イギリスのスタートアップScape Technologiesは、高精度の位置情報技術を用いたマルチプレイのARゲームをリリースします。”ARクラウド”の鍵を握る3Dマップを活用し、周囲の情報を反映した初のMMOAR(Massively Multiplayer Online AR)を謳っています。
センチ単位の高精度位置特定技術
Scape TechnologiesはAR向けの位置特定サービスを提供しています。GPSではなく、ユーザーがスマホカメラで撮影した画像を利用して場所を特定するのが特長です。最大でセンチメートル単位の精度を有する位置特定サービスを開発しています。
この技術を用いて現実の3Dマップ化を進めており、ロンドンやサンフランシスコをはじめ、すでに100の都市でデジタルデータを収集しています。同社が持つ高精度の位置情報は、”ARクラウド”構築に不可欠な要素です。周囲の情報をリアルタイムで反映し、例えば現実世界に恒久的にARコンテンツを配置するといったことが可能になります。これを応用すると、レストランが道にAR看板を掲げるような活用が考えられます。
初の大規模マルチプレイARゲーム
今回発表したゲームは「Holoscape」というタイトルです。同じ場所にいるプレイヤーを巻き込む、初の大規模マルチプレイARゲームになると期待されています。
現在公開されているのはティーザートレーラーのみですが、スマートフォンを用いた陣取りゲームのような内容と見られます。プレイヤーは現実世界にある自分の陣地を確保し拡大、他のプレイヤーと互いにこれを阻止します。トレーラーからは、自らゲーム内でショットガンを撃ったり、デジタルキャラクターを通じて戦闘を繰り広げる様子がわかります。
なお最後に“coming soon”との文字が浮かびますが、リリース日は明らかになっていません。
同社の技術はソフトウェア開発キット「ScapeKit」として公開もされており、2019年3月にはアプリ開発のハッカソンが開催されました。
(参考)ARPost、Venture Beat