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「三次元のインターネット」を生み出し、熱狂を拡散する。Synamonが描く、メタバースが「脱バズワード化」した未来

耳にしない日はないと言ってもいいほど、メタバースという言葉は社会へ拡散したように感じます。実際に「メタバース活用」を謳う企業やサービスが増加していますが、果たしてどれだけのものが価値を発揮し、活用され続けていくのでしょうか。

ともすれば、メタバースは定義が曖昧なまま認知され、一過性のブームとして消費される「バズワード」になってしまうのでは……?

そんな疑問に「あくまでもメタバースは手段であり、正しく活用されているものは残っていく」と答えてくれたのは、株式会社Synamon(シナモン)のみなさん。2022年10月、メタバースブランディングプラットフォーム『SYNMN(シナモン)』(以下、『SYNMN』)のオープンベータ版の提供開始を発表。2016年の創業以来、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのデバイス使用を前提としたXR領域の事業を展開してきましたが、PCやスマートフォンからでも利用できるメタバース領域へと大きく舵を切りました。

本記事では同社で取締役 / COOを務める武井勇樹氏、取締役の西口雅幸氏、テックリードである松原達郎氏とバックエンドエンジニアの黒岩徳之氏をお迎えし、メタバース事業に注力することを決めた背景から、事業の現在地と展望をうかがいました。

インタビューは武井氏の「たしかに、メタバースはバズワード化している」という答えから始まりました。Synamonはメタバースの今をどう捉え、どんな未来を描いているのでしょうか。

リアルとデジタルの溝を埋める「第三の選択肢」

——2022年10月、メタバースブランディングプラットフォーム『SYNMN』の提供開始を発表されました。「メタバース」はいわゆるバズワードになっているようにも思うのですが、現状をどのようにご覧になっていますか?

武井:「メタバース」がバズワードになっているのは間違いないと思っています。これまでも、たとえば「5G×XR」などたくさんのバズワードが現れ、そして聞かなくなっていきましたよね。それと同じように「メタバース」という言葉も次第に聞かなくなっていくのだろうと考えています。ただしそれは、メタバースが社会に定着せず、消えていくことを意味するわけではありません。

そもそも、なぜメタバースがバズワード化しているのかというと、それを活用すること自体が目的になってしまっているサービスが多いからだと思うんです。早晩、そういったサービスは駆逐されていくでしょう。

一方、何かしらを実現するための「手段」としてメタバースを活用しているサービスは残り続けると思います。新たなゲーム体験を提供したい、企業がユーザーとコミュニケーションを図りたい……といったように。バーチャル空間を活用した体験やコミュニケーションは今後当たり前になっていくのではないかと思うんです。そうして、「バズワードとしてのメタバース」は聞かれなくなっていくのではないかと。

——今や「インターネットで」や「オンラインで」と言わずとも、人々が体験やコミュニケーションをしていることにも通じますね。なぜそれらが当たり前になっていくと言えるのでしょうか?

武井:リアルな空間と既存のデジタル空間に次ぐ「第三の選択肢」が必要とされているからだと考えています。私たちは「バーチャル空間に桃源郷をつくるために、メタバースを活用しよう」と考えているわけではありません。リアルな空間にも、既存のデジタル空間にも価値があるし、社会にとって重要な場であり続けると思っています。

ただし、現状ではリアルとデジタルの断絶が大きすぎる。たとえば、コロナ禍をきっかけに、Zoomなどを利用したリモート飲み会が流行しましたよね。しかし、今でもリモート飲み会をやっているという人は少ない。それはやはり、リアルな飲み会の体験を、既存のデジタルサービスでは再現できなかったからだと思うんです。

メタバースはリアルな空間が、あるいは既存のデジタルサービスが持つさまざまな制約から人々を解放し、リアルとデジタルの間にある断絶を埋める技術。繰り返しにはなりますが、リアル空間から抜け出すための、あるいは既存のデジタルサービスをリプレイスするためのものではないと考えています。

XRとメタバースは、「三次元のインターネット」の両輪

——創業以来、XR領域の事業を展開してきた御社が「SYNMN」の開発を手がけた背景には、メタバースが社会に求められているといった認識があるのでしょうか?

武井:そうですね。私たちはVR元年と言われている2016年の創業以来、主にHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を活用した新規事業開発の支援サービスなどを提供してきました。ですので、XR技術に関する問い合わせが多かったのですが、次第に「メタバース事業を立ち上げたい」という要望が増えてきたんです。

私たちとしても、やがてはその領域に対応しなければならないと考えていましたし、マーケットの変化について行くためにも、メタバース構築支援事業に注力する判断をしました。


武井氏は実例も交えてメタバースとビジネスを結ぶ入門書『60分でわかる! メタバース 超入門』(技術評論社)も出版した

——ニーズが高まっているとはいえ、これまでの事業の方向性を否定することになりかねない決断にも思えるのですが。

武井:XRとメタバースは「三次元のインターネット」を実現させるための両輪だと思っているんです。テキストや画像、あるいは動画によってコミュニケーションが成り立っていた二次元のインターネットから、よりリッチな3D空間でのコミュニケーションを実現する三次元のインターネットへ。そういった進化を推し進めるのが、XRとメタバースだと認識しています。

より具体的にいえば、XRは三次元のインターネットを実現するデバイス、つまりはハードウェアの進化という文脈で語られるものだと思っています。XRは、HMDやARグラスなど、デバイスと共に進化してきました。対して、メタバースはソフトウェア軸の進化だと捉えています。ハードウェアとソフトウェアの両軸が進化することによって、三次元のインターネットは成立する。

たとえば、スマートフォンとSNSの関係に近いと思います。スマートフォンというデバイスが登場し、TwitterやFacebookのようなSNSが爆発的に普及してインターネット上のコミュニケーションは大きく変わりましたよね。XRとメタバースは、インターネットを異なる次元に進めるための両輪なんです。だから、XRからメタバースへという流れは、これまでの事業の方向性と矛盾するものではないと捉えています。

——なるほど。とはいえ、メタバース事業に挑むにあたっては苦労もあったのではないでしょうか。

西口:そうですね。メタバース事業はスマートフォンやPC向けサービスの開発が念頭にありましたが、会社としてはiOSやAndroid対応のアプリなどをつくった経験がなかったので、ゼロからのスタート。でも、XRとは技術的に共通する部分も多いので、「強くてニューゲーム」という感じでしたね。

松原:提供するのが、BtoBtoCサービスに変わった点も大きいと思います。XR事業においては、顧客である企業にとっての使いやすさがアプリ開発における重要な要素でした。しかし、メタバースプラットフォームを開発するということは、クライアントの利便性はもちろん、その先にいるエンドユーザーのことも考えなくてはなりません。エンドユーザーがどんな体験を求めているかを考え、設計をしなければならなくなったことは大きな変化ですし、今後の大きな課題の一つだと考えています。

武井:組織的な観点での苦労もありましたね。先ほど申し上げたように、会社としての大きな方向性は変わっていないものの、やはり「XR領域のサービスを開発したい」と集まってきたメンバーも多いので、メタバース事業に注力すると発表したときは、「やりたいことと違う」と意見も出てきました。発表してから1年ほどは、そういった組織的なひずみに悩まされましたね。

——そのひずみはどのように解消していったのでしょう。

武井:正直に言えば、功を奏した施策はなくて、むしろ「もっとこうしておけばよかった」と思うことばかりなんです。たとえば、決断の理由や背景をすべてのメンバーによりしっかりと伝えるべきだった。説明不足ゆえに「流行に乗っかっただけ」と思ってしまったメンバーもいるのではないかと。

マーケットの変化にいち早く対応するため、トップダウンで決めてしまい、その理由の説明に時間を割けていなかったんです。もちろん、スピードこそスタートアップの強みだと思いますし、遅きに失しないためにも決断を下すこと自体は間違いとはいえません。しかし、振り返ってみると、準備を丁寧に進めながら緩やかにシフトすることもできたのではないかと。その点は今後に活きる学びの一つです。

黒岩:たしかに現場メンバーの目線で言えば、驚きはありました。ただ、私が入社した2021年7月時点で「メタバース事業に注力するかも」という話は社内で聞いていたんです。それに、XRからメタバースへと注力領域が変わったとは言え、先ほど武井からもあったように会社として目指すところは変わっていないので、納得感はありますよ。

NFTの本質的な価値は「プレミアム感」と「信頼性」

——そういった紆余曲折を経て、『SYNMN』のリリースに至ったわけですね。改めて、どのようなサービスなのか教えてください。

武井:さまざまなコンテンツを持つ企業や個人が、そのコンテンツのファンの方々とバーチャル空間でコミュニケーションを取るためのプラットフォームです。

「メタバースブランディングプラットフォーム」と銘打っているように、ファンマーケティングやブランディングに特化した設計です。「ファンミーティングやオフ会を実施するためのバーチャル空間を提供している」と言うとイメージしやすいかもしれません。

BtoBtoCモデルのサービスですので、コンテンツを提供する側にとっても、ユーザーにとっても、利便性が高いことを目指しています。使いやすい管理画面を用意したり、投げ銭機能の開発を進めていたりと、コミュニケーションを促進するさまざまな仕組みの実装を目指しています。

黒岩:私は主にコンテンツを提供する側が使う機能を開発しているのですが、簡単に言えば「舞台装置」のイメージですね。上演用の道具はもちろん、企業側が舞台を盛り上げるためのコンテンツを、ウェブからアップロードするための機能の実装を進めています。まだまだ完成には遠いので、企業のみなさんからたくさんのフィードバックをもらいながら開発していきたいです。

西口:ユーザー側のアプリ開発に関しては「このアプリを利用する理由」をつくっていくことが最大の課題だと見ています。ユーザーが使ってくれなければ、ファンマーケティングは成立しません。『SYNMN』ならではの楽しさやメリットを提供できる機能が欠かせないでしょう。

同時に、より良い体験を提供して、商品やコンテンツを好きになってもらうための仕組みもどんどんつくっていきたいと考えています。その一つとして『SYNMN』ではNFTを活用できるようにしているんです。

——NFTも、さまざまな用途で広がってきましたね。『SYNMN』ではどのように?

武井:一言で表すと「デジタル会員権」ですね。特定のNFTを所有しているユーザーしか入れない空間を設け、その空間ではプレミアムな体験ができる。そんな形での活用を想定しています。

ユーザー側はそこでしか得られない体験というメリットを享受できますし、NFTホルダーであれば「せっかく権利を持っているのだから」と再訪してくれる可能性が高くなる。コンテンツを提供する側にとっても利点があると考え、導入しました。

ただし、初めからそうしようと決めていたわけではありません。2022年に入ってから、海外を中心に「メタバース×NFT」を標榜するサービスが増えてきたこともきっかけです。リサーチを進める中でNFTに対する解像度が段々と上がっていった結果ですね。

西口:「NFTを活用できるようにする」と聞いたときは、正直に言うと「またバズワードが出たぞ……」と思いました(笑)。個人的には反発したことも事実です。ただ、エンジニアやビジネスサイドのメンバーも含め、全員でディスカッションを重ねながら、技術的な理解を深め、さまざまな活用事例を知るうちに、NFTの本質的な価値が見えてきました。

——メタバース事業へ注力する際の学びが活きたわけですね。

西口:現在の会員権としての使い方は、個人的にも妥当なものだと感じていますし、社内のコンセンサスも得られている。ディスカッションを繰り返したからこそ、全員が納得できる用途にたどり着けました。エンジニア陣が地道に知識を付けていったからこそ、実装できたと感じています。

武井:BtoBtoCモデルのサービスだからこそ実装できたとも思っていますね。というのも、CtoC領域ではNFTを悪用した詐欺などが横行しているため、懐疑的な目を向けているユーザーも少なくありません。だから、信頼性を担保できなければ、NFTを活用してもらえないのではないかと思うんです。

BtoBtoCであれば、私たちとコンテンツを提供する企業の2社でしっかりとガードを固められる。だからこそ、「このサービスでなら安心してNFTを利用できる」と感じてもらえるはずです。

バーチャル空間から「時代を変える熱狂」を生み出したい

——今後、『SYNMN』を通してどのようなことを実現したいとお考えでしょうか?

武井:『SYNMN』のリリースに際して、Synamonのミッションを「バーチャル体験の共創で、熱狂を拡張する」に刷新しました。このミッションに込めた想いをお伝えすることが、「どんなことを実現したいか」の答えになると思います。

少し前から言われていることですが、企業が一方的に情報を提供するようなマスマーケティングの手法ではモノが売れにくくなっていますよね。SNSなどを通じた双方向コミュニケーションによって、モノを売り、ブランドをつくっていくことが当たり前になっています。つまり、企業と消費者がブランドを「共創」しているとも言える。

そして、一方的な情報提供も、共創のための双方向コミュニケーションも、これまでは二次元のデジタル空間において行われてきました。しかし、これからはメタバースという三次元のデジタル空間で、それらが図られるようになると踏んでいます。

——企業がメタバース上で消費者とコミュニケーションを取るようになる?

武井:はい。かつて、ホームページが登場した当初は「必要ない」という意見もありました。これまでのように、チラシや店頭での宣伝で十分だろうと。しかし、今や企業がホームページを持つのは当たり前になっていますよね。

それと同じように、いまはまだ「メタバースなんて必要ない」と思われているかもしれませんが、多くの消費者がデジタル空間で過ごす時間を増やすにつれ、「企業が自社のバーチャル空間を持つのは当たり前」と言われるようになる。そうして、企業と消費者がバーチャル空間上でコミュニケーションを取り、さまざまな体験を共創していく時代がやってくるのではないかと。

そういったコミュニケーションの中心には、モノやコンテンツが持つ「熱量」があるはずです。売り手側が想いを持って生み出したプロダクトやコンテンツは大きな熱量を持ち、それがユーザーへ伝播することで熱狂が生まれる。新しい未来は、その流れのなかで生まれるのだと私たちは考えています。

メタバースから熱狂を生み出し、その熱狂によって時代をつくっていく。Synamonが社として「バーチャル体験の共創で、熱狂を拡張する」というミッションに込めたのは、そんな想いなんです。
オフィスの一角には歴代のデバイスが、リスペクトも込めながら収まっていた

——想いを形にするために、これからどんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

西口:まずは、プロダクトの完成度を上げることによって、「メタバース×ファンマーケティング」が成り立つことを示さなければなりません。先ほど挙げたような機能を実装しながら、しっかりとマーケティング効果を出せるサービスにしていくことが第一歩になるでしょう。

また、「ハレ」のイベントだけではなく、「ケ」としてのコミュニケーションを取るための場にもしたいと考えています。日常的に使われる空間にならなければ、次第に過疎化してしまうと思うので。ただ、とても難しいチャレンジですし、答えがあるわけでもないので、クライアントにもヒアリングしながら考えていきたいですね。

武井:ビジネスサイドとしては、利用してくれる企業を見つけることが最も重要なポイントになると思っているので、そこから取り組んでいきたい。「クライアント」というより、先ほど申し上げたような世界を実現するべく、共創に取り組んでいただける「パートナー」と出会うことが、成功の鍵となるでしょう。

——直近のニュースではmicroverse、tofuNFT、z game studioなどとパートナーシップを締結していますね。それらはSynamon単独ではなく、パートナーと協力しながらミッションを達成しようと考えられているからですか。

武井:そうですね。1社が特定領域における利益を独占する時代は終わったと考えています。今後はパートナー企業がつくった空間を、私たちがつくったサービスに取り込めるようにしていきたいですし、それぞれの得意なことを組み合わせながら理想のバーチャル空間を構築したいのです。「餅は餅屋」ではないですが、それぞれの強みを持ち寄った方が、ミッションの達成は近づくでしょうから。

——とはいえ、自社の力で乗り越えなければならない壁もあると思います。今後、どのような課題が生じると想定されていて、それをどう乗り越えていくのでしょうか?

西口:私たちはファンマーケティングのプロフェッショナル集団ではないので、「知見の不足」は一つの壁になるでしょうね。すでにファンマーケティング支援に取り組んでいる企業などと手を組むことも視野に入れながら、壁を乗り越えていきたいと思っています。

松原:エンジニアとしては、「用意した機能を本当に使ってもらえるか」に確信を持てないまま開発を進めなければならない点が難しいポイントです。「メタバース×ファンマーケティング」という新しいコンセプトのプロダクトなので、参考にできるサービスが少ない。だから、新たな機能の実装は進めているものの、使ってもらえる保証はありませんし、おっかなびっくり開発しているのが実際のところでして。

本当に求められる機能の開発にリソースを集中させられる状態が理想だとはわかりつつも、現状では実現できていないので、今後は「いかに優先順位をつけるか」が課題になっていくでしょうね。

武井:ビジネスサイドとしても、機能実装に関するオーダーが難しいんですよ。機能をリリースしたもののあまり使われなかったとしたとき、その理由が「不要な機能だったから」なのか「作り込みが甘かったから」なのかが判別しづらい。理由の検証方法も含めて、「本当に必要な機能とは何か」を考えていかなければならないと思っています。

最先端の「未知」と「苦労」を心の底から楽しめる

——まだまだこれからというフェーズだとは思うのですが、現在どんなやりがいを感じながらサービスの開発を進めていますか?

西口:やはり、ゼロイチでモノづくりをするのは楽しいです。しかもそれが、メタバースやNFTといった最先端技術を利用したものなので、時代をつくっている感覚がありますね。また、僕は元々バーチャル空間で何かを体験すること自体がおもしろいと思って、映像業界でモデリングなどを担当してきました。

Synamonに入社し、XR領域のアプリをつくっているときも、現在もその想いに変わりはありません。バーチャル空間で何かを体験することのおもしろさをより多くの人に伝えていきたいので、プロダクトを通して提供する体験の質にはこだわっていきたいですね。

松原:個人的には『SYNMN』の開発について言えば、まだ「おもしろい」と感じるフェーズには来ていないかなと思っています。というのも、今は基礎的な部分をつくっている段階で、これから既存のメタバースプラットフォームとの差別化を図るフェーズになる。システム的にもサービス的にも、そこが重要かつ難易度が高いからこそ「おもしろい」部分なので、大きなやりがいを感じられるのは、まさにこれからでしょう。

黒岩:私の場合は、元々この領域に取り組みたくて入社したので、日々やりがいを感じています。あとは、これはスタートアップならではだと思うのですが、人数が少ないために主体的に動くことを求められる環境なので、それがやりがいにつながっています。現状ではサーバーサイドチームは私も含め2人の正社員と、業務委託の方々で構成されています。それぞれで幅広く業務をカバーしなければならないので、大変ではあるものの、充実感がありますね。

武井:私個人としての想いでもあり、Synamon全体のスタンスでもあるのですが「わからないからこそ、おもしろい」と思うんです。人によって感じ方が分かれるのかもしれませんが、少なくとも私を含めたメンバーは、未知の領域に挑んでいくことを楽しんでいます。そこにはポジティブな驚きもあれば、ネガティブな驚きもありますが、それら全てが面白い。「これから先、どうなるんだろう」と感じる道を進んでいること自体が、やりがいです。



オフィス内の本棚にはVRやWeb、プログラミングの参考書だけでなく、イラスト集やアニメの設定原画など多様なアイデアソースが並ぶ。メタバースはそれら全てが要素になる。

——では、採用においても「未知を楽しめること」が重要な要件になるのでしょうか?

武井:そうですね、求めたい要素の一つです。社内の体制としても整っていない部分は多いですし、それを隠すつもりはありません。そういった実情を理解した上で、この環境を楽しめる方に仲間になってもらいたいです。

あとは、「メタバース」がバズワード化している今だからこそ、「勝ち馬に乗りたい」と狙っている人もいると思うのですが、そういう方はSynamonにはフィットしないかなと。心の底からこの領域の事業にチャレンジしたい方を採用したいですね。

——今、Synamonにジョインすることで、どんな経験が得られると思われますか?

西口:得られるもの……一言で言えば「苦労」ですかね(笑)。というのも、Synamonには自らの専門領域以外にもチャレンジできる環境がある。僕自身、元々はフリーランスのモデラーだったのですが、入社して以来、フリーランスのままでは体験できないことをたくさん経験しています。当然そこには苦労もありますが、そういったことを楽しめる人と働きたいですね。共にカオスな状況を楽しめる仲間を求めています。

松原:「自ら答えをつくる」経験ができるかなと思います。Synamonに入ってから、型にはまった仕事をしたことがないんですよ。言い換えれば、良くも悪くもルーティンワークがないし、「こういった進め方で仕事をしてください」と言われたことがない。

しっかりと説明責任を果たせば、「答えの作り方」から自分で決められるんです。だから、自ら考え、答えを出し、みんなとそれをすりあわせながら開発を進めていくスキルが身についたと感じています。最初から「答えをください」というスタンスの人は働きにくいかなと思いますが、逆に主体性を持って自ら考え、動ける人にとってはとても良い環境です。

黒岩:エンジニアでも、ビジネス視点に立てる点が魅力だと思います。望めばPdMチームのディスカッションに加わり、技術ではなく事業観点の意見を伝えることもできますし、実際に私もビジネスサイドの会議に参加しています。エンジニアとして技術を磨くことはもちろん重要ですが、一人のビジネスパーソンとして事業視点に立てる環境があるのはとてもありがたいですね。

あとは、穏やかで良い人が多い。それに、みなさん好奇心が強いんですよ。そういったメンバーとディスカッションを重ねながら、プロダクトをつくっていくことが自分にはとても合っていますし、同じ志向の方であれば大きく成長できるのではないかと思います。

武井:世界的なトレンドの最先端にいられることは、とても良い経験になるはずです。「最先端にいること」に関しては、個人的な思い入れもあって。というのも、私が社会人になったのは2013年のことで、1社目に選んだのはとあるITベンチャーだったんです。さまざまなサービスを生み出している会社だったものの、当時のトレンドであるスマホ向けサービスは手がけていませんでした。

そんな中、メルカリなどは世の中を変えるサービスを生み出していて、それを横目で見ながら「なんで俺はあそこにいないんだろうな」と歯がゆかった。たしかに「メタバースはバズワードだ」とか、「金儲けの手段でしかない」とか言われることはあります。でも、まだまだこれからの領域ですし、どんな発展を遂げるのかは、いまメタバース事業を展開している会社次第でしょうし、Synamonもその1社です。

これから大変なことはどんどん起きるでしょう。でも、世界的なトレンドの最先端で、もがきながらチャレンジした経験は、必ずその後に生きるはずです。それに、Synamonは現状で20人規模の会社なので、コアメンバーとして事業運営に関わるチャンスがある。客観的に見ても、とてもおもしろい環境なのではないかなと思います。

(インタビュー 統括:すんくぼ(Mogura)/ 水原由紀(Mogura)/ 企画制作: 森部綾子(インクワイア)/ 編集: 長谷川賢人 / ライター: 鷲尾諒太郎 / フォトグラファー: 加藤甫)