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AR/スマートグラス 2026.07.09

「Rokid スマートAIグラス」一般販売へ。基盤となるAIネイティブOS「YodaOS」の詳細も明らかに【取材レポ】

Rokidの「Rokid スマートAIグラス」が、2026年7月10日11時より日本国内で一般販売を開始します。価格は10万9990円(税込)。Rokid公式オンラインストア、Amazon、楽天市場などのオンラインストアに加え、ヨドバシカメラ、ビックカメラ、エディオンなど全国75店舗で順次展開されます。

発表会では、製品の一般販売開始とあわせて、スマートグラス向けのAIネイティブOS「YodaOS」も発表されました。RokidはAIグラスを単なるガジェットではなくAI時代の新しいインターフェースと位置付けており、今回の発表はその構想を具体化するものとなります。

製品概要:カメラ、翻訳、ARナビを備えたオールインワン型


Rokid スマートAIグラスは、カメラ、マイク、スピーカー、ディスプレイをメガネ型の筐体に内蔵し、翻訳、ARナビゲーションなどの機能が使えるAIウェアラブル端末です。
主な仕様は以下の通りです。

項目 仕様
重量 約49g
カメラ ソニーIMX681、1200万画素、109度広角レンズ、F2.25、HDR、ノイズリダクション、手振れ補正
ディスプレイ 両眼Micro LED、1500ニト
FOV 30°
SOC Snapdragon AR1 Gen 1
Wi-Fi Wi-Fi 6
Bluetooth 5.3
RAM 2GB
ROM 32GB

なおRokid スマートAIグラスは、Makuakeで先行販売されました。Rokidによると、応援購入総額は6億3673万6060円、サポーター数は7,413人を記録し、Makuake歴代の応援購入金額1位を達成しました。

Rokidが描く「AIはスマートフォンの中から視界へ」という構想

発表会の冒頭、Rokid海外事業統括副総裁のZoro Shao氏は自社をAI・ARに特化したグローバル企業と紹介しました。

2014年に創業したRokidは、初期の頃からスマートグラスの開発に着手。12年以上の研究開発と、ハードウェアからOS、インタラクション、AIサービスまでを手がけるフルスタックの技術力を培い、装着型ARグラス分野の世界販売実績で1位を獲得し、成長率は600%を超えたといいます。

Shao:「私たちは12年の歴史を描き、世界最大規模のオープンエコシステムを構築しています。現在、3万人を超えるエンジニアや、5000社以上の企業の皆様にご参加いただいております」

Shao:「今回のMakuakeでのプロジェクトは、実際に製品を体験していない段階から、私たちを信じてくださった皆様の応援が、私たちにさらに大きな助けを与えてくれました。今後も私たちは日本市場に少なくとも10億円を投資し, マーケティング、研究開発、そして開発者エコシステムを構築していきます」

日本国内向けの施策としては、東京を皮切りに横浜、大阪、名古屋、福岡の5都市を巡る体験会イベント「Rokid Japan Tour」も発表されました。旅行、仕事、コミュニケーション、日常生活といった場面で製品がどう役立つかを体験できる場にするとのこと。あわせて、ユーザーが自分の視点でRokid スマートAIグラスがある日々を投稿するUGCチャレンジも実施。使い方を共有しながら、ユーザーの興味を広げるデバイスとして打ち出していく考えです。

基盤となるAIネイティブOS「YodaOS」

この構想を支える基盤として発表されたのが、スマートグラス向けAIネイティブOS「YodaOS」です。

スマートフォンのOSは、ユーザーが画面をタップして操作することを前提にしています。一方でAIグラスは、音声によるコマンド入力もしくはスマートフォンアプリからの操作が一般的ですが、タップ、視線、身体の動きなどを組み合わせることが好ましい。歩行中や会話中、作業中でも使う可能性があるため、操作フローをシンプルにまとめ、現実の行動を妨げない設計が重要です。

外国語の看板を読むときは翻訳、旅行中は周辺案内や移動経路、作業中は手順の参照といった具合に、場面ごとの入力をAIエージェントや外部サービスにつなぎ、マルチモーダルな操作体験も必要だといいます。

YodaOSは、この違いを吸収するためのOSです。大規模言語モデル、メモリシステム、ホログラフィック表示、アプリケーション、外部サービス、現実世界の情報をつなぐレイヤーとして機能させるとのことです。

Rokidグローバル・オープンエコシステム統括 Weiqi Zhao氏は、以下のように語りました。

Zhao:「私たちは今後10年後、AIアプリの開発へ進んでいくと考えております。いままでAIはアプリ、サポート、またはクラウドサービスとして存在していました。しかし、AIはデザインセンシブルなサービスになるべきです。AIはハードウェア、OS、インタラクション、ユーザー経験の中に深く統合される必要があります。ユーザーは各種のアプリを使ったりする必要はありません。必要な時に、必要なサポートを行う。これが、私たちの考えるAI OSです」

機能を拡張する「エージェントストア」

エージェントストアの構想も発表されました。Rokidは、Rokid スマートAIグラスの機能を自社だけで用意するのではなく、開発者やパートナーが様々なAIエージェントを提供できるエコシステムを目指しています。現在海外版のAIエージェント開発プラットフォームがリリースされ、7月にはエージェントストアが公開される予定とのことです。

その一例が、動物の鳴き声や表情から彼らの感情を言語化するAIエージェントや、スポーツの試合状況をレポートしてくれるAIエージェント。またゲーム機能なども視野に入れています。

ユースケースの開拓がAIグラスの魅力を高める

Rokid スマートAIグラスのユースケースを広げる場となるエージェントストア。他にはどんなアプリが登場するのでしょうか。Rokidの開発者であり、Arvione AIのファウンダーでもあるLouis Lee氏は、名刺交換からビジネストークに繋げる営業支援AIエージェントのアイディアを披露しました。

スマートフォンのカメラで名刺を読み取り、トークにつなげていく情報を得るには時間がかかります。

そこでRokid スマートAIグラスのカメラとAI機能を用いて、名刺に記載された文字列からAIが企業や人物の情報を調べ、会社概要、事業内容、最近のニュース、会話の糸口になりそうな情報をHUD上に表示します。会話の流れを保ったまま、相手を理解するための補助情報が得られます。

一般販売の現場で問われる体験価値の伝え方

Rokid スマートAIグラスは、スペック表だけでは価値が伝わりにくい製品です。翻訳、撮影、ナビゲーション、AI検索といった機能は説明できても、それが日常や仕事の中でどれだけ自然に使えるのかは、実際に試してみないと分かりません。

一般販売で重要になるのは、AIの性能を訴求することだけではありません。装着時の感覚、表示の読みやすさ、周囲とのコミュニケーションを妨げないかどうかを、店頭やイベントで体験してもらう必要があります。そうした接点の作り方によって、多くの方にAIグラスを理解してもらえるでしょうし、その逆のパターンもありえます。

Makuakeで大きな支持を集めたRokid スマートAIグラスは、いよいよ一般販売の段階に入りました。次に問われるのは、先行販売で集めた期待を、量販店や体験イベントを通じて「自分にも使えそうだ」と感じてもらうための一手となるでしょう。

公式サイトはこちら:https://jp.rokid.com/products/rokid-glasses


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