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イベント情報 2015.09.29

【体験レポ】”VRで手を動かす”楽しさ。Oculus Touch全11種類のデモを一挙紹介

9月23日から25日まで開催されたOculus Connect 2で最も注目されたデバイスはOculus Touchです。このTouchを使うとVR内に自分の手があるような感覚で物を掴んだり、色々なことができるデバイスです。

このTouchで遊べるものは、もともと発表されていたToyboxと呼ばれるコンテンツに加え、24日の基調講演でOculus社以外のサードパーティによるコンテンツの紹介があり、8点のデモ及びノンゲームのMediumの体験が可能になりました。

紹介動画では今回体験した以外にもTouchで遊べるコンテンツが用意されていることが分かります。

この記事では全デモの内容を簡単に紹介しレビューします。また、現地でデモを体験した日本人のVR開発者数名にアンケートを実施したところ、最も人気だったのは『Toybox』、『Medium』、『Bullet Train』で他のコンテンツに圧倒的な差をつけました。アンケート時のコメントも合わせて紹介します。

Toybox

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Oculusがデモ用に制作した最初のOculus Touch専用のマルチプレイヤーコンテンツ。2人のプレイヤーが同時に接続し、おもちゃ箱をひっくり返したような空間でブロックで遊んだり、パチンコやラジコンなど色々なおもちゃで遊ぶことができます。VRの中で現実の手を使って遊ぶ楽しさを体験できるだけでなく、お互い(のアバター)を見ながら3Dサウンドの効いたボイスチャットでコミュニケーションをとると、一緒に遊んでいる感覚になり、さらに楽しさが倍増します。始めて知り合ったはずなのに、数分もすれば無邪気に仲良く遊んでいること間違いなし。VRでソーシャル性が実現することによるさらなる楽しさの可能性を体験できます。

参加者コメント

・説明なしで遊べる。光線銃もラジコンもブーメランも全部楽しい。できそうと思ったことが全部できる。夢中で遊んでるだけで相手とすぐに仲良くなれる。これはバンドルしてほしい。

・初対面の人と実際の対面より、ずっと仲良くなれて、楽しく一緒に遊べるところ。同じ物にお互いに触って動かせるのは、何も意識してなかったけど、すごく同じ場所にいるということを実感させてくれてた。誰かと一緒に何かするって楽しい!!ってことが抽出されて、思い出して、子どもに戻る感じがします。

・オンラインでコミュニケーションを取りながら共同作業をする可能性を見せてくれたコンテンツ。アバターを通して相手の人の顔は見えないが、声と動きで現実世界でやり取りをしている感じにさせられる。VRと現実の境界線が無くなる可能性が見えた。

Toyboxのレポート記事はこちら
体験した人が口をそろえて『スゴい』と言う、Oculus Touchで楽しむ、これまでにないVR体験とは?

Medium

https://www.youtube.com/watch?v=IreEK-abHio
※動画は公開期間が終了し、現在は削除されています。

Oculusが制作したOculus Touch専用のVR造形(スカルプティング)ツール。こちらもマルチプレイヤーに対応しています。Touchに付属したボタンをパレットの用に使いながら、型を作る、色を塗るといった具合に左手のTouchのアナログスティックを使ってアクションメニューを開いた後に、右手の道具でメニューを突っついて決定します。そして右手のTouchを使ってそれを実際に目の前の空間で実行していきます。球体や立方体といった基本の形を出現させたら、それを削ったり、スプレーを吹きかけたり、アナログスティックとボタンを使うことで、造形に必要な様々なアクションを可能にしています。

慣れるまでは5分ほど、慣れれば自由に自分の作りたい形を作ることが出来ます。初めての人でも簡単に使いこなせてしまうUI設計とVR内で好きなように物を作る楽しさのデザインが秀逸です。

参加者コメント

・実はかなりの人が最初に思いついたであろう「粘土の様にVR空間で物が作れたらいいな」と言うことを実現していて、ゲームではないジャンルの可能性を具体的な形で体感できたのが良かったです。それと何もない空間に物を作っていくと言う感覚は今までのコンテンツとは違った面白さがあり、ゲーム好きな人以外に対してのアプローチが出来ると思えたました。UIなどはシンプルで直感的だしストレスを感じなく操作できるところも素晴らしいと思います。

・非デザイナーでもスカルプティングできる。3分で慣れるUIが素晴らしい。複数人で空間共有できたらこれも仲良くなりそう。これが真のキラータイトルだと思う

・粘土みたいに自由に物がつくれるのに、Undoができることに感動しました。デジタルがアナログの良いところを全部包含した上で、便利になってて、今までのモニター上でできることって、これのための過渡期でしかなかったんじゃ、とまで思える。

Mediumのレポート記事はこちら
【体験レポ】Oculus Touchを使い、手を動かして作る粘土作品。直感的なVR造形ツール『Medium』

Bullet Train

Epic Gamesが開発したデモ。市街戦を体験できるShowdownデモを開発したチームが手がけています。プレイヤーは、電車の駅のホームで激しい銃撃戦を繰り広げることになります。銃を手にとってリロードして撃つというまさにその動きで遊ぶことが出来ます。酔いにつながりやすい移動を歩きではなくテレポートにするといった工夫も。ショットガンをリロードする際に、『ターミネーター』のサラ・コナーのように縦方向にショットガンを振ってリロードできるといった小ネタもあります。敵の弾丸はプレイヤーの近くでは、いわゆるバレットタイムが発動し超スローモーションで近づいてくるためつまんで、投げ返すことも可能。このゲームで体験できる近未来的な銃撃戦はFPS好きのゲーマーでなくても、誰でも楽しめる一作です。筆者イチオシ。

実況動画はこちら

Bullet Trainのレポート記事はこちら
【体験レポ】Oculus Touchで体験したこれまでで最も楽しい銃撃戦。VRFPS『Bullet Train』

参加者コメント

・銃を取る、狙う、撃つ。これらのことが現実感のある形で体感できる。今までのFPSゲームなどとは明らかに違った感覚。ゲームとしての質が確実に上がったと感じれた。他にも手でミサイルを掴んで投げ返すなんてのは、まさに映画の主人公のような体験!

・touchとガンシューの相性が良すぎ。全くストレスなくガンシューできる。ショットガンのコッキングが楽しい。ミサイル投げ返したり、サラコナーリロードができるなんて素晴らしい!

Nimbus Knights

https://www.youtube.com/watch?v=OeG72jLkYNc
※動画は公開期間が終了し、現在は削除されています。

ユーモア満点のジオラマ的な陣取り合戦ゲームです。空に島がいくつか浮いており、味方と敵の島に分かれています。味方の島に次々出現する騎士たちを、ちりとりのような木のイカダに乗せて敵の島に送り込んで、敵を倒し島を制圧していきますす。HTC Vive向けにも開発が進められていますが、Oculus Touchでも体験できるようになりました。
プレイヤーもステージ上にある木の枝を指にはめることで参戦可能。手で板を掴み、騎士たちを板で掬うという非常にシュールな動作には思わずくすっと笑ってしまいます。

Job Simulator

単純労働は全てロボットが行うようになった遠い未来。かつて人間がやっていた単純労働を人間であるプレイヤーがやってみようというゲーム。HTC Vive向けにも開発が進められていますが、Oculus Touchに対応しました。

これまでレストランの厨房やコンビニなどが舞台となってきましたが今回のデモは、オフィスが舞台。コーヒーをカップに入れて飲んだり、パソコンを起動してマウスで操作(!!)して写真を印刷するといった動きを、全て実際に手を動かしながら行います。真面目なゲームのようで、オフィスに置いてある様々なものをどう使うかは自由。同僚のロボットに紙飛行機を投げつけたり、机にクリームを塗りたくったり、自分の顔をコピー機に押し当ててコピーすると脳みそが出てきたりと、おふざけ要素満点のゲームです。ああ、仕事ってこんなに楽しかったのか!

参加者コメント

・ユーモラスなミッションの裏に、様々なノウハウが隠れています。その違和感のなさに感心します

Surgeon Simulator

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PC、iPadなど向けにも発売され、話題となったゲームのOculus Touch対応版。動画はPC版です。
プレイヤーは医者になって、エイリアンの患者の手術を行い、制限時間内に臓器の摘出がをしなければなりません。既に目の前で腹を切り開かれて横たわっている患者と刻一刻と時を減らしていく時計。エイリアンの内臓は人間とにても似つかず、仕組みなど分かりません…。そして手術用具を置いてある台を見てみると…。トンカチやのこぎり、電動カッターなど、明らかに手術に使ったらヤバそうなものがたくさん置いてあります。自分の好きな道具を手にとって手術を行うのですが、ついつい遊びたくなるのが人の性。色々な道具で、求められていない箇所も切り刻んでしまったりします。宇宙が舞台なので途中から無重力にもなってもう大変。Job Simulatorと同様、かなりカオスな展開になること間違いなし。手で道具を掴む判定が若干甘かったのはマイナス要素。

参加者コメント

・単純だけど、無重力空間なのでアイテムを左手から右手に持ち替える動作などがやりやすくストレスを感じなく楽しめた。いろんなパーツを触れるのでToyboxのような「触って遊ぶ」と言うことがシンプルで楽しめました。手のトラッキングがずれるのがあったので、それが起こると没入感が削がれてるので少しザンネン。全体的にはバカバカしい内容でニコニコしながら楽しめました。複数人で一緒に遊べたら楽しそう。

Dead & Buried

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西部劇のガンマンになって、固定視点で周囲に現れる木の板のターゲットを撃ちぬいていく射的ゲームです。リロードするときは、手に持った回転拳銃を左に倒してホルスターを開き、右に倒し直してカチャッと弾を装填するのは本物の回転拳銃っぽく、雰囲気が盛り上がります。射的屋のように多数のギミックを所狭しと配置しているからか、遠くの建物のグラフィックが荒くなってしまっているのでは残念でした。

参加者コメント

・射的ゲーム。2丁リボルバー拳銃で次々現れる的を撃つだけだが、手首のスナップでリロード出来るのが楽しい。

Final Approach

同名のiPhone向けゲームのOculus Touch対応版。動画はHTC Vive版です。管制塔の航空管制官のように着陸する飛行機を誘導するゲーム。

プレイヤーは、ジオラマのような空港がある島を見下ろしています。滑走路に着陸しようとする飛行機を指でつっつき、無事に着陸できるようにルートを描いて誘導していきます。飛行機は急旋回できないので、ゆっくりと円を描くように降下させなければなりません。慣れるまでは少し難しいゲームでした。

I expect you to die

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同名のOculus RIft DK2向けゲームをTouchに対応させた脱出ゲーム。動画はDK2版です。プレイヤーは敵の研究施設に潜入したエージェント。逃げ込んだ車で脱出しようとするが…。車の運転席に座っているシーンからスタートします。とにかく車の中を探し、脱出のためのアイテムを探しましょう。Touchに対応したことで車内を探す仕草が極めて自然になりました。このゲームはTouchのためのゲームといっても過言ではないかもしれません。脱出までの難易度はかなり高めですが、車内の色々な場所を探せるため、とにかく色んな物を掴んで楽しめるデザインになっています。

Moonstrike

ジオラマ系の陣取りリアルタイムストラテジー。宇宙空間に浮かぶ衛星には戦力が割り振られており、敵の衛星を奪取するために、味方の衛星の戦力を合計して敵の衛星の戦力を上回るように、どのように戦力を配分するかを考えながら星を取っていきます。ミニチュアのように宇宙空間を移動する戦闘機や戦艦がかわいらしい。ゲーム性としてはかなり頭を使う戦略ゲームですが、Touchコントローラーは手で持っている輪っかを使って星を指定するためにしか使いません。実際に星や味方部隊を触れるわけではないので、やや物足りない印象を受けました。

参加者コメント

・宇宙空間RTS。リソースの選択とターゲットの選択が直感的で、もっと複雑な操作にする余地があり、可能性を感じました。

Pulsar Alina

Vanguard Vなど開発しているZerotransformが開発したリズムゲーム。曲に合わせて表示されるクリスタルのような物体を触って消していきます。消せるのは、曲のリズムに合わせることが出来た時のみ。自然と自分の身体の動きが曲にあったものになってきます。


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