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話題 2020.04.15

東京大学が「全講義リモート」授業 VTuberイトッポイドが初回講師

4月8日(水)に行われた東京大学のリモート授業「技術とコンテンツ」にて、VTuber(バーチャルユーチューバー)のイトッポイドさんが講師として登壇しました。

本授業では、7月までの全13回の講義全てがオンライン会議サービス「Zoom」で遠隔開催されます。映像、メディア、CG、建築設計など、さまざまな分野で活躍する方々からオムニバス形式で話を聞くというもの。今回は鳴海拓志准教授(情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)が担当する講義枠の中で、イトッポイドさんが初のリモート授業のゲスト講師として参加しました。

講義では「アバター×ビジネス」をテーマに、ビジネスの現場におけるキャラクターモデルの活用事例とその分析について紹介したとのこと。講義は受講生限定のため授業の様子は公開されていませんが、イトッポイドさんの要望で、Twitterハッシュタグ「#技術とコンテンツ」で授業の一部のスクリーンショットや感想が投稿されています。

以降の講義でも『東京トイボックス』の漫画家うめ氏など、様々な講師を予定。講義後、鳴海准教授より下記のコメントを頂きました。

ー今回の講義内容の感想や、生徒の反応を見ての手応えをお聞かせください。

4月から全面的にオンライン講義に移行して講師側も受講側もまだ手探り状態の中で、今回のアバタを使った講義はチャレンジングながらも良いスタートを切れたと感じています。遠隔で映像を配信するだけの講義では講師も受講生もお互い雰囲気がつかめず進行が難しくなりがちですが、アバタが見えることで講師の状態が伝わります。これで少なくとも受講生は講師の状態を理解できるようになり、集中を継続しやすくなる効果も生まれるなと感じました。今回の講義内容にもありましたが、アバタの見た目を設計することで話の聴いてもらいやすさや話題の受け入れやすさも変わります。そういった現実の講義では難しいような効果を使って、教室で受けるよりも効果的な授業ができるということにも期待が高まりました。

ー今後、今回のような遠隔・バーチャル環境でチャレンジしたい試みはありますか?

今回はTwitterと連携して受講生のリアクションを見ることができましたが、まだまだ通常のオンライン講義では受講生の雰囲気を見ながら講義をすることが難しい状態です。講師-受講生間のインタラクションを実際に教室で起こっているレベル、もしくはそれを超えて起こせるようなチャレンジができないかと考えています。あとはVRChatやClusterのようなソーシャルVRサービス上を使って、インタラクティブな講義・体験型の講義をやりたいですね。東大VR教育研究センターと協力して、この講義や他の講義でもVRの中での授業をやってみようと計画を進めています。現状では、まずは受講生を巻き込んでみんなで議論する、大規模な大喜利のようなものからスタートすることになるかもしれません.実験・実習の実施に強い制約がかかっているのでその一部をVRで代替したり、たとえば講師が過去におこなったイベントをVRで追体験したり、バーチャルだからこそできることにチャレンジしていきたいです。

(参考)東京大学「技術とコンテンツ」シラバス
http://www.cyber.t.u-tokyo.ac.jp/lecture/tech_con2020.html


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