私はVRヘッドセットをかぶりました。

会場はソーシャルVR「VRChat」。ファッションショーの名前は「Virtual Fashion Collection ”Voyage” 2022 Winter」。VRChat対応アバター衣装が一同に集まる、バーチャルファッションショーです。

舞台は豪華客船! ラグジュアリーな会場にテンションアゲアゲ

「Virtual Fashion Collection ”Voyage” 2022 Winter」は、VRChatにて開催。イベントの様子はTwitchにて配信されました。筆者は今回、VRChatの現地会場にて観覧しました。

舞台となるのは豪華客船。入口となるラウンジからすでにラグジュアリーな雰囲気です。奥の階段を上ると、豪華客船へ通じる連絡通路へと進みます。

その道中で一枚の招待状が目の前に現れました! 自分の名前が記された招待状を受け取って乗船するという、VIP待遇感のある演出。初手から心をわしづかみにしてきます。


連絡通路を抜ければ、そこはランウェイが輝くメイン会場。レッドカーペットとライトアップされたステージの対比が美しいです。


会場の一角には、ラグジュアリー感あふれるゲスト用のスペースもありました。キュートなデザインのケーキに、ゲスト一同もメロメロ。ホールケーキには先ほどの招待状が置かれている、うれしくなる仕掛けも。

ドットエスティショップも出店。オリジナルアバターの「枡花 蒼」「一色 晴」が展示されていました。

会場からして気合の入り方が段違い。開演前からゲストのテンションが上がりまくっている様子でした。そして、「豪華客船のファッションショー」というイベントに合わせてか、ファッショナブルなアバターを使うゲストが多くいたのが印象的です。平服で赴いた筆者は内心冷や汗をかいていたとか。

魅力的なファッションが、輝くランウェイを歩く

いよいよファッションショーがスタート! まず最初は、「VRChat」を中心に歌い手として活動しているELfαさんと、モーションアクターチーム「カソウ舞踏団」のyoikamiさんとkouaさんによるオープニングアクトです。


きらびやかな演出。ELfαさんのキュートな歌声。yoikamiさんとkouaさんの華麗なダンス。いきなりクライマックスかと思わされる見事なパフォーマンスを披露してくれました。ちなみに、3名の衣装はラケシアさんによるワンオフ衣装です。

ここからが本番。第一線で活躍するクリエイターたちが送り出す、ハイクオリティなファッションの数々が、ランウェイを歩きます。ランウェイを歩くアバターは、各方面で活躍するアクターたちがリアルタイムで演じるのが最大の特徴です。


トップバッターは「OGRE」。眉目秀麗な男性アバターを彩る、高品質なメンズアイテムが登場しました。布地まで美しいメンズスーツのシルエットに、思わず息を呑みます。こういう服が似合う人になりたい。


Dimgray」より、ワイルドなシルエットが目を引くメンズ向けコスチュームが登場。ファンタジーでオリエンタルな、野性味あふれるシルエットと動きに、会場からは黄色い歓声が上がりました。


Vagrant」から新作のドレスと、リニューアル予定の衣装が登場しました。艶やかながら影のあるロング丈のドレスと、キュートさを感じるオフショルダーセーターとジーンズと、対照的なアイテム。服を選ぶ楽しさを見せてくれます。


ドットエスティのアバター、可憐で好奇心旺盛な「枡花 蒼」と、クールで面倒見の良い「一色 晴」と、真逆な性格の2人。その違いがアクターの動きから伝わってきました。


Saki#」から、12月に登場したばかりのアバター「ユギ」「ミヨ」をお披露目。対照的な雰囲気を持つ、双子のシャム猫の女の子です。「冬の遊園地に遊びに行くためのおしゃれ」として制作中の衣装も登場し、いま注目の新作アバターの魅力が全速力で駆けていきました。



Ene_Collection」の3つのアイテムも登場。胸元のベルトがギャップを醸し出すメイド服に、女性らしさが際立つセクシーなミニドレス、オーバーサイズなジャケットとアクセサリーの金属が目を引くコーデと、バラエティに富んだラインナップです。



Add+Re:collection」によるフルスロットルなかわいさであふれた、クリスマスドレスとコンカフェメイド服、新作の冬服がランウェイを歩きました。あざとさもセクシーさも感じるかわいさ全開な服、一度は着てみたくなるものです……!


最後は、本イベント主催・ゆいぴさんのブランド「Melty Lily」が登場しました。ランウェイを歩いたのは秋服と、このあと発売予定の冬服。女性らしさを見せながらも、着せ方次第でかわいらしさやシックな雰囲気も表現できるトータルコーデとなっていました。


全ショップ紹介後、各衣装やアバターがランウェイをもう一度歩きます。2人1組だったり、3人が絶えず歩いたり、見せ方が変化しています。


アクターたちも動きを変え、また別のアングルから魅力を表現してくれました。

1時間ほどのファッションショーは無事終了。20名を超えるであろうチームは、ディレクション、撮影、ワールド制作、アクター、パフォーマー、アドバイザー、ショップオーナーと多岐にわたります。そしていずれも、各領域の第一線で活躍する人たちです。これほど強力な布陣で作られるユーザー主導イベントは、なかなか見られるものではありません。

主催のゆいぴさんは、このファッションショーを作り上げたチームに感謝の意を示し、「Virtual Fashion Collection ”Voyage”」の今後定期開催を予告。このイベントを「バーチャルファッションに興味を持ち、おしゃれを楽しんでもらうきっかけ」となるように育てていくと同時に、「VRChat」の世界にいる数え切れないほどのクリエイターを多くの人に知ってもらえる場にしていきたいと、意気込みを語りました。

バーチャルファッションの最前線がここにあり

ハイクオリティな会場、手練の撮影スタッフ、アバターと衣装の魅力を引き出すアクター、そしてアバターと衣装を作り出したクリエイター……あらゆる要素が、これまで見たことないほどに高次元にまとまった、素晴らしいイベントでした。

「VRChat」におけるアバターと衣装は、人が「着る」ことを最後に目指しているものがほとんどです。だからこそ、その魅力を最も感じる瞬間は「着ている」人を見る時です。「Virtual Fashion Collection ”Voyage” 2022 Winter」は、アクターが「ラグジュアリーなランウェイ」という特別な場を歩くことで、アバターと衣装の魅力がこれ以上となく伝わるひとときとなっていました。

また、ゆいぴさんが「現実のファッションに携わる人や企業にも、性別・年齢なども乗り越え、夢を叶えられるバーチャルファッションの可能性を伝えていきたい」と語っていたのが印象的です。筆者自身も、様々な性別や年齢、果ては非人間のアバターを購入し、自分好みにアレンジして使っていますが、「どんなものにでもなれる」自由さは、VRメタバースに宿る最大の魅力の一つなのです。

そして現に、本イベントでは日産自動車などのVRChat進出を手掛けた株式会社往来に加え、リアルアパレルに加えメタバースファッションにも参入したドットエスティも協力しています。「バーチャルファッションの可能性」は、いまたしかに発信されつつあると言えるでしょう。誇張抜きに、バーチャルファッションの最前線がここにあります!


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