2月11日(木)~3月11日(木)の1ヶ月間、演劇プロジェクト「シアターコモンズ’21」が開催されます。新作5点、VR作品4点をはじめ、ツアーやレクチャー、セラピーパフォーマンス等を、リアル空間とバーチャル空間で展開する予定です。
5回目となる今回のテーマは、「Bodies in Incubation – 孵化/潜伏するからだ」。チケットは現在発売中です。以下、期間中に上映されるVR/AR関連の作品をピックアップして紹介します。
台湾の巨匠ツァイ・ミンリャンのVR映画、日本初演!
台湾を代表する巨匠映画監督ツァイ・ミンリャンの手がけたVR 映画「家在蘭若寺」が登場。ヴェネチア国際映画祭のVR部門で発表され絶賛された話題作です。観客はVRヘッドセットVive Proを使用して鑑賞します。
作品紹介
舞台は森の中の廃墟。リー・カンション演じる主人公は、謎の病におかされ、無気力にその治療にいそしんでいる。食事も受け付けず、風呂の中で飼っている一匹の魚にしか心を開くことができない彼の周りに、時々現れる女たち。映画は終始無言のまま、この奇妙な家や、森の中に息づく生命、霊、自然の気配を映し出していく。そしてある嵐の瞬間を境に、物語は突然動き出す…。
中村佑子氏による初のAR映像作品「サスペンデッド」
これまで「あえかなる部屋内藤礼と、光たち」「マザリング現代の母なる場所」などを発表してきた映画監督・作家の中村佑子氏が「病の親を持つ子どもたち」をテーマとした初のAR 映像作品を発表します。
作品紹介
中村は、「病気の親がいると、家のなかに病や死の予兆がある。その予兆のなかで世界を感じると、高い解像度をもって世界の像が子どもに迫ってくる」と語る。観客は、かつてある家族が住んでいたであろう家を一人ひとり訪ね、ある子どもの視点から二重化された世界を体験する。死が隣接した宙吊りの「生」の感覚に触れることで、言葉にできない痛みや感覚をいかに癒し合うことができるだろうか。
「あいちトリエンナーレ」で話題となったVR作品の続編が登場
あいちトリエンナーレ2019 で初演され、高い評価を得たVR演劇作品「縛られたプロメテウス」の続編が上映されます。作者は小泉明郎氏。テート・モダンのBMW テート・ライブや上海ビエンナーレ等、多数の国際展等に参加しています。
作品紹介
約2500 年前に書かれたアイスキュロスの戯曲「縛られたプロメテウス」に続く「解放されたプロメテウス」は現存せず、いかにプロメテウスがゼウスと和解し解放されたか、私たちはその結末を知ることはできない。小泉はその失われた戯曲をコロナ禍の現代に接続し、仮想空間とリアル空間の双方において、複数の観客が参加できる儀礼的パフォーマンスとして再構築する。
斬新な作風で話題のスザンネ・ケネディによる新作VRパフォーマンス
仮面をつけた俳優たち、録音されたセリフが自動再生される特異な舞台など、独自の美学で創作するアーティスト、スザンネ・ケネディ氏の作品が登場。VRパフォーマンスとして上映されます。
作品紹介
今回ケネディ氏は、シアターコモンズからの委嘱を受けて、VR技術を応用し、仮想空間だけで体験する演劇作品「IAM0/R)」を創作、世界初上演する。観客は、吉凶を仰ぎにデルフォイ神殿を訪れた古代ギリシャ人のように、神託を求めて仮想空間を旅する。
期間中はVR以外の作品も公開
VR作品以外にもワークショップや言論イベント、ツアーパフォーマンスなどが多数実施される予定です。各パフォーマンスの上映期間や会場の詳細は公式ページのプログラムを確認ください。
また1月22日(金)20時より参加アーティストによるプレトークが配信予定です(アーカイブあり)。
会期 |
2021年2月11日(木)ー3月11日(木) |
会場 |
東京都港区エリアを中心に、リアル/リモート参加が可能な形で開催 |
チケット料金 |
コモンズパス |
チケット購入ページ |
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公式ページ |
(参考)プレスリリース